会場には、本作の開発初期メンバーの1人である野村哲也氏のイラストも飾られ、非常に華やかな雰囲気。また、プロデューサーであり、本日の司会も務めた松井聡彦氏は「3つのプロジェクトを発表する」とコメント、期待も高まる発表会のスタートとなりました。
まずはスクウェア・エニックスの代表取締役社長・松田洋祐氏が挨拶を行いました。松田氏は、まもなく14年目を迎える本作を支えてくれたユーザーに感謝の気持ちを述べるとともに、「最高の利益貢献をするタイトルに成長しました」とコメント。そして今回の発表によって、「これからますます成長させていきたい」とも話していました。
最終章シナリオ「ヴァナ・ディールの星唄」は2015年5月から順次実装
ここからはいよいよ松井氏より、新発表の数々が明かされました。まずは『ファイナルファンタジーXI』の今後として、最終章シナリオ「ヴァナ・ディールの星唄」を実装することになりました。このシナリオは3章構成になっており、2015年5月、8月、11月のアップデートで順次実装するとのこと。最終章ということもあって、主要キャラクターは総出演、松井氏は「究極のシナリオを目指す」と意気込みを語っていました。
ここで気になるのは、最終章ということでサービスが終了してしまうのか、という点です。これについて松井氏は、PS2版とXbox 360版は2016年3月でサービスが終了するものの、Windows版は引き続き運営を行っていくそうです。また、大型アップデートはこれが最後となりますが、バランス調整や不具合修正は継続して実施していくことも語られました。
これに関連して「ヴァナ・ディール☆大感謝祭」と題したイベントの開催も発表に。このイベントでは、ゲーム内キャンペーンのさらなるパワーアップが施される他、ウェルカムバックキャンペーンの実施、さらにゲーム外の記念企画も検討しているとのこと。現役プレイヤーはもちろん、これから始める人でも楽しめる内容になるそうです。
スマートフォン向け『ファイナルファンタジー グランドマスターズ』が発表！
続いては、CROOZとのコラボレーションタイトル『ファイナルファンタジー グランドマスターズ』が発表されました。会場には、渕上貴史と、CROOZの開発スタッフが登壇し、本作の説明を行いました。
『ファイナルファンタジー グランドマスターズ』は、『ファイナルファンタジーXI』のキャラクターと世界観を共有したスマートフォン向けのオンラインRPG。プレイヤーはおなじみのジョブや多彩な装備品を自由に組み合わせてオリジナルキャラクターを作成し、育成・強化が可能。さらに出会った仲間とチャットでコミュニケーションを取りながらのリアルタイム協力バトルも実現しています。
渕上氏によると、CROOZの開発スタッフには『ファイナルファンタジーXI』のコアなプレイヤーもいるらしく、企画書の中にプレイヤーとしての履歴が書かれた書類もあったとのこと。さらには、『ファイナルファンタジーXI』がきっかけで結婚したスタッフまでいたりと、CROOZの『FFXI』に対する愛情の深さが分かるエピソードが次々に飛び出しました。渕上氏はそんな開発スタッフを信頼している様子で、ステージ上では「ゲームの面白さを最大にするためならば、窮屈な設定は壊してもいいとお願いしています」との発言もありました。
また、今回はタイトルロゴとともに天野喜孝氏が描いたキービジュアルも公開されました。こちらはよく見ると飛空艇も描かれており、渕上氏いわく「飛空艇に乗ってプレイヤーがヴァナ・ディールを飛び回るイメージ」とのこと。
今後は、2015年4月よりβテストがスタートするとのこと。βテストで得たユーザーの意見を汲み取り、ゲームへ反映させていくそうなので、気になる人は参加してみましょう。ちなみに、松井氏はすでにα版をプレイしたそうで、「グラフィックも操作性も良く、驚きました」と絶賛していました。
また渕上氏は、「『ファイナルファンタジーXI』への愛情と情熱たっぷりのスタッフが集まって開発しています。これまで作品をプレイしてきた人も、まだ触れたことのない人も等しく遊んでもらえるタイトルを目指します」とコメントしました。
ネイティブアプリプロジェクトが始動
3つあるとされていた「ヴァナ・ディールプロジェクト」。その最後に発表されたのが、『ファイナルファンタジーXI』のネイティブアプリプロジェクトです。モバイル端末で『ファイナルファンタジーXI』を120％楽しめるアプリとして開発される本作は、戦闘をタッチインターフェイスに最適化。ジョブシステムや連携・チェーンなどの基本システムにさらなる改良が加えられ、よりスピーディかつ遊びやすく進化します。
また、パーティ編成を改良したシステムやソロプレイが充実するシステムの強化など、さまざまなプレイスタイルに合わせた内容になっているとのこと。さらに、多様な条件によって発生するダイナミックなイベントによる、モバイルならではのリアリティある世界を作っていくとしています。
サービス開始時期は、2016年度内のロンチを目指して開発を進めているとのこと。まずは日本と韓国でのサービスを開始し、その後世界各地へ広げていくとも松井氏は話していました。料金については、詳細は明かされなかったものの、「手軽に試せるような提供方法になる（松井氏）」とのことです。
そして、本アプリが目指すプレイ構想を、モバイル端末とMMOが融合した「Massive Multiplayer Mobile ロールプレイングゲーム」、通称「MMMRPG」であると松井氏は宣言。松井氏はさらに、「今回発表したネイティブアプリ版で、MMMRPGの時代を切り開いていきたいと思います」と意気込みを語っていました。
さらに会場には、本作をスクウェア・エニックスとともに開発するネクソンコリア代表取締役社長・朴智援氏が登壇。朴氏は「『ファイナルファンタジーXI』は世界的に高い名声と実績を誇る作品です。長年に渡って積み重ねられたコンテンツを、モバイルコンテンツにも反映し、世界中の皆様に届けられるよう全力で取り組む所存です」と語りました。
最後に松田氏が再び登壇すると、「これからもヴァナ・ディールの未来を楽しみにして、お待ちください」とコメントすると、松井氏は「さまざまなタイトルが発表されましたが、もちろん本家も負けていません。「ヴァナ・ディールの星唄」はもちろん、今後もより良いサービスを提供していくのでよろしくお願いします」と話し、発表会を締めくくりました。
