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【CEDEC 2013】「CEDEC AWARDS 2013」最優秀賞などを発表 ─ 故・飯野氏や元ソニーの久夛良木氏らが受賞

コンピュータエンターテインメント協会 CEDEC運営委員会は、コンピュータエンターテインメントに関わる技術およびその開発者を表彰する「CEDEC AWARDS 2013」の5部門の最優秀賞を決定し、「CEDEC 2013」会場において8月22日に、発表とその授賞式を行いました。

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久夛良木 健氏
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コンピュータエンターテインメント協会 CEDEC運営委員会は、コンピュータエンターテインメントに関わる技術およびその開発者を表彰する「CEDEC AWARDS 2013」の5部門の最優秀賞を決定し、「CEDEC 2013」会場において8月22日に、発表とその授賞式を行いました。

発表した最優秀賞は、各部門優秀賞を対象に、「CEDEC 2013」受講申込者および講演者と、CEDEC運営委員会の投票により決定しました。それぞれの最優秀賞授賞者と授賞理由は、下記の通りです。また、2012年7月に結成されたゲーム音楽を主体に演奏活動を行う「日本BGMフィルハーモニー管弦楽団」による演奏が、発表授賞式を彩りました。

■CEDEC AWARDS 2013 最優秀賞

【エンジニアリング部門】
・Oculus Rift Development Kit ─ 圧倒的で革新的なVR環境の提供
「Oculus Rift」開発チーム (Oculus VR, Inc.)

授賞理由:ゲームに特化したHMD。本格的な展開はこれからだが、デモレベルのソフトウェアにおいても圧倒的で過去にない没入感を提供している。広い視野角をもった本格的なVRデバイスを普及可能な価格で提供し、オープンなSDKとともにゲームに新しい変革をもたらす高い可能性を評価。

【ビジュアル・アーツ部門】
・3Dの空間を生かした大胆な演出と、2Dアニメーションのキャラクター表現の融合
「アニメ ジョジョの奇妙な冒険」オープニング制作チーム(有限会社神風動画)

授賞理由:JOJOの世界観をより特徴的にアレンジし、読者のイメージを上回る表現と、心地よい疾走感のある演出は、JOJOファンのみならず視聴者を惹きつける力がある。3Dの空間を生かした大胆な演出と、2Dアニメーションのキャラクター表現の魅力、そして荒木飛呂彦先生の描く劇画タッチの全てを見事に昇華した映像はまさに、神風動画の真骨頂と言える。

【ゲームデザイン部門】
・新規性の高いメカニクスデザインと、ゲームクリエイターという職業の一般への周知に対する功績
飯野 賢治氏(故人)

授賞理由:インタラクティブムービーの手法を用いた「Dの食卓」、音で敵の位置を特定する「エネミーゼロ」、画像がないビデオゲーム「リアルサウンド~風のリグレット」など、数々の挑戦的なメカニカルデザインとメディアミックス的な作品作り。広くメディアにゲームクリエイターという存在を訴え、一般にゲーム開発者が認知されるようになった功績を評価。

【サウンド部門】
・豊富な感情表現ができる画期的な音声合成技術
「CeVIO Creative Studio」開発チーム(CeVIOプロジェクト)

授賞理由:革命的とも言える、豊かな感情表現が可能な音声合成技術をもとに、まったく新しいユーザー生成コンテンツ(UGC)展開の可能性を切り開いた。より裾野の広い展開を見据え、コンテンツ作成ツール(CeVIO Creative Studio FREE)を無償で提供している。

【ネットワーク部門】
・ユーザ間のインタラクションの方法を増加させた
「ニンテンドーDSシリーズ」すれちがい通信技術 開発チーム(任天堂株式会社)

授賞理由:ニンテンドー3DS/DSのすれちがい通信によって、ユーザ間のインタラクションの方法を増やしていき、ゲームの可能性を大きく広げた。特に他のゲームを遊んでいてもすれちがい通信できる事は可能性を広げる。



また、各部門の最優秀賞の授賞式に加えて、過日発表した「CEDEC AWARDS 2013特別賞」と、ゲーム関連書籍の著者に贈る、「同・著述賞」授賞式も行われました。

■CEDEC AWARDS 2013 特別賞
久夛良木 健氏

授賞理由:家庭用ゲーム機「プレイステーション」の発想者・開発者である久夛良木氏は、「プレイステーション」を世界中に普及させ、世界的なコンピュータエンターテインメント市場の創出と発展に寄与しました。後継機では、単なるゲーム機の機能を超え、半導体先端技術とデジタル情報処理技術の融合による情報技術の牽引役として、コンテンツ流通や関連分野にまで革新をもたらしています。

■CEDEC AWARDS 2013 著述賞
・「ゲームを動かす技術と発想」(ソフトバンククリエイティブ・刊)著者
株式会社バンダイナムコスタジオ 堂前 嘉樹氏

授賞理由:本書は、プログラマではない人や、プログラマを目指す人に対して、基礎となるコンピュータサイエンス、数学、物理をわかりやすく解説していること。

・「ゲームの作り方 Unity で覚える遊びのアルゴリズム」(ソフトバンククリエイティブ・刊)著者
株式会社バンダイナムコスタジオ 加藤 政樹氏

授賞理由:本書は、ゲームを作る観点からのゲームアルゴリズムを解説するもので、さまざまなゲームジャンルの仕組を多くのTIPSを交えながら学ぶことができること。


「CEDEC AWARDS」は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術にフォーカスし、技術面から開発者の功績を称え表彰するものです。2008年に初めて開催し、今回で6回目の開催となります。来年も、素晴らしい進歩に貢献する開発者の台頭を心待ちにするばかりです。
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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