ゲームファンならば、遊んだことがなくともその名は知っているという方も多く、長い歴史を持つと共に、今なお注目されるシリーズとしてゲーム業界の最前線で活躍し続けていますが、そんな『ゼルダ』シリーズが昨年、これまでにない展開を遂げました。それは「謎も敵も吹っ飛ばす」という大胆な切り口となるWii Uソフト『ゼルダ無双』のリリースでした。
タイトルにもある通り、一騎当千の活躍が楽しめる爽快アクション『無双』シリーズとコラボレーションし、『ゼルダの伝説』に登場するキャラクターたちがこれまでにないほど派手で心地良いアクションを繰り出すこの一作。リンクだけでなく、インパやミドナ、ファイ、そしてガノンドロフやゼルダ姫まで操作でき、文字通り「ゼルダ」の「無双」も堪能できます。
この刺激的な提案やその完成度、また発売日を迎えた後も意欲的に行われたアップデートやダウンロードコンテンツの配信によって、長く遊べる1本としても評価を博しました。そして『ゼルダの伝説』の新たな活躍は更なる展開を向かえ、3DSソフト『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』へと続きます。
『ハイラルオールスターズ』には、数多くのDLCを含めたWii U版の内容のほとんどを収録し、『ゼルダの伝説 風のタクト』を舞台とした新たな物語も追加。更に、『風のタクト』に登場したトゥーンリンク、テトラ、ハイラル王がプレイアブルキャラクターとして参戦。しかもWii U版を持っていれば、『ハイラルオールスターズ』で新参戦を果たすこの3人のキャラクターを、Wii Uでも遊べるようになるという嬉しいサービスぶりも見逃せません。
このボリュームたっぷりの内容にした理由や、3DS版のリリースを決めた経緯、トゥーンリンクたちを追加した背景など、気になる点は数多い『ハイラルオールスターズ』の本質に迫るべく、早矢仕洋介氏への直撃インタビューを敢行させていただきました。
──お忙しいところ、ありがとうございます。早速ですが、『ハイラルオールスターズ』がいつ頃から動き始めたのか気になります。
早矢仕氏：実は、Wii U版『ゼルダ無双』の開発中は、全然考えていなかったんですよ。Wii U版が出て、多くの方からご好評をいただいたんですが、その中に「3DSで遊びたいです」という声も大きかったんです。というのも、『ゼルダの伝説』シリーズは3DSでも展開されており、3DSしか持っていない『ゼルダの伝説』ファンの方もいらっしゃって。
──なるほど、確かにそうですね。
早矢仕氏：なので、Wii U版が終わった後に、「出来るだけ多くの方に『ゼルダ無双』を楽しんで欲しいよね」という話になり、3DSソフト『ハイラルオールスターズ』を出そうと決まりました。
またWii U版が本当に多くの方から支持をいただいたので、その方々にもしっかりお応えしたいと考え、『ハイラルオールスターズ』を出すにあたって、両方買っていただいた方には新規参戦したキャラクターをWii U版でも遊べるようにしました。
──3DSしか持っていない方のために『ハイラルオールスターズ』を用意し、同時にWii U版ユーザーへの感謝も表す形だったんですか。それにしても、Wii U版の内容がDLC も含めてほぼ収録されているというのは、凄いボリュームだなと感じました。
早矢仕氏：少しだけ入れられないものもありまして、「チャレンジモード」と「ボスチャレンジ」は、『ハイラルオールスターズ』に収録されません。それ以外は収録されているので、大ボリュームを是非堪能してください。
据え置き版と携帯版が出ているタイトルというと、据え置き版が本編で、携帯版が派生・・みたいな流れもあると思うんですけど、今回は「携帯機でもしっかり一騎当千が楽しめる『ゼルダ無双』です」というのを実現したくて、この形になりました。
──Wii U版の要素だけでなく、新要素もありますしね。ちなみに、Wii U版の時点では、一度収録が見送られた形となった『風のタクト』関連のキャラクターや物語を、『ハイラルオールスターズ』で導入した理由はなんでしょうか？
早矢仕氏：Wii U版は、『時のオカリナ』『トワイライトプリンセス』『スカイウォードソード』という3作品をモチーフとして盛り込んでいます。グラフィックはもちろん個々で異なりますが、ほかのシリーズ作と比べると頭身は比較的近く、（イメージも近かったため）これらの作品でお話を展開していくのがいいだろうと決めました。
トゥーンリンクが主人公の『風のタクト』は、見た目もやはり大きく違いますので、やはりひとつにすることはできないなと考えたんです。ですが『ハイラルオールスターズ』は、Wii U版の後日談になるので、これまでとは切り離された形での導入ならいいかなと踏み切りました。また、ユーザーの方からのご要望もここだと思うので、入れるならやはり『風のタクト』だろうと。
──では、『風のタクト』を『ゼルダ無双』に盛り込むには、今回がベストの形だったんですね。
早矢仕氏：狙ってはいないんですけど、結果的にはいい形にハマったかなと思っています。
──また更に新要素として、「プレイヤーチェンジ」が導入されました。『無双』とのコラボ感を更に強くなりましたが、この新要素を導入された背景を教えてください。
早矢仕氏：多くの方に楽しんでいただいたWii U版なんですが、「もっと楽しくできるのでは」といった声もありましたし、また当社は3DSで『クロニクル』シリーズをリリースしているので、3DSで『ゼルダ無双』を出すなら、そういう方向でのパワーアップを期待されるだろうと考え、当初からしっかり組み込もうと開発を進めました。
──その「プレイヤーチェンジ」も楽しめる試遊版を東京ゲームショウでご披露されていますが、ここまでたどり着いた率直な気持ちをお聞かせください。
早矢仕氏：しっかり楽しんでいただけるものをご用意できたと我々は思っているので、遊んでいただければ幸いです。発売日までにはもっといい内容にするので、そちらもご期待ください。
──ゲーム面に関する期待も高まりますが、新規ストーリーも気になります。Wii U版のレジェンドモードで決着がついた敵キャラクターもいますが、彼ら彼女らも新たなストーリーに登場するのでしょうか？
早矢仕氏：「風のタクト」編は、Wii U版『ゼルダ無双』の世界でエンディングを迎えた後の物語となります。なので、リンクやゼルダ姫など出てきます。また新しい事件が起こって、ラナも活躍するストーリーが展開し、もうひとつ新たな決着を迎えます。なので、Wii U版をプレイした方も、『ハイラルオールスターズ』で初めて触れる人も、楽しめる内容になっていると思います。
──Wii U版でリンクへの想いを一度整理したラナにとっては、新たなストーリーでの再会は、なかなか複雑な心境になりそうですね。
早矢仕氏：『ゼルダ無双』のオリジナルキャラクターであるラナとシアなんですが、Wii U版ではまだ描かれていない彼女たちの設定があるんですよ。その辺りが、今回の新ストーリーに盛り込まれているので、お楽しみに。
──より深く掘り下げられているんですね。Wii U版ユーザーの楽しみがまたひとつ増えました。ちなみに『ハイラルオールスターズ』では、DLCなどの予定はあるのでしょうか。
早矢仕氏：今は完成に向けて全力で邁進しているところなので、そこから先は現段階ではまだ決まっていませんね。
──朗報が届くことを願っています。それでは最後となりますが、本作を楽しみにしている方々に向けてメッセージをお願いします。
早矢仕氏：今回の東京ゲームショウで、『ハイラルオールスターズ』を試遊出展させていただいております。3DSで楽しめる、『ゼルダの伝説』の一騎当千による爽快感を、ぜひ皆さんに体験していただく思います。あと試遊だけでなく、リンクの剣と盾を用意しましたので、それを構えた記念撮影もできます。『ゼルダの伝説』ファンの方は、そちらも是非！
──本日はありがとうございました！
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『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』は、2016年1月21日発売予定。価格は、パッケージ版が5,800円（税抜）、ダウンロード版が5,143円（税抜）、プレミアムBOXが9,800円（税抜）、TREASURE BOX（Amazon.co.jp＆GAMECITY限定販売）が13,800円（税抜）です。
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