ことの発端となったのは今月中旬。「RetroN 5」と同様のコンセプトを持つ統合エミュレーター「RetroArch」の開発チームが、公式ブログ上にて詳細な検証画像と共にライセンス違反を訴え、コードが無断使用されていることを指摘しました。類似するコードが確認されたのはメガドライブおよびセガハードのエミュレーター「Genesis Plus GX」とSNESの「SNES9x Next」で、どちらも商用利用を禁止しています。
また同様に類似したコードが確認されたNESの「FCEUmm」はソフトウェアライセンスGPLv3を、ゲームボーイアドバンスの「VBA Next」はGPLv2を使用しています。前者はハードウェア上で動作するソフトウェアの改変を妨害するTivo化を回避しなければならず、またどちらもユーザーへの再配布など商用利用するには規則に従う必要があります。
「RetroN 5」はさらに統合エミュレーター「RetroArch」からもコードを無断使用したと見られており、開発インターフェイス「Libretro」のコードの一部分が「RetroN 5」のUI内から発見されたと開発チームは主張しました。「Libretro」は「FCEUmm」と同様にGPLv3コードで製作されたソフトウェアであり、先に記した規則を守る必要があります。
一連の海外メディアの報道に対し開発元のHyperkinは公式声明を出しており、「RetronN 5にて使用されているオープンソースエミュレーターの関連ソースコードをリリースする意図は常にあった」とコメント。ユーザー体験を向上させることに注力していたためこれを迅速に実行できなかったと釈明した上で、関連のソースコードはすでにリリースしたと声明の中で発表しました。
またHyperkinは、最新バージョンを望む希望者へ向けてアップデートした同コードのコピーを配布するだけでなく、オリジナル版へのパッチによる修正も今後実施することを宣言しており、「RetroN 5」内にて使用しているプロジェクトやほかのソフトウェアのライセンス締結を満たすことができるよう努力してゆくと続けています。
今回の一件を訴えた「RetroArch」開発チームのメンバーは問題が非常に複雑であるとした上で、同デバイス上で非商用であるコアと寛大に認可されているコアが混同されている点や、エミュレーター著者の権利侵害、クレジットの欠如やハードウェア上での制限、そしてライセンス問題に抵触していることに帰結すると指摘。特にGPLの面から見ると、「RetroN 5」を流通させるための条件をHyperkinがクリアしていない可能性は非常に高そうだとしめくくっています。
夢のレトロゲームハード「RetroN 5」から多数のエミュレーターコード使用が判明、各種規約に違反か
《ishigenn》編集部おすすめの記事
その他 アクセスランキング
-
公式Xが投稿の『ポケモン』を信楽焼で表現した作品がすごすぎる!リザードンやロコンなど、ほのおタイプのポケモンが温かみと迫力のある造形に
-
神秘的な海のロマンあふれるおすすめゲーム5選―美しくも厳しい海中世界を大冒険しよう!
-
『Ghost of Tsushima』“真のヒロイン”は誰だったのか? 境井仁のモテぶりを振り返る─命の恩人から幼なじみまで
-
『モンハンライズ』人気武器No.1はどれだ! 1,600人以上の読者が選んだ投票結果ー選ばれたのは?
-
『モンハンライズ』マルチプレイで押さえておきたい6つのポイントーみんなで集まって遊んだ日々が帰ってくる!
-
2,000人の読者が選んだ“『FF7 リメイク』ヒロイン”ベスト10を発表! バレットがまさかの7位、女装クラウドの順位は?【アンケート】
-
PS4版『FF7 リメイク』からPS5版へのアップグレードってどうするの? その手順を分かりやすく紹介! 無料DLCやセーブデータ移行時の注意点もチェック
-
最も人気の高い『ペルソナ』ナンバリングはこれだ! 上位3作が約3%差の熾烈な争い─派生作もジャンル別で激突【アンケ結果発表】
-
【今日のゲーム用語】「ブタは死ね!!!」とは ─ 命のみならず尊厳まで奪い尽くしたあのキャラの一言
-
『遊戯王』“封印の黄金櫃”がティッシュケースに!?瞳のデザインや輝く金色まで再現、ゲームセンター用プライズで登場