人生にゲームをプラスするメディア

「モバイル戦略を加速させる」ネクソン崔承祐社長・・・グループス買収で

ネクソンは、ソーシャルゲーム大手のグループスを365億円の現金で買収すると発表しました。1日の両社の取締役会決議を経て、株式譲渡契約が締結、既に決済が行われたとのこと。

ゲームビジネス その他
ネクソンは、ソーシャルゲーム大手のグループスを365億円の現金で買収すると発表しました。1日の両社の取締役会決議を経て、株式譲渡契約が締結、既に決済が行われたとのこと。

グループスはディー・エヌ・エー陣営の代表格で、『大乱闘!!ギルドバトルG』『大連携!!オーディンバトル』『大熱狂!!プロ野球カード』など、バトル系「大乱闘シリーズ」、スポーツ系「大熱狂シリーズ」などのソーシャルゲームを主に「Mobage」向けに展開してきました。平成24年6月期の業績は売上高237億5500万円、営業利益58億5500万円でした。

一方のネクソンは東証一部に上場する韓国のオンラインゲーム最大手で、平成23年12月期の業績は売上高876億1300万円、営業利益382億4900万円でした。同社の地域別の売上比率は第2四半期では中国47%、韓国27%、日本12%でしたが、グループスの買収により中国36%、日本33%、韓国21%と、日本市場の存在感が高まります。また、これまではオンラインゲームが全体の99%で、モバイルゲームは僅か1%に留まっていたものが、買収により24%まで高まります。

ネクソンの崔承祐社長は「グループスがネクソングループの一員となることにより、世界最大規模であり今後も成長を継続していくであろう日本のモバイルゲーム市場への更なるアクセスを可能にし、ネクソンのモバイルゲーム事業戦略は、今まで以上に加速されることになるでしょう。同社は、世界でも有数のモバイル・ソーシャルゲーム開発会社として重要な成長市場の一つとして位置付けている日本において中心的存在としての地位を築いてきており、人気ゲームタイトルで構成される強力なポートフォリオと革新的なマーケティング手法を築いてきた素晴らしい実績があります。グループスの優れた能力と規模を活かし、ネクソンのゲームをモバイルゲーム市場にグローバル展開できることを楽しみにしております。」とコメントしています。

ネクソンでは、グループスのディー・エヌ・エーとの良好な関係は継続するとしています。グループスは東京ゲームショウに合わせてグローバル展開においてディー・エヌ・エーと業務提携すると発表し、北米・欧州向けに年内に5タイトル、2013年度中に5タイトル、「Mobage China」(中国)「Daum Mobage」(韓国)向けにも1タイトルずつ展開するとしています。ネクソンは韓国・中国はもとより、欧米市場でも成功を納めてきた経験があるため、グループスの海外展開にとっても優位な材料となりそうです。

ネクソンは豊富な資金力を背景に有力メーカーの買収を繰り返してきました。直近でもエレクトロニック・アーツやValveの買収に興味を示しているとも伝えられていました。しかし、従来型のゲームを主力としてきた両社ではなく、グループスであったということはネクソンの方向性を明確に示すものと言えるでしょう。ちなみに既にモバイルゲーム関連では香港の6waves Lolapps、韓国Moyasoft、米国A Bit Luckyなどに出資、日本のインブルー(DeNA/GREEにタイトル提供)の買収も行なっています。
《土本学》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. ゲーム開発は大変だけど楽しい!アークシステムワークス『GUILTY GEAR』開発チームが学生に語る

    ゲーム開発は大変だけど楽しい!アークシステムワークス『GUILTY GEAR』開発チームが学生に語る

  2. 任天堂が65歳定年制を導入

    任天堂が65歳定年制を導入

  3. 9割がお蔵入りする個人制作ゲーム、完成させる秘訣は - IGDA日本SIG-Indie研究会レポート

    9割がお蔵入りする個人制作ゲーム、完成させる秘訣は - IGDA日本SIG-Indie研究会レポート

  4. 「モーションポートレート」で表情豊かに・・・コンパイルハート『アガレスト戦記ZERO』インタビュー

  5. USJのVRジェットコースター「XRライド」がヤバ過ぎる…レールのない空間を走り、前振りなく急落下する

  6. 目黒将司×LAM 無二の個性派クリエイター対談-「目黒サウンド」「LAM絵」と称される“キャッチーさ”はどう育まれた?

アクセスランキングをもっと見る