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岩田聡・任天堂社長の訃報に接して(編集長)

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岩田聡・任天堂社長の訃報に接して(編集長)
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Game Developers Conference 2005、岩田聡氏基調講演。


講演する岩田氏。ただし2009年のGDCの基調講演のもの。


[最初にGDCのディレクターを務めるJamil Moledina氏が登壇して、岩田氏を紹介します]

どうもありがとう、Jamil。

(名刺を掲げて)私はゲーム会社の社長です。(頭を指差して)頭の中ではゲーム開発者です。しかし心の中はゲーマーなのです。

今日は私の心の中、仕事について、そして私達の業界について話そうと思います。私は最初に遊んだゲームを記憶しています、それは『ポン』でした。そのとき私は高校生で、初期のヒューレットパッカードのポケット電卓を買った最初の一人でした。アーリーアダプターの原点かもしれません。それをほとんどの人は高度な計算に使いましたが、自分はゲームのプログラムに使いました。

私の最初の創作は野球ゲームでした。誰もそのグラフィックが悪いなんてことは言えないはずです。なぜなら、そのゲームにグラフィックは無かったからです(会場笑い)。ゲームは数字だけで表現されました。しかし、私は友達がそのゲームを楽しんでいるのを見ることができました、それはとても誇らしい瞬間で、私にとってエネルギーの源で、情熱の源となりました。

ゲームへの情熱は膨らんでいき、人生のコースが決まっていきました。1978年、私は東京工業大学に入学しました。ゲームのプログラムを学びたいと思いましたが、誰も教えてはいませんでした。そこで、エンジニアリングと初期のコンピューターサイエンスを学ぶことにしました。

授業が終わり、友達が家に帰って勉強している頃、私はバイクであるお店に行っていました。そこは日本で最初のPCを売る店で、そこは私の住みかとなりました。また、私は一人ぼっちではありませんでした。そこには初期のコンピューターを見つめる何人かの人が居て、私と同様に「どうすればこれでゲームが遊べるのか」ということを考えていました。私達は友達になり、クラブを作り、すぐに秋葉原にアパートを借りました。そこで私達はゲームを作り始めたのです。

私達は毎日真夜中まで作り続け、その友達らのグループは今、HAL研究所と呼ばれる会社になりました。名前は「2001: A Space Oddyssey(2001年宇宙の旅)」に登場するコンピューター「HAL」から取られました。その名前はとてもクールだと思いました。そしてこれがその頃の私です(スクリーンに岩田氏の当時の写真)。全てのゲーム開発者のように、、、私も超クールでした、そう思いませんか?(会場爆笑)。どうやったのかもう忘れてしまいましたが、私はなんとか勉強をこなして大学から卒業しました。私はクラスの中で最も小さな会社で仕事をすることになりました。たった5人のHAL研究所に務めることになり、父にそのことを告げたときが、家族にとって最も最悪な瞬間だったことは容易に想像できるでしょう(会場笑い)。

時々、私がHAL研究所で働いていた時ははどんな風だったかと尋ねます。私はプログラマーでした。そしてエンジニアも、そしてデザイナーも、そして自分のゲームの販売も、そしてテイクアウトの食事のオーダーも、掃除も(会場笑い)全部やりました。そしてそれは全て楽しい仕事でした。

でも、HAL研究所での最も大きな出来事は任天堂が素晴らしいグラフィックのマシン、ファミコン、もしくは米国でNESと呼ばれているもの、を開発しているという噂を聞いたときです。それは私達の為のマシンだと思いました。そこで私達はあらゆる手段を使って任天堂に連絡を取り、私達のアイデアの1つは瞬時にヒット作になりました。そう、私達は任天堂に雇われたのです。しかし、任天堂はあるプロジェクトを修正するように言い、スケジュールが遅れました。私達はゲームを「創る」のではなく「修正」し、結局それは『ピンボール』として発売されました。この経験は「アーティスト」であってもゲームのビジネスの側を知らなければならないということを教えてくれました。結局、もしゲームが出すことができても、お金を稼げるチャンスはとても小さいのです。

また別の面でも為になりました。今日の標準から考えるとグラフィックはとても貧弱だったので、私達はどうやったらプレイヤーの想像性を掻き立ててそれを補うかどうか考えるようになりました。自分達のゲームが(グラフィックの面で)余り良く見せられなくなったとき、私達はどうしたら良いでしょうか? そんな時はこれを考えて下さい。

私達の仕事は任天堂と緊密な関係を作るのに十分でした。HAL研究所が幾つかの初期フランチャイズを生み出すに従って、私達は他の面でも学ぶことがありました。最初の『星のカービィ』はチームワークの価値を教えてくれました。誰もが宮本氏になれるわけではありません、私達はチームの何人かによって生み出され、お互いに高めていくアイデアは、一人の人間が生み出したものを超えるということを知りました。

それ故に、私達は日本の有名なクリエイターで、既にゲーマーとして知られていた糸井重里氏と彼の最初のゲームを作る為に共に仕事をしました。そのシリーズは日本で『MOTHER』、ここアメリカでは『Earthbound』と呼ばれ、私達はアイデアはインタラクティブであれば更にアピールするということが分かりました。

長い年月と幾つものプロジェクトが過ぎていき、私は任天堂でフルタイムに働くことになりました。そしてある日、今から3年ほど前に、山内氏は私に社長として自分の後を継ぐように言いました。もちろん、それはとても光栄なことでしたが、それはまた偉大な挑戦でした。私はもっと多くの時間を使い、もっと大きな責任を背負わなくてはならないことを知っていました。しかし幸い、ゲーム開発者はこの事に詳しいでしょう!

そこで、今朝は私がよく尋ねられる2つの質問に答えたいと思います。1つ目は、過去20年間ゲーム開発者だった者として、何が変わったのかということ。2つ目に、何が変わらなかったのかということについて。

変わらなかった、そしてこれからも変わらないだろうのは、私達のエンターテイメントとしての本質です。他の娯楽と同様に、成功するためには人々を感動させるものでなくてはなりません。笑い、恐怖、喜び、怒り、愛情、驚き、そして特に達成感です。結局、私達の仕事の評価はプレイヤーがこのような感情を引き起こすか、というものでなされます。

次に、私達は常に「挑戦と対価」を考えなくてはなりません。プレイヤーはどのくらいの困難を許容するでしょうか? それはプレイヤー個々のスキルに依存します。コアゲーマーは困難を望み、カジュアルゲーマーは易しめの難しさを望みます。任天堂では、全てのスキルにあわせたゲームを作るのが責任だと信じています。当然のことながら、今まだゲームをしたことのない人もこれに含まれます。

三番目に変わらなかったことは、アイデアの重要性です。もちろん、今あるアイデアを拡大したり、広げていくことは大切です。しかし、ゲームというものを形作る新しいアイデアを生み出すことは非常に重要です。ここで聞いてくれている人たちの何人かはこのような創造性を備えていると思います、業界はあなたたちのような人を求めています!

四番目に、この真実は永遠に変わりません―――ソフトがハードを売ります。人々は彼らが愛するゲームを遊ぶ為にハードを買います。私はスティーブ・ジョブスのこの言葉に同意します「ソフトウェアはユーザー体験であり、ソフトウェアはコンピューターの技術を進歩させるだけでなく、コンシューマーエレクトロニクスも進化させる」。

最後に、変わらなかったのはIP(知的財産)の価値です。もし「ゲームがハードを売る」が正しいならば、「フランチャイズがハードを売る」もまた正しいのでしょう。私達の業界では「スパイダーマン」、「ジェームスボンド」、「NFLフットボール」など(の他の業界から借りてきたフランチャイズ)がヒットになっていますが、その一方で私達が生み出したヒーローもまた業界を引っ張って行っていることを誇るべきだと思います。

それでは逆に、何が変わったと考えればよいでしょうか? 私の頭に直ぐ浮かぶのは「大きくなった」ということです! 特にここ西半球ではビジネスが拡大し、北米と欧州のマーケットは170億ドルとも推測されています。米国では昨年8パーセントの成長を遂げました。リビング、オフィス、あなたのPDA、携帯電話、そしてもちろんニンテンドーDS、どこにでもゲームはあります。多くのメディアは若い男性がテレビを見るより多くの時間をゲームに費やしていることを知ってショックを受けています。この部屋に居る私達は彼らにもっと前からそうだったと伝えることができるでしょう!(会場笑い)。

もちろん、ゲーム自身も色々な面で大きくなりました。ゲームは技術面で大きくなり、デジタルスペースの大きな部分を占拠するようになりました。これによって、より大きなチーム、より大きな予算、より困難な挑戦が求められるようになりました。これはまた、大きな会社が小さな会社を飲み込むことにもなりました。私達は次世代機ではAAAタイトルに恒常的に8ケタ(数十億円)の予算が求められるようになると思います。巨大企業だけがこのコストを許容できるでしょう。

この業界の成功と成功時の利益の大きさは当然のように、ゲーム以外の様々なエンターテイメント企業を引き付けました。それでは何故私達は競争力を持つことができたのでしょうか? 本、映画、テレビなどのエンターテイメントは全てのユーザーに同じものが提供されます。しかしゲームではプレイヤーは自身のプレイによってシナリオを描き、彼らだけのエンディングに導くことができます。今、私が「大きくなった」と言うのは余り意味がないかもしれません。それは誰もが見ているもので、余りにも明白だからです。

それでは別の面で、最近の私の考えは、業界が「より小さく」なっていっているのではないかというものです。私達は許容できるリスクの面で小さくなりました。私達はまた、どのようなものをゲームと定義するという点でも小さくなりました。シューター、スポーツ、アクション、パズルといったジャンルのリストに最後に新しい発明が掲載されたのはいつのことでしょうか? しかしもっと重要なことに、私達は同じジャンルの中でも一度使ったものを再利用し続けています。レーストラック、サウンドトラック、ボス、ヒーロー、みんなどんどん似たものになってきています。『タイガーウッズゴルフ』と『マリオゴルフ』という2つの成功したフランチャイズ、同じジャンルながら異なる雰囲気を持ったゲームを考えてください。このような多様性は見つけるのが困難になりつつあります。

私達は何を「進歩」と定義する範囲も小さくしています。ゲームの見栄えをもっとリアルにするだけがゲーム体験を改善していく手段ではありません。この部分で私は誤解を受けるリスクがあると分かっています。しかし、私はゲームプレイヤーの居ない野球ゲームを作った人間だと覚えていてください。誰かがグラフィックに感謝するとすれば、それは私です!(会場笑い)。私の言いたいのは、それだけがゲームを改善する道ではないということです。私達は他の手段も見つけることを望まれています。「改善」の定義は1つではありません。

そして最終的に私はゲーマーとしてどのように考えればいいか考えています。私達はより多くの時間やお金を同じプレイヤーに追い求めて、誰かを置き去りにはしてないでしょうか? 私達はその両親の為のゲームを作らないのでしょうか? あなたにはゲームを遊ばない友達や家族がいますか? では、何故彼らにゲームを遊ばせようとはしないのですか? そして「皆さんは自分では遊ばないだろうゲームについて考えていますか?」と尋ねたい。これは私達の全てにとって重要な問いかけだと思います。それで、私は十分な時間をとって業界の現状について話しました。あなたは恐らく任天堂がこれにどのように答えるかどうか知りたいと思っていることでしょう。

最初に、任天堂はコアゲーマーに背を向けるのでしょうか? 私はそうは信じません。もし私達がコアゲーマーに興味がないなら、ニンテンドーDSに『メトロイドプライム ハンターズ』を同梱したりはしないでしょう。これは単に素晴らしいゲームであるだけでなく、DSをコアゲーマーにも手に取って欲しいというシグナルです。また、興味があるからこそ、新しいシューターの形を示す『ガイスト』を作る為にn-Spaceと提携しました。それはあなたの心を動かし、このジャンルの定義を動かすでしょう。また私達がもしコアゲーマーに興味がないならば、2005年の最初のビッグヒットとなったカプコンの『バイオハザード4』はゲームキューブで発売されなかったでしょう。これは任天堂がコアゲーマーをサポートするというサインだけでなく、コアゲーマーも任天堂を支持するというサインです。そして最大のものは今年最も期待される『ゼルダの伝説』です。このゲームについて色々と語りたいところですが、「百聞は一見にしかず」です。私達は10ヶ月前のE3以来の新しい映像を撮ってきました(会場沸く)。どうぞ!

[ゼルダの伝説の映像が上映される(約1分30秒)]

新しい絵はゼルダのストーリーの一部でしかありません。私達はE3でもっと多くを明らかにするでしょう。ゼルダ最新作は今までのシリーズ作品と同様にコアゲーマーと全てのゲーマーを魅了するでしょう。

そう信じる理由は私達のソフト開発の全てのスタンダードを満たしているからです。私達はそれを4つの「I」で呼んでいます。最初は、真に「Innovative(革新的)」であること、次いで操作やゲームプレイの方向性が「Intuitive(直感的)」であること、三番目は、この世界で時間を費やす気になる「Inviting(誘惑的)」なものであること、最後に、プレイヤーが今までにない方法でその世界に触れられる「Interface(インターフェイス)」があることです。

もちろんこれらを満たすゲームは数作品しかありません、しかし任天堂はこのように自身のゲームを評価しています。また、ゲームだけでなく、ハードもこのような基準で考えられていて、ニンテンドーDSは良い例です。それは革新的で新しいインターフェイス、そして直感的で魅惑的な世界を提供する為に設計されました。今までのところ、それは受け入れられているように見えます。今日までに日本と北米で発売から16週間で400万台が販売され、明日には欧州で発売開始されます。

皆さんは既にニンテンドーDSの斬新な、2画面、タッチスクリーン、マイクなどに慣れたことだと思います。恐らく皆さんがまだ多くを知らないDSの機能は、、、ワイヤレスゲームプレイです。私達は『マリオカート』を仕上げているところですが、このゲームは8人までが同時プレイが可能です。ゲーマーは既にマリオカートが面白いゲーム知っていると思いますが、DSバージョンは何処が更に面白いのでしょうか? それでは是非探しましょう。今日が誕生日の方はいませんか? もし居たら立ってください。OK、ではステージに上がってください。 (しかし余り居ない模様・・・) では、今週が誕生日の方にしましょう。6人欲しいです。恥ずかしがらずに! (6人がステージ上に) 任天堂オブアメリカのBill Trinenも私達に加わります。今からワイヤレス通信を使って『マリオカート』を遊びたいと思います。上の画面には私のカートが表示されます。私がレースをリードしたいと思います、後ろに付いてきてください!

[マリオカートDSを使った8人対戦がおこわれます]

最近私は会議やインタビューや移動に追われていて、一緒にゲームをすることの楽しさをしばし忘れてしまいます。『マリオカート』の実演はとしても楽しい時間でした。私達はこれを今年後半に発売するつもりです。今日の私の残り時間は次の質問に答えましょう—「任天堂はこれからどこに行くつもりなのか」。

最初にイメージで語らせてください。インタラクティブエンターテイメントの宇宙の中に、ビデオゲームと呼ばれる星があります。これは私達が一番良く知っているものです。しかし、、、それは1つに過ぎません。私達の宇宙にはゲームとは違う方法を用いた様々なエンターテイメントの星があります。私達が冒険したいのは宇宙のこのような部分です。このアイデアは任天堂に二重の情熱をもたらします。

片方では私達は「ビデオゲーム」というものをより良くしたいと日々仕事をしています。プレイヤーの望むものを提供したい。しかし同時に、私達は人々を楽しませる為に何か別のものを使えるのではないかと探しています。二番目のゴールはプレイヤーに何か新しく、今までに知らなかった、望まなかったものを見せることです。

皆さんは既にこの信条を上手く説明する例を知っています、ポケモンです。ポケモンは素晴らしいRPGですが、もっと多くの楽しみを持っています。恐らくボトルキャップやベースボールカードを集めたことがあるでしょうが、ポケモンも集めたり交換することができます。ポケモンは以前にRPGと呼ばれていたものを変えました。別の例は『ピクトチャット』です。ゲームでも、競争でもありませんが、ワイヤレスのコミュニケーションが楽しさを提供することを理解する良い材料です。しかし『ピクトチャット』は大きな任天堂の歩みの最初の一歩に過ぎません。

私は今日ここで、ゲームで通信という要素を開拓した者として、ニンテンドーDSで始まるWi-Fi接続を積極的に推進していくことを発表したいと思います。初代のゲームボーイは2人のプレイヤーを通信ケーブルで繋ぎ、GBAでは4人まで接続できました。私達は据え置き型ゲーム機で4つのコントローラーポートを用意し、またワイヤレスコントローラーも使用可能にしました。『ポケモン ファイアレッド/リーフグリーン』ではワイヤレスアダプタをゲームに付属しました。これは他人と離れた位置で通信することを可能にしました。これらは全てニンテンドーDSに続く任天堂の哲学の一部です。

ニンテンドーDSの全ては全ての人にとってフレンドリーなように設計されています。したがって、Wi-Fiも全ての人にとって簡単であるように作られています。私達の目標は、ユーザーが難しいと言って諦め放り出すことがないように、これを簡単にシームレスに実現することです。

Wi-Fi接続はLAN接続のように感じるでしょう、なぜなら共通のAPIを利用しているからです。私達はDSユーザーがSSIDやWEPキーの難しさ無しにWi-Fiを楽しめるようにしたいと思います。また恐らく一番大事なのは、私達はユーザーの壁を破るだろうということです。任天堂はこれを無料で提供するつもりです。私は簡単でシームレスと言ったから、皆さんは既にインフラが出来ているのかどうか知りたいと思ったことでしょう。大体できています。開発に関してはどうでしょうか? 開発キットはどこにあるのか? 皆さんはE3で同じ質問をすることはないでしょう。

では、どんな部分が楽しいのでしょうか。私が今日言えるのは、DSのWi-Fiが今年中に開始されるということです。社内でも社外でも何人かが開発に取り組んでいますが、私にとっても刺激的なものばかりです。少なくともそれらのプロジェクトの1つは画期的になものになると信じます。そして皆さんのWi-Fiゲームにも期待しています!

私達が社内で取り組んでいる1つの例を挙げさせてください。私達は『どうぶつの森』を開発しています。これが選ばれたのは幾つか理由があります。最初にこれは私が最初に挙げた、勝者も競争も無い「非ゲーム」ゲームの1つです。また、アクションのペースが遅いので、ワイヤレスのレイテンシーの問題もありません。以前、『どうぶつの森』で別の森に行くことができました。今、Wi-Fiで世界中の村に行くことができます。このように私達はワイヤレスプレイが業界が新しい方向に進むのを助けると考えてます。しかし、私達は同様の動きをソフトウェアの面でも実現するつもりです。

再びBill Trinenを呼んで、別のインタラクティブエンターテイメントの宇宙から来た2つのものを実演してもらおうと思います。その前にこれを伝えなくてはなりません、これらはちょっと変わったものに感じるかもしれません、なぜならこれらは少し変わっているからです。

[Bill TrinenがNintendogsの実演を行う]

今見てもらったように、この製品は私達がユーザーと考えてターゲットとしてきた範囲を拡張するでしょう。それでは次に別のプロジェクト、、、私達はこれを『エレクトロプランクトン』と呼んでいます。ちょっと変に聞こえる「e-lec-tro-plankton」は見た目も変わっています。このアイデアは創造性は開発者のみのものではなく、プレイヤーのものでもあるというものです。

[Bill Trinenがエレクトロプランクトン実演を行う]

このゲームは変わっています。これはアドレナリンではなくハーモニーとしてデザインされた製品です。今の所、私達は『エレクトプランクトン』で様々なリアクションを得ています。何人かのテストプレイヤーは困惑して、スコアを見たり、次の敵を探しています。他の人たちは催眠術にかかり、ゲームを終えるのを嫌がります。皆さんがどのような感想を得たにしても、これが今までゲームと呼ばれていたものとは異なるということは理解して貰えたと思います。 (いつまでも実演を続けるBillに) ありがとうBill!

任天堂のプランはこうです。私達の持つゲームをより良くします。より良いゼルダ、よりよいマリオ、より良いパートナーシップによって『バイオハザード4』のようなゲームを作ります。しかし同時に他のインタラクティブエンターテイメントを探索します。私達にとってこれは情熱であり、冒険の使命です。そして最も大切なことは、想像的な心を持ち、この業界をより良くするための冒険に私達と共に歩んで欲しいということです。

皆さんは昨年のE3で私達が「DS」をDual ScreenとDevelopers’System(開発者の為のシステム)という2つの言葉で説明したことを覚えているでしょうか? そして「ニンテンドー・レボリューション」もまた開発者の為のシステムです。

※レボリューションは後に「Wii」として発売される

私達はIBMと共に「レボリューション」の「ブロードウェイ(Broadway)」と呼ばれるコアプロセッサーを開発しています。ブロードウェイはライブエンターテイメントの中心地です。ATIとは、コードネーム「ハリウッド(Hollywood)」と呼ばれるグラフィックチップセットを開発しています。ハリウッドは映画エンターテイメントの中心地です。

さて、2、3の詳細をお話しましょう。

最初に、今までになされた多くの推測とは逆に、私は「レボリューション」が後方互換性を持つと伝えることができます。素晴らしいゲームキューブタイトルの数々は今から数年後もまだ楽しむことができるでしょう。第二に、「レボリューション」ではWi-Fiが利用可能、私が先に言ったワイヤレス技術は全て活用できるでしょう。第三に、「レボリューション」では今までに味わったことがないような体験ができますが、それは非常に親しみ易いもので、学ぶことが必要なようなものではないでしょう。

このように「レボリューション」はニンテンドーDSのように、最大の予算が必要な場所ではなく、最高のアイデアが実現できる場所となるでしょう。また、私達はミスを犯しません。私達はサードパーティパブリッシャーが私達の方針を最大限サポートしてくれると期待しています。任天堂は開発範囲を広げるつもりです。このような新しいゲームの幾つかは大きくなる内部チームから来るでしょうし、幾つかは数年間に渡って構築してきたサードパーティとのパートナーシップから来るでしょう。恐らく、いつの日か私達(任天堂と聴衆)は共に仕事をすることになるでしょう。私はそれを望みます!

もし皆さんが構わなければ、今日の最後にもう1つ私が開発したフランチャイズの思い出—『大乱闘スマッシュブラザーズ』について話したいと思います。これをゲームキューブ向けに開発したとき、私は任天堂で既にフルタイムで働いていましたが、私の心は私がまだ開発者であると告げていました。そこで私は社長として、自分自身に、ゲームを完成させる為にHALに加わるように命令しました。

私は再びポテトチップスとピザとおにぎりでダイエットしながら、朝から夜まで仕事し続ける日本の開発者の生活に戻りました。オフィスからは富士山を眺めることができます。もし皆さんが朝起きてその姿を見することができれば非常に印象深いと感じるでしょう。しかしこの期間中は、以前カービィを作っていた時と同じように、私達HALのスタッフは太陽が富士山の上に輝くのを毎日寝る前に見ました! 多くの人は富士山に輝く光が奮い立たせると言いますが、私にとっては二度と見たくないものです!(会場笑い)。

私はニンテンドウ64向けに開発された最初のバージョンでも開発メンバーでした。ご存知のように、コンセプトは任天堂の人気キャラが戦うというものです。このアイデアは全く新しいものでは無く、市場には多くの格闘ゲームがあります。ですから、私達がこの企画を任天堂に持っていった時も、特にクールなものでも、革命的なものでもありませんでした。そのため、任天堂の中の人も外の人もこのゲームに注目しませんでした。

そしてこのような雰囲気が私達が仕事をする環境でした。その態度は、テストプレイヤーがコントローラーを持ち、実際にゲームを遊ぶまで続きました。遊んだ時、人々は微笑み、笑い、声を上げました。それは『大乱闘スマッシュブラザーズ』に関する全てが変わった瞬間でした。そして、私はこの瞬間こそが私の開発者人生の中で最も誇らしかった瞬間だと言うことができます。

『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズは世界中で1000万本以上が売れ素晴らしい成功を遂げました。しかし私の記憶の中には、常に、最初にテスターが遊んだ瞬間が刻まれています。その瞬間こそ、私が「成功」と呼ぶものです。

私達HALはアイデアを実現する方法を見出しました。チームは深くそのコンセプトを確信し、そのアプローチで揺れ動きませんでした。その意味で、HALの人達はあなた方に似ていました。私達が世界の異なる場所から来ていて、異なる言語を話し、異なるものを食べ、作るゲームのテイストが異なっていたとしても、今日ここに居る私達全員は最も大切な部分で共通しています。私達はゲーマーの心を持っているのです。

本日はどうもありがとうございました。

[Mr.Cube]
《土本学》

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