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「Japan Way」で勝ち進んだ日本人たち【オールゲームニッポン 第26回】

ゲームクリエイターで角川ゲームス代表の安田善巳氏と、ゲームアナリストの平林久和氏によるトーク番組「オールゲームニッポン」。ノーベル賞、ラグビー日本代表の活躍など嬉しいニュースが続きました

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シャープの電話できるロボット「RoBoHon」
  • シャープの電話できるロボット「RoBoHon」
  • ノーベル生理学・医学賞受賞の大村智氏 写真提供: Getty Images
  • 歴史的勝利を収めたラグビー日本代表 写真提供: Getty Images
ゲームクリエイターで角川ゲームス代表の安田善巳氏と、ゲームアナリストの平林久和氏によるトーク番組「オールゲームニッポン」。ノーベル賞、ラグビー日本代表の活躍など嬉しいニュースが続きました



土本
 
今年も早いもので10月が終わろうとしています。今月は日本にまつわるうれしいニュースが多かったですね。

平林
 
10月上旬にはノーベル賞の発表がありました。医学・生理学賞、物理学賞を日本人が受賞しました。じつは化学賞も受賞のチャンスがあったんですよね。あらゆるモバイル機器の原動力になっているリチウムイオン電池の開発が候補に残っていました。リチウムイオン電池を開発したのも日本人なので、もし、受賞していたら三冠でした。



ノーベル生理学・医学賞受賞の大村智氏 写真提供: Getty Images


安田
 
青色LEDと同じように実生活での利便性が評価されれば、リチウムイオン電池はいつ受賞してもおかしくないですね。今年は残念でしたが、来年以降の受賞を楽しみにしましょう。

平林
 
うれしいニュースといえばラグビーです。久しぶりにラグビー熱が高まって日本代表のテレビ中継を見まくってました。ゲームでもラグビーをやってみたいと思いまして『RUGBY15』というタイトルに出会って、これがムチャクチャよくできたラグビー再現ゲームになっていて、今でも遊んでいます。

安田
 
試合中の自然な動きだけで人の心をつかむ五郎丸ポーズは素晴らしい。あのポーズだけで立派なエンタテインメントになってますよね。あと、僕が注目したのは指導者の存在です。

平林
 
エディー・ジョーンズヘッドコーチですか?

安田
 
はい。エディー・ジョーンズさんは「強みを知り、強みを伸ばす」という指導方針を最も大切にしたそうです。で、エディーさんが考える日本人の強み。ふたつありまして、それは真面目さと忍耐力。この点において「君たちは世界一だ」と選手たちに説いて、チームを引っ張っていったそうです。

平林
 
なるほど。エディーさんは単にラグビーを強くするのではなく、日本のラグビーを探求してそれを強くする。「日本の」の部分にこだわったんですね。コンセプトはオールゲームニッポンと同じですね(笑)

安田
 
エディさんは僕らの仲間です(笑)。こうして生まれたのが日本のラグビーの進む道。今回のワールドカップで一躍有名になった「Japan Way(ジャパンウェイ)」です。日系人の方や、何かの縁で日本に住むことになった外国人って、普通の日本人以上に日本のことについて深く考える傾向ってあるじゃないですか。



歴史的勝利を収めたラグビー日本代表 写真提供: Getty Images


平林
 
たとえば、安田さんご出身の島根県にゆかりのある人物でいえば、ラフカディオ・ハーン=小泉八雲みたいな。

安田
 
そうです。これは僕の想像ですが、エディさんのお母様は日系アメリカ人で、奥さんは日本人です。そんなエディさんは96年に東海大のヘッドコーチに就任して以来、日本で何年間か暮らすうちに、他の国の人と比較をすると日本人は何かが違うと感じた。その違いについて、考えて考えて行き着いた答えが、真面目さと忍耐力だったと思うんです。ところで、ラグビー中継を見ていて「ディシプリン」という用語をよく耳にしましたよね。

平林
 
はい。よく聞きました。

安田
 
一般的には「規律」と訳されますが、もっと深い意味があると思うんです。反則をしないという表面上のことではなく、メンバー全員が信じる教義に忠誠を誓うという感じでしょうか。真面目さと忍耐力というと、つい猛練習とか特訓とかを想像してしまいがちですが、もっと人間の内面的な心のあり方が「ディシプリン」に込められているように思えました。

平林
 
こういうまとめ方は野暮ですが、ラグビー日本代表の活躍はゲーム開発やゲーム会社の経営の大きなヒントになりそうです。

土本
 
ラグビー以外のニュースで気になったことは何かありましたか?

平林
 
国際情勢で気になることがいろいろありましたが、ゲームに関係ある話をしますと、10月7日から10日まで開催されていたCEATEC2015はじつにユニークでした。オールゲームニッポンでは再三言ってきましたが、私はゲームの未来の可能性のひとつとして、ロボットに注目しています。今年のCEATECはロボットが目白押しで、シャープのロボット型電話「RoBoHon」、タカラトミーの組み立て式ロボット「MECCANOID」が製品レベルのものとして展示されてました。ほかにも企業の技術デモとして、オムロンは卓球をするロボット、デンソーはけん玉をするロボットを出展していましたね。あと、洗濯物をたたむロボットに時代の進歩を感じました。



シャープの電話できるロボット「RoBoHon」


土本
 
ありましたね。洗濯物をたたむロボット。

平林
 
洗濯するロボットではダメなんです。全自動洗濯機でできてしまいますから。洗濯物をたたむという、あの面倒なことをロボットにやってもらうからいいんです。世界初、洗濯物たたみロボット「laundroid」は2016年度中に予約受付開始です。あ、すいません、私は洗濯物をたたむのが超苦手なので熱く語ってしまいました。

安田
 
角川のゲームではなく映画の話ですが、10月は生誕50周年の「ガメラ」で盛り上がっていますね。東京国際映画祭日本映画クラシックス部門で「ガメラ」シリーズ4作品のデジタル・リストア版が上映されています。新作の「GAMERA」のイベントをニューヨーク・コミコンで行ってトレイラーを披露したら、想像以上の熱狂ぶりだったそうで。関係者一同、ガメラがあまりにもアメリカで人気があるので驚いていました。

平林
 
そうなんですよね。私たちは子供のころから慣れ親しんでいるんですが、怪獣は海外で人気がありますよね。SushiやMangaと同じで怪獣はkaijuで通じるみたいです。

安田
 
怪獣って怪しい獣じゃないですか。アヤシイケダモノなのに、それを見たいと人に思わせるように造形できる。独特な美的センスが日本人にはそなわっているのかもしれません。

平林
 
日本人の美的センスですかぁ。……話はずれますけれども、ラグビー日本代表の選手の奥さんが美人というネタも盛り上がりましたよね(笑)。山田章仁選手の奥さんがテレビ番組で密着取材された直後にネットで話題になりまして。

安田
 
大幅に話がずれましたね(笑)。美人妻シリーズといえば、読売ジャイアンツのマイコラス投手の奥さんも人気者になりましたよね。

平林
 
ローレン夫人ですね。

安田
 
それにしても近頃は「美人すぎる◯◯」というのがいろいろなジャンルに広がってますよね。

平林
 
美人すぎる市議会議員とか、美人すぎるヴァイオリニストとか、美人すぎる司法書士とか。日本人はどこからか美人を見つけてくる習性があるのでしょうか? 外国のスポーツ選手の中から美人を見つけて、競技とは関係ないところで盛り上がること、多くないですか?

安田
 
多いですね。バレーボールの国際大会があると、どこかのチームの美人が発掘されているような気がします。考えてみると、この美人発掘は今にはじまったことではなくてコマネチのころからはじまったのかもしれません。

平林
 
あ、懐かしいですね。ビートたけしのギャグにもなったナディア・コマネチ。どこの国でしたっけ?

安田
 
ルーマニアです。ルーマニアの体操選手です。そういえば、ゲーム業界にもいるじゃないですか。美人すぎるゲームプロデューサー。ユービーアイソフト『アサシンクリード』のプロデューサーを写真で見ただけですが、本当に美人でしたよ。

平林
 
それにしても、すごいですね。日本人の美人発掘力(笑)。最近、そんなところから美人を見つけてくるのかと感心したのは……国際紛争の舞台にもなったクリミアです。クリミアの検事総長が若くて美人で、これまた美しすぎる検事総長として話題に。

安田
 
クリミアの検事総長ってそんなに美人なんですか?

平林
 
ナタリヤ・ポクロンスカヤ検事といいましてね……

土本
 
美人で盛り上がってますが、話がずれたうえに延々と続きそうなので今月はこのへんで!


(次回配信は11月27日予定です)


■パーソナリティの紹介


安田善巳 (やすだ よしみ)
角川ゲームス代表取締役社長、フロム・ソフトウェア代表取締役会長。日本興業銀行、テクモを経て、2009年に角川ゲームスの設立に参画。経営者でありながら、現役のゲームプロデューサーとして『ロリポップチェーンソー』『デモンゲイズ』などを手掛け、現在は『Projectcode -堕 天-』『Projectcode -月 読-』の開発に取り組む。



平林久和(ひらばやし ひさかず)
インターラクト代表取締役社長。ゲーム黎明期の頃から専門誌編集者として従事。日本で唯一のゲームアナリストとしてゲーム評論、ゲーム産業分析、商品企画などの多方面で活躍してきた。著書に『ゲームの時事問題』『ゲームの大學』(共著)など。「今のゲームを知るためには、まず日本を知ることから」が最近の持論。
《平林久和》
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