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ディー・エヌ・エーの海外展開は「強いゲームシステムと受けるアート」

ゲームビジネス 市場

決算説明会で対応について語る守安功氏
  • 決算説明会で対応について語る守安功氏
  • 取締役会長の春田真氏(左)と代表取締役社長の守安功氏(右)
  • 『神撃のバハムート』が海外でも大ヒット
  • 日本型の運営でARPU向上が見られた
  • 『バハムート』を契機に海外市場を一気に開拓
ディー・エヌ・エーは2012年3月期決算説明会を5月9日に開催しました。同社の守安功社長は『Rage of Bahamut(邦題:神撃のバハムート)』が欧米市場で成功したことを示しながら「これまでは提携や買収の話ばかりだったが、ようやく成功事例を紹介できた」とコメント。国産ソーシャルゲームが世界でも成功すると証明できたと語りました。

『神撃のバハムート』はサイバーエージェント子会社のCygamesが昨年9月からリリースを開始したカードゲームタイプのモバイルソーシャルゲームです。プレイヤーは伝説の英雄や神々、魔物などが封じられたカードの力を引き出したり、収集したカードを合成しながら、世界中を冒険していきます。Google Playの各国ランキングで、アメリカ・スウェーデン・カナダで1位、オランダで2位を獲得。アメリカでは4月26日から5月8日現在も継続して1位を獲得しています。

またディー・エヌ・エー内製の『Ninja Royale』と、ngmoco内製の『SkyFall』で、それぞれイベント実施によりユーザーのアクティビティが活性化し、ARPDAU(アクティブユーザー1日当たりの平均利用額)が急増したというデータも紹介。日本型の運営スタイルが海外市場でも通用することを示しました。

守安氏は、これまで「日本型のモバイルソーシャルは海外では通用しない」と内外から言われ続けたが、『バハムート』のヒットで疑念が一掃されたと語ります。ユーザーがおもしろいと感じるゲームシステムは万国共通だが、グラフィックやテーマは各国・各地域で固有な部分があるとのことで、「強いゲームシステムと、受けるアートの組み合わせ」がヒットの方程式。一方でブラウザゲームかネイティブアプリかは、スマートフォンといえども、ヒットと直接関係がないという考えを示しました。

「『怪盗ロワイヤル』が国内サードパーティにとってヒットの指針になったように、『バハムート』が海外市場におけるヒットの指針になっていく」という守安氏。いわば海外市場は『怪盗ロワイヤル』登場時の国内市場と同じだと語ります。その上で、上半期に第2、第3の『バハムート』を海外市場で作り出し、下半期ではこれらを互いに繋げてユーザーを相互に流し込み、コミュニティを形成して、プラットフォームのエコシステムを作り出していきたいとコメントしました。

このほか同社では欧米・中国に続き、2011年2月に「Daum Mobage」を韓国でリリースしました。ウォルト・ディズニー・ジャパンともグローバル事業提携に合意し、協業ゲームを3月末にリリース。7月には『ディズニーパーティ』『ディズニーファンタジークエスト』『マーベル カードバトル型ゲーム(タイトル未定)」の3タイトルをグローバル展開を開始する予定です。

もっとも地域別に状況が異なっているのも事実。韓国ではAndroid先行でプラットフォームをスタートしたばかりで、状況はこれからだとしつつも、スマートフォンやオンラインゲーム市場が熱いお国柄だと指摘。何か流行すれば一気に市場が加速すると分析し、今年が勝負だとコメントしました。

一方で中国では公式のAndroidマーケット(=Google Play)が存在しないことを指摘し、Mobageにゲームを提供すれば全ユーザーに届くという状況をいかに早く創り上げるかがポイントだとコメント。もっともシェアの獲得がARPUに直接繋がるというわけではなく、中長期的な視野に立った施策が必要だといいます。

その上でApp StoreやGoogle Playが強いアメリカでは、「端末メーカーやキャリアとのアライアンスをはじめ、王道の施策で順当にユーザーを集められる」とコメント。前述の通りヒット作を繋げてエコシステムを作り上げ、プラットフォームの拡充に繋げていきたいと語られました。
《小野憲史》

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