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地方を舞台にアジアへ、台湾からゲストを招いた特別回【オールゲームニッポン 第33回】

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地方を舞台にアジアへ、台湾からゲストを招いた特別回【オールゲームニッポン 第33回】
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角川ゲームス代表の安田善巳氏とゲームジャーナリストの平林久和氏による「オールゲームニッポン」ですが、今回は特別版として島根県・松江市にて収録を行いました。角川ゲームスが6月16日にリリースする『ルートレター』の舞台でもあります。また、ゲストとしてソニー・インタラクティブエンタテインメント台湾プレジデントの江口達雄氏、さらには台湾で活躍するユーチューバーのコニーさんにもお越しいただきました。



土本
 
今月のオールゲームニッポンは特別版です。待望の出張収録のため、私たちはただいま島根県松江市に来ております。さらに、今回はお二人の特別ゲストをお呼びしました。

江口
 
いつも台湾でオールゲームニッポンを読ませてもらっています。毎回ハイテンポで脱線しまくるトークが大好きです(笑)。ソニー・インタラクティブエンタテインメント台湾でプレジデントをつとめております。江口達雄です。よろしくお願いします。

コニー
 
日本とゲームが大好きなモデル兼ユーチューバーです。今日は『ルートレター』の舞台となった島根の魅力を台湾の皆さんに伝えるために飛んできました。

安田
 
おふたりとも遠方より、ようこそお越しくださいました。どうもありがとうございます。

平林
 
江口さん、コニーさん、はじめまして。よろしくお願いします。

土本
 
前回のオールゲームニッポンでは島根県松江市でのイベントのお知らせをしました。たった今、大盛況だったイベントを終えまして、別室に皆さん集まってもらっています。



左からコニーさん、江口氏、平林氏、土本


安田
 
角川ゲームスが6月16日に発売する新作ソフト『ルートレター』の完成披露イベントをゲームの舞台となった松江市で行いました。僕は無事に終えて一安心しているところですが、ご出席なさっての感想はいかがでしたか?

江口
 
いやー、熱気にあふれたイベントでした。会場に来られた方たちの笑顔が印象的です。『ルートレター』には実在の松江市民の方たちがゲームに登場しますね。その方たちが、どなたもいきいきとしてステージに上がっていらっしゃいました。まだ夢の中にいるような興奮気味の皆さんを拝見して、私もテンションが上がりました(笑)。

コニー
 
実際に松江で見た町並みとゲーム画面が同じで不思議な気分です。ゲーム中の登場人物の人にも会えました。特に遊覧船・白鳥号の船長さんがゲームキャラクターにそっくりでびっくりしました。

安田
 
イベントの最後で、来場者の中から次回作の出演者を決めるじゃんけん大会を行いました。じつは直前まで「応募者が少なくて盛り上がらなかったらどうしよう?」とスタッフと心配していたんです。松江の人は引っ込み思案な面もありますから。

土本
 
でも実際にやってみると大盛り上がりだったじゃないですか。

安田
 
はい。会場にいらしてくれた方のほとんどが起立して参加してくださいました。あれはうれしかったですね。

平林
 
独特な熱気がありましたよね。ゲームマニアが集まったイベントではないのに、独特の熱気に包まれていました。地元の方々がゲームの完成を喜んでいる。ゲームと島根県のかけ合わせを皆さんが祝福しているかのような。他のイベントとはまったく違う和やかさを感じました。

土本
 
私もいろいろなゲームのイベントを見てきましたが、こんな雰囲気ははじめてです。地域密着型のイベントのパワーを感じました。



集まったユーザーの暖かさを感じるイベントでもありました


平林
 
島根県でのオールゲームニッポンで『ルートレター』を語っていますと、もしかしたらローカルなゲームと思われるかもしれませんが、ゲームの本質は違いますよね。島根県はテーマではなく舞台です。『男はつらいよ』という映画は、葛飾柴又がテーマではありません。柴又という土地は、あくまでも寅次郎一家がある舞台じゃないですか。当たり前のことですが、どこに住んでいる人でも『ルートレター』を楽しめると思います。

安田
 
そうなってユーザーさんが広がってほしいですね。ところで……どこに住んでいる人でも楽しめるということで、今後のアジア地域での展開を行うにあたって、江口さんからも期待してもらっています。

江口
 
はい。この『ルートレター』は台湾、ならびにアジア地域での販売をソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアが行います。今日はその完成披露のお祝いと、ストーリーの背景をより深く理解するために、松江にやってまいりました。



ソニーインタラクティブエンタテインメント台湾の公式Facebookではコニーさんが松江各地を巡った様子が投稿されている


平林
 
江口さんが『ルートレター』を期待なさっていることは、さきほど壇上でのスピーチでうかがいました。ところで、素朴な疑問ですが台湾でのアドベンチャーゲームの市場は大きいんですか?

江口
 
中文化されたアドベンチャーゲームの例がまだ少ないのでなんとも言えません。ですが、日本のゲーム会社が開発した日本的なゲームは根強い人気があります。コニーさんのような日本のゲームが大好きな若者がたくさんいます。

土本
 
僕らの子供の頃のように、台湾でも日本のゲームで育った若者が多いということでしょうか?

江口
 
はい。それこそTVゲーム黎明期から日本のゲームがほぼリアルタイムで遊ばれていたようです。それに加えて、日本のエンタテインメントを楽しむための素地があると言いますか、台湾の人たちは日本のことをよく知っていますし、感性も日本に似ているな、と思うこともあります。

平林
 
難しい言葉を使ってしまいますがプロトコルが共通というか……。

江口
 
そうですね。かわいいキャラクターが大好きで、、クリエイターをリスペクトして、日本の声優にファンが付いていて、カードゲームをコレクションする人もいて……ファンの好みも日本に似ていますね。ですので『ルートレター』も台湾のユーザーにきっと気に入ってもらえると楽しみにしているわけです。

安田
 
コニーさん! そういえばセーラー服を着ているじゃないえすか! 

コニー
 
はい。台湾にはコスプレイヤーもたくさんいて、今、着ているのは『ルートレター』の主人公が来ている制服を再現して作ってみました!日本の高校の制服はかわいくて大好きです。

安田
 
そこまで気を使っていただいて、ありがとうございます。

土本
 
台湾でのプレイステーションは絶好調のようですね。今年の台北ゲームショウでもプレイステーションブースは大盛況でした。



台北ゲームショウのプレイステーションブースの様子


江口
 
おかげさまでPS4の普及台数は過去最高のペースで伸び続けていますイベント会場でユーザーの皆さんから「SIETが台湾のTVゲームを盛り上げてくれている」と声をかけていただけることが本当に嬉しいですね。

平林
 
正直に申し上げますがプレイステーション4発売時、日本同様に台湾でも家庭用ゲーム機のマーケットは悲観的に見られていたと思うんです。それがここまで盛り上がったのはどうしてでしょう?

江口
 
まずは私が台湾のプレジデントに就任してから流通改革に力を入れました。ユーザーの声が我々プラットフォーマーやゲームパブリッシャーの皆さんに届きやすい構造にしたことが、業界が変わり始めるきっかけになったのかもしれませんね。

平林
 
日本でプレイステーション登場の時、それまでの一次問屋・二次問屋を経由して非効率だったゲーム流通を当時のSCEはスリム化させました。あの時のような流通改革を断行されたのですね。

江口
 
はい、コンセプトは共通しています。

平林
 
なるほど。すごいご英断ですね。

江口
 
あとは日本や欧米のゲームタイトルのローカライズを過去にない勢いで推進しました。

平林
 
台湾のゲームユーザーというと日本語版や英語版を苦もなく遊んでいるイメージがありますが。

江口
 
そういうユーザーさんもいらっしゃいますが、甘えてはいけないとも思います。圧倒的多数のユーザーは外国語でゲームすることに負担を感じているので、パブリッシャーの皆さんにもお声掛けして、あらゆるタイトルをていねいに翻訳してローカライズすることにしました。やはり繁体字中文の字幕が入ったゲームは好評で幅広い支持をいただいています。そうそう、『ルートレター』のアジア版も私たちのローカライズ専門スタッフが翻訳しています。ミステリーアドベンチャーゲームなので、細かい日本語のニュアンスを表現するのに苦労していますが一同、頑張っていますよ。

安田
 
僕が制作するゲームは、まさに日本的なゲームですがそれが世界、特にアジアでは沢山のユーザーに楽しんで貰えると信じて開発しています。そういう意味で台湾は単なる販売地域ではありません。日本から世界に飛び出すための拠点であり重要なパートナーとなるのが台湾だと思っておりますので、江口さん、コニーさん、今後ともよろしくお願いします。

平林
 
えー、なんかですね。ゲームビジネスで成功するというと東京で話題になって、それが北米・欧州に羽ばたいて海外展開するというイメージが強かったと思うんです。けれども成功の道筋は、それ以外にもあるはすです。島根―台湾という異色の取り合わせですが、日本らしいゲームが生まれて育っていく。この『ルートレター』は新しい成功事例になってもらいたいですね。

土本
 
ゲームにおけるジャパニズムを再確認して応援する、オールゲームニッポンらしい結び、ですね。

江口
 
たたら製鉄とか東京サミットの展望とか、話が脱線するかと思いましたがまじめな語らいでしたね(笑)。

平林
 
江口さん、またゲストに来ていただいて、ゲームからちょっと離れた話題を語り合いましょう。

安田
 
今日は皆さん、イベントに参加いただきありがとうございました。さあ、明日は『ルートレター』に登場する場所、八重垣神社、堀川遊覧船などをご案内します!


(次回は6月24日の掲載予定です)

■パーソナリティの紹介


安田善巳 (やすだ よしみ)
角川ゲームス代表取締役社長、フロム・ソフトウェア代表取締役会長。日本興業銀行、テクモを経て、2009年に角川ゲームスの設立に参画。経営者でありながら、現役のゲームプロデューサーとして『ロリポップチェーンソー』『デモンゲイズ』などを手掛け、現在は『GOD WARS』『ルートレター』の開発に取り組む。



平林久和(ひらばやし ひさかず)
インターラクト代表取締役社長。ゲーム黎明期の頃から専門誌編集者として従事。日本で唯一のゲームアナリストとしてゲーム評論、ゲーム産業分析、商品企画などの多方面で活躍してきた。著書に『ゲームの時事問題』『ゲームの大學』(共著)など。「今のゲームを知るためには、まず日本を知ることから」が最近の持論。
《平林久和》

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