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【GDC 2013】日本流ソーシャルゲーム運営の真髄、ディー・エヌ・エー『Blood Brothers』成功の秘密

ゲームビジネス その他

いかにして日本のモバイルRPGが世界を制したか
  • いかにして日本のモバイルRPGが世界を制したか
  • 『Blood Brothers』のポストモーテム
  • 33カ国でGoogle Playの売上ナンバーワンを獲得
  • 売上もARPUも増え続けている
  • 売上の半分はイベントによるもの
  • イベントとは?
  • イベントを成功させるために
  • 3つの種類のイベントを実施
日本製ソーシャルゲームの収益性の高さは広く知られるようになっていますが、ディー・エヌ・エーで『Blood Brothers』のプロデューサーを務めるYuji Shimizu氏が「Blood Brothers: How a Japanese Mobile RPG Made It to the Top of the American Charts」と題した講演を行いました。

EC事業でディー・エヌ・エーにおけるキャリアを始めたというShimizu氏。「Mobage」によってゲームの比重が高くなるとゲームに携わるようになります。現在プロデューサーを務めるのが『Blood Brothers』で、米国を含む世界33カ国のGoogle Playで1位を獲得した実績のあるゲームです。物語はダークファンタジーで、クエストをクリアして味方を強化しながら、仲間たちとリアルタイムチームバトルを戦います。

リリース後、売上もARPUも順調に増加をしているという本作。Shimizu氏はこの成功の秘密を「イベント」にあると指摘。イベントは売上の約半分を占めているそうです。イベントによってプレイヤーのゲームへの関与(Participation)が増加することが、売上の増加に繋がっていると述べました。

イベントとは、限定的に行われるものであって、通常のゲームプレイとは異なる特別な環境やシステムで行われ、典型的には参加報酬としてレアアイテムの付与が行われます。そして、ソーシャル性(ランキングによる競争性や他のプレイヤーとの協力プレイ)を帯びたものだとShimizu氏は定義しました。『Blood Brothers』のイベントは「日本のソーシャルゲームのノウハウを全て注ぎ込んだものとなっている」そうです。

本作でイベントは、期間を1週間として、1ヶ月に3~4回(つまり、毎週実施もしくは、どこかで1週間の休みがある)のペースで実施されていて、次々に新しい展開があるので、ユーザーに離脱のタイミングを与えません。ただし、燃え尽きてしまう可能性があるので、時折、イベントを行わない週を設けます。

『Blood Brothers』のイベントには3種類があります。「レイドボス」は強力な敵に協力して立ち向かうタイプのもの。「スペシャルダンジョン」は期間限定で登場するダンジョンへ挑戦するもの。「PvP」はプレイヤー同士の戦いです。これらを様々に味付けして、交互に登場してきます。

どんなイベントでも肝要なのは、全てのプレイヤーに「自分に関係のあるもの」と思ってもらうことです。参加率を上げるためのデザインとしてはリーダーボード(順位を見せて煽る)、グループ分け(小規模なグループの中で、簡単に上位を目指せる環境を作る)、インセンティブを与える(同時に他のプレイヤーが遊んでいる際は得点が高い、などの今頑張る理由作り)、1日1回の入れ替え(ずっと同じ人達と戦っているのは飽きるので)、リワードを与える(ランキング上位になるとレアなアイテムが貰える、貰えるポイントが高くなるなど)、などがあります。

『Blood Brothers』では10人のグループに分かれ、いま自分が所属している順位のグループに属することになります。毎日のバトルの結果でグループ内の順位が決定され、上位であれば翌日は更に上の順位のグループに上がることができ、逆に下位だと下の順位のグループへ移ることになります。所属しているグループの順位が高いと、バトルで得られる得点が高くなるなどのリワードがあります。ただし、グループの中でランクアップするための順位は下位では例えば1~3位だったものが、上位になれば1位のみ、という風に徐々に門は狭くなっていきます。初期はどんどん順位が上がるのを楽しんでもらいながら、ベテラン勢にはより一層の奮起を促します。報酬は順位とポイントです(そして走り終わった後のレアアイテム)。

この講演では日本では常識となっているイベントの設計と運営について、丁寧な解説が行われました。最も成功しているディー・エヌ・エーが細部まで配慮を行き渡されたイベントの真髄を伝えたといった感じ。こちらの開発者達も細やかな工夫に聴き入っている様子でした。
《土本学》

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