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【E3 2015】『World of Warships』開発者を突撃!「大和のモデリングには多大な敬意を払った」…OBTの情報も

全世界でクロースドβが展開中で、日本でも高い注目を集めているオンライン海戦アクション『World of Warships』。ウォーゲーミングアメリカでシニアプロデューサーをつとめるジェイク・ネリ氏に、現状についてインタビューを行いました。

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【E3 2015】『World of Warships』開発者を突撃!「大和のモデリングには多大な敬意を払った」…OBTの情報も
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全世界でクロースドβが展開中で、日本でも高い注目を集めているオンライン海戦アクション『World of Warships』。ウォーゲーミングアメリカでシニアプロデューサーをつとめるジェイク・ネリ氏に、現状についてインタビューを行いました。

―――よろしくお願いします。日本でも多くのユーザーがクロースドβをプレイしていて、話題を集めています。

ありがとうございます。でも、それももうすぐ終わります。6月末にクロースドβが終了し、いよいよオープンβに移行します。全世界で同時に行う予定ですので、日本の皆さんも楽しみにしてください。

右がジェイク・ネリ氏。左はプロダクトビジョン・ディレクターのクリス・キーリング氏

―――本当ですか? それはビッグニュースですね。オープンβはどのような形でスタートするのでしょうか?


まずは日本・アメリカで50隻ずつ、あわせて100隻程度の軍艦が使用できるようにします。その後にイギリス、ロシア艦船を実装していきます。クロースドβでは全世界でのべ50万人の方に参加していただきました。データによると平均で一回あたり2時間程度、11回の海戦を行ってくれているようです。この結果をみて我々も安心しました。ああ、みんな面白がってくれているようだと。



―――やはり、そこは心配だったのですね。さまざまなフィードバックが得られたと思いますが、どういった改良につながりましたか?

プレイヤーが何を求めているか、綿密な調査を行いました。顧客からのフィードバックは非常に重要ですからね。そこでわかったことの一つに、カスタマイゼーションの要求が非常に高いことがありました。艦船を自分好みに改造したがっていたのです。そこで追加されたのが「信号旗」です。信号旗は実績によってアンロックされます。信号機を搭載することで艦の性能を高めたり、戦闘で取得するクレジットや経験値を増加させたりすることができます。



―――そういった経緯があったのですね。

あとは多くのプレイヤーが魚雷が好きだということがわかりました。遠距離射撃で仕留めるよりも、接近して魚雷を放ちたがるのです。プレイスタイルも『World of Tanks』と明らかに違うことがわかりました。『World of Tanks』では戦場での位置取りが非常に重要です。しかし『World of Warships』では、よりダイナミックに艦船が移動します。先ほどの魚雷の話からしてそうです。ラッシュスタイルが好まれるというか。

―――戦車はいつでも停止できますが、艦船は急に止まれませんからね。自分が『World of Tanks』を遊んだときに感じたのも、「これは(自分のような)中年向けのFPSだ」ということでした。反射神経が衰えてきた中年ゲーマーでも十分に楽しめます。一方で『World of Warships』は、より若い人に好まれるのかもしれません。

そのとおりです。実際『World of Tanks』はFPSコミュニティで、しばしばそのようにネタにされることがありますよ。両方のユーザーコメントを読んで比較すると、とても興味深いです。同じようなシステム、同じようなツリーを持っていても、プレイスタイルはまったく違います。もっとも、どちらのゲームも一番重要なのはチームワークです。『World of Warships』でも操艦技術や砲撃技術などは、それほど重要ではありません。そこは開発でも注意したところです。

◆大和のモデリングには多大な敬意を払った




―――軍艦のモデリングが非常に綺麗ですね。

ありがとうございます。日本でもアメリカでも、軍艦好きのコミュニティは「正しい艦船の表現」に対して大きな情熱をもっています。それで自分たちもすごい時間をかけました。中でもUSSアイオワはロサンゼルス市のロングビーチに係留されていますので、綿密にリサーチを行いました。非常に有名な戦艦ですしね。

―――そういえばE3 2012で『World of Warplanes』のデモが行われたとき、プレスキットに『World of Warships』のフォルダがありました。中には一枚だけスクリーンショットが入っていて、それは大和でした。すごく驚いたことがあります。

ああ、そんなことがありましたか。実際、私たちは大和に対して非常に高い敬意を払っています。すごく美しい軍艦で、自分も大好きです。歴史的に正確であることは我々にとって非常に重要です。チームには歴史の専門家がいて、彼らは日本海軍に対して多大な敬意を払っています。このゲームをよりよいモノにするために、大きなエネルギーを割いているのです。もちろんそれは他のすべての軍艦にも言えることですが。



―――個人的な見解ですが、クロースドβでは日本のユーザーは日本の軍艦を多く使っていると思います。というのも我々は日本人だからです。しかし海外の人、たとえばロシア人にとってはどうなのでしょうか?

それは良い質問ですね。でも、実はそういったデータはとっていないのです。たぶん、バラバラなのではないでしょうか・・・。一ついえることはプレイヤーには2つの考え方があると言うことです。1つは「勝つためにプレイしていて、その目的のために最適な軍艦を選択する」ということです。もう1つは「国によらず、できるだけ多くの軍艦を使ってみたい、所有してみたい」というコレクター気質です。

―――たとえば先ほどのプレイデータでも、どの国で一番多く遊ばれている、などの違いはありましたか?

いえ、それほど変わらないと思います。ほとんどの国のゲーマーにとって、おもしろさは同じくらいなようです。

―――戦艦はかつて国の威信の象徴とされていましたし、多くの人が何か特別な思いを感じているのでしょうね。

そうですね。ロシアだと防護巡洋艦アヴローラがそれにあたると思います。自分たちもゲーマーの中には特定の国の艦船に対して大きな関心がある人がいて、そういう人たちにも満足してもらえるように苦心しています。その一方でこれはゲームなので、国によって有利不利がでないようにすることも重要です。残念ながら自分もまだ、しっかりした答えは持っていませんが、自分もこのゲームを通して学んでいきたいですね。

◆大切なことはすべてユーザーが知っている




―――歴史的な正確性とプレイアビリティの両立は非常に難しいと思います。御社のゲームはそこが優れていると感心しています。

各々の軍艦にはゲーム上の個性があり、固有のプレイスタイルがあります。本作では戦艦・巡洋艦・駆逐艦・空母の4クラスがあり、それぞれ役割やプレイスタイルが違います。それぞれにあったプレイスタイルを研究して欲しいですね。

―――自分は海戦モノのボードSLGをいくつかプレイしたことがありますが、『World of Warships』を遊んで、それとはまったく別のゲームデザイン思想を感じました。どういった点に気をつけて開発されたのでしょうか?

難しい質問ですね。ひとつだけ言えるのはクオリティがすごく重要だということです。自分たちはいつもすばらしいゲームを作りたいと思っていますし、そうしたゲームは時代を超えて生き続けます。本作のゲームデザインで根底にあるのは「プレイヤーに聞け」ということです。ゲームの目的は何か、どういった画面が良いのか、マップサイズはどれくらいか、開発を通してフォーカステストを繰り返し、何度も作り替えていきました。

―――それは興味深いですね。

実際プロトタイプのマップはもっと広大でした。しかし相手に近づくまでに時間がかかりすぎて、あまりおもしろくなかったのです。そこでもっとマップを小さくして、すぐに砲撃できるようにしました。また島影で隠れられるポイントを増やしたりもしました。その上で1回15分程度のプレイ時間におさまるようにしたのです。すべての艦船に固有の役割を作るように工夫もしました。ソーシャル機能を埋め込むのも重要でした。チャットをしたり、クランを作れるようにしたりなどです。

―――フォーカステストと開発プロセスの統合について、もう少し詳しく教えてください。

開発チームにはフォーカステストの専門チームがあり、ユーザビリティ、プレイアビリティ、心理学などの専門家から構成されています。彼らはフォーカステストを通して、プレイヤーが何を考えているのか、何がゲームを続ける動機づけになっているのか、プレイヤーが本当に求めているのは何なのか、どうやってゲーム内で責任を果たそうとするのか、UIはどうあるべきか、何が上手くいって、何が上手くいっていないのか、変えるとしたらどう変えるべきか・・・。これらを解明するために心血を注いでいます。

―――興味深いですね。

ゲーム作りの原点にはアイディアがあり、ゲームデザイナーの役割は重要です。しかし、たいていそのままでは上手くいかないのです。自分たちが良いと思ったアイディアはたいていどこかに問題があります。それをカイゼンしてカイゼンして良いゲームになります。その時に重要なのがユーザーの声を聞くことです。プレイヤーはおもしろいゲームを求めていて、我々はそこに集中するだけです。答えは非常にシンプルです。



―――フォーカステストはどの地域でやっていますか?

米フロリダ州オーランドにあるフルセイル大学(注:全米で2番目にゲーム専攻学科ができたことで有名)との提携はその一つです。何時間もテストを続けて、プレイヤーが何を好み、何を嫌がるか、などを調査しています。実際、本作のようなゲームは、それなしには作り上げることはできなかったでしょう。もちろんそれ以外でも世界中でフォーカステストをやっています。もちろん日本でも実施していると思ってもらっていいです。

―――それはすごいですね! ところでオープンβの開始時に日本で何か特別なマーケティングをする予定はありますか?

うーん、自分はアメリカ担当なので、日本でのことは責任を持って答えられません。でも、少なくとも東京ゲームショウに向けて準備は進めているので、期待してください。

―――たとえば『World of Tanks』のようにeスポーツ的な展開はありますか?

現在はゲームをおもしろいものにすることに集中している段階で、まずはそれからです。公式には何もアナウンスしていません。もちろん注目ポイントであることはわかりますが、まずは日本のユーザーも含めて、いったい彼らが何を求めているか知りたいと思っています。日本は我々の大きな市場のひとつで、日本のファンを非常に大切に思っていますよ。

―――日本市場の特性的にはコンソールやモバイルへの展開が重要だと思いますが、移植の計画についてはどうでしょう?

これもeスポーツと同じで、なんともいえませんね。まずはPCバージョンに集中するつもりです。これを良いものにすることが何よりも重要です。

―――最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。

いつも多大な支援と声援を寄せてくれて本当にありがとうございます。いよいよ6月末にオープンβが始まります。一人でも多くの人に遊んでもらって、楽しんでもらえればと思います。ゲームを遊んで、海戦で勝利してください。私たちは多くの日本のユーザーに愛されていることを大変嬉しく思っています。

―――ありがとうございました。
《小野憲史》
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