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大御所コンポーザーの開発秘話から『ケツイ』のスーパープレイまで!「東京ゲー大2013」イベントレポ ― 5pb.による新作STGの情報も(訂正)

先週7月27日、東京都新宿区に位置するライブホール御苑サウンドにて「東京ゲー大2013」が開催されました。

その他 アーケード
『Arcade Disc In JALECO -ACTION-』の収録タイトルを見ながら当時を懐かしむ3人
  • 『Arcade Disc In JALECO -ACTION-』の収録タイトルを見ながら当時を懐かしむ3人
  • NMK創設メンバーの一人でもある坂本慎一氏
  • プロジェクターの不調で上部が少し見難くなっていますが、NMKの歴史をまとめた年表も披露
  • 『ケツイ』のプロデューサー盛政樹氏と鷺岡潮氏による攻略Blu-ray実演
  • 一番の盛り上がりを見せた裏二周目の最終ボス戦
  • 鷺岡氏は撮影練習の為、ゲームセンターの隣への引越しも行ったそうです。
  • 豪華な賞品が揃ったプレゼント大会。
  • プレゼントを掛けたじゃんけんの様子。盛氏がお客さん全員に勝ってしまう場面も。
先週7月27日、東京都新宿区に位置するライブホール御苑サウンドにて「東京ゲー大2013」が開催されました。

アーケードゲームをテーマに、生ライブやトークセッション、ゲームの実演プレイを行う毎年恒例のイベントなり、今年は、オープン7周年を迎えた「高田馬場ゲーセン・ミカド」、「16SHOTS」両店と、10周年の「トライアングル・サービス」、そして設立20周年の節目を超える「株式会社モス」が連携した超大型の記念祭「16SHOTS&高田馬場ゲーセン・ミカド7周年&トライアングル・サービス10周年&モス20周年! 東京ゲー大2013 featuring 5pb.&クラリスディスク」と題して過去最大級の規模で幕を開けました。

イベントは2部構成に分かれ、27日の16時半から翌日の早朝4時15分までほぼノンストップで進行。当日東京の天気は大荒れで、土砂降りの雷雨に見舞われていたものの、会場に到着した頃には、ライブスペースがほぼ満員になる程大勢のファンが詰めかけていました。

まずは、アーケード向けに発表された縦スクロールシューティングゲーム『カラドリウスAC』が初披露。会場では巨大なスクリーンが設置され、その場でゲームをプレイする豪華な実演形式を採用。今回、取材のトラブルで『カラドリウスAC』のセッションをじっくりと観覧する事が出来なかったのですが、開発チームによるトークセッション終了後は、本作のサウンドを担当した工藤吉三氏のミニライブも行われたようです。

『カラドリアスAC』終了後は、第一部のメインイベントとして筆者も密かに楽しみにしていた「ジャレコサントラトークショー」がスタート。こちらは『ノーティボーイ』、『魔魁伝説』、『ポップフレーマー』といったジャレコ往年のコアゲームを詰め込んだサウンドトラック『Arcade Disc In JALECO -ACTION-』の発売記念として企画されたものです。

80年台後半から1999年にかけて、シューティングを中心としたアーケードゲームの開発を手がけてきた株式会社NMKのサウンドチームから、並木学氏、坂本慎一氏、岡村静良氏の3人が登壇し当時の開発秘話を中心としたトークセッションが開かれました。

同じデベロッパーに所属しながらも、それぞれが異なる世代で活躍してきたコンポーザーともあり、話題は音源やサウンド基板といった当時の技術的な内容がメイン。プログラムライブラリも充実しておらず、サウンドドライバを全て1から開発していた時代を振り返り、特に“坂本氏が『アーガス』のサウンドドライバ開発と作曲を担当した時の年齢は18歳だった。”という衝撃の事実には会場からも驚きの声が挙がっていました。

開発中ボツになってしまった移植版『サボテンボンバーズ』や、出荷前に存在していたという幻の『アーガス』など、黎明から衰退期までの“今だから言える”様な暴露話も次々と飛び交い、約1時間に渡るトークセッションはあっという間に終了。

続いて、7月25日に発売されたPS3版『ケツイ~絆地獄たち~EXTRA』の発売記念トークショー。こちらは、史上初のゲーム攻略Blu-rayディスクとして限定版パッケージに収録されたスーパープレイ映像の上映会という位置づけで、『ケツイ』のプロデューサー盛政樹氏と、実際に攻略ビデオのプレイを担当した鷺岡潮氏がリアルタイムで解説を行うというもの。ゲーム自体がイベント二日前にリリースされたばかりのタイトルともあり、シューティングファンからの注目度も非常に高く、開始と共に観覧席が一斉に埋まる盛況ぶり。

今回はA-typeの2周目(通常モードをノーコンティニュー、ミスとボム使用回数の合計が6以下の状態で最終ボスを撃破)を目指す上級者向けの攻略映像が披露され、各場面毎の注意点や稼ぎのポイントを細かく伝授。

本作は所謂“弾幕シューティング”と呼ばれるジャンルで、敵が放つ大量の攻撃を回避する事に重点が置かれたゲームという事はご存知の方も多いはず。今回の攻略ビデオは、最終ボスまでボムの使用回数を極限まで減らす事が目標となっているので、必然的に幕の隙間を縫って被弾を防ぐ繊細な操作テクニックが必要となってきます。敵の攻撃も一弾と激しくなる終盤パートのプレイは特に圧巻で、特に各ステージのボス戦と最終ボスドゥームの撃破時には会場全体が大きな歓声で包まれていました。

5pb.といえば、『シュタインズ・ゲート』、『コープスパーティー』、『マブラヴオルタナティブ』といった、美少女ゲームやアドベンチャータイトルの移植/開発が中心のメーカーという印象を持つ方も多いかもしれません。

上映後に盛氏は「ギャルゲーが中心のメーカーというイメージがあるかも知れませんが、自分たちがシューティングゲームを作り続けていれば、例え他社がシューティングを作らなくなってもジャンル自体が無くなる事は無い。面白いゲームを作り続けてれいば、ユーザーと開発陣共に盛り上がりアーケードゲームの活気を取り戻す事が出来るはず。」といったアーケードシューティングに掛ける熱意を語り、元々Xbox 360向けでも発売していた『ケツイ~絆地獄たち~EXTRA』をフルプライスで再リリースした理由についても「自分たちでシューティングを安売りしてはいけない。その代わり素晴らしいゲームをユーザーに届ける。」とい本作に対する意気込みを伝えていました。

また、詳細は一切明かされていないものの、既に新作シューティングタイトルにも着手しているそうなので、ファンは今後の正式発表に注目しておきましょう。

その後は、会場のお客さん全員で参加するじゃんけん大会を実施。勝者には『ケツイ』、『エスプガルーダ』、『ぐわんげ』といった名作シューティングゲームのサントラセットやサイン入り色紙などバラエティ豊かなグッズを会場のお客さんへプレゼント。筆者も読者プレゼントとして賞品をゲットしたかったのですが、全ての試合で一回戦敗退という残念な結果に……。

今回は『ケツイ』のセッションと共に取材を終了しましたが、イベントは翌日早朝まで続き、元東亜プランのコンポーザー上村建也氏のU-Brand (上村建也バンド)や『バイオハザード』、『ヴァンパイア』の海田明里氏と“日本一歌のうまいサラリーマン”こと光吉猛修によるスペシャルユニットpiNEdなど超豪華な面々によるオールナイトライブが行われ、同時中継を行なっていたUstreamやツイッターも大興奮に包まれていました。

全盛期に比べると年々勢いが衰えてきているアーケードゲームですが、こういった参加型のイベントもきっかけの1つとして、再び盛り上がる日が来るかもしれません。

なお、当日の様子は「東京ゲー大2013」のUSTREAMページ(http://www.ustream.tv/recorded/36432389)にて公開されています。

<お詫びと訂正>
当初公開した記事につきまして、一部誤りがございました。謹んでお詫び申し上げますとともに、訂正致します。
・記事本文
(誤)特に“並木氏が『アーガス』のサウンドドライバ開発と~
(正)特に“坂本氏が『アーガス』のサウンドドライバ開発と~
・右最上段画像のテキスト
(誤)NMK創設メンバーの一人でもある並木氏
(正)NMK創設メンバーの一人でもある坂本慎一氏
《Game*Spark》
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