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【P.D.M タケヤリマン編】第1回 ポイソフトが『エキサイトバイク』をリメイクしたら・・・?

あれはある日の、ミーティングも終わろうとしていた時のことでした。

ゲームビジネス 開発
あれはある日の、ミーティングも終わろうとしていた時のことでした。

社長「というわけで、今回のミーティングはこのへんで」

営業「あ、あとひとつ。『タケヤリマン』の開発秘話をまたやることになりました。」

社長「ふ~ん」

営業「という訳で、書いてください。」

社長「ん、誰が書くの?」

営業「もちろん(チラッ)」

私「えっ?」

営業「連載は全部で5週分で、締め切りは1週間後なんで」

私「は?」

営業「そういうわけで、もうインサイドと話をして決まってるんで。連載の開始は来月から始まります。」

社長「えっと、一応彼、プログラマーなんだけども……」

私「そうそう、それにその締め切り結構厳し」

営業「もう決まったことなんで、じゃ、そういうことでよろしく!」


……と、いった経緯により、再びこの場で筆を執ることになりました。初めての方は初めまして、そうでない方はお久しぶりです、ポイソフトの中川晃宏と申します。まさか実の弟にこんな風にいじめられることになるとは20年前には全く思っていませんでした。

今回もまた、ポイソフトの最新作であるところの『タケヤリマン』について語らせてもらおうと思います。もっとこんなことが聞きたいとか、アレが知りたいこれが知りたいなんてことがありましたら、TwitterでもDMでもメールでもなんでもいいのでご連絡頂ければと思います。できる限りお答えしたいな、と思っております。

というわけで、P.D.M.タケヤリマン編 第一話。
まずは軽く、『タケヤリマン』についての生い立ちを語らせていただきましょう。


■ポイソフトが『エキサイトバイク』をリメイクしたら……?

6月某日ミーティング。
『ひゅ~ストン』の配信も始まり、その売れ行きに心を踊らせながらも、ポイソフトとしてはなにより次の企画を決めなければいけません。

たしかその時私が提案したのは、電車の窓から見える景色を忍者が飛び回る「妄想忍者」という企画だったのですが、『いつの間にテレビ』で電車の窓から見える景色を流すコンテンツがあったため、フガッと思いつつ断念。

他の企画としては「封じられた魔王」という、『魔王の魂を封印したほこらを守っている』という一族がその特権を使って、世界の国々と交渉したり、脅したり、わがままを言ったりする幸せ見つけゲー。定期的に議題に上る、『王だぁ!』『ボクも世界を救いたい』のリメイク話などもありました。

しかしながらどれも、皆の心に響かず、ミーティングは空転。再度宿題として皆で案を考えることが決まり、ミーティングは解散しました。


そしていつものように、ミーティング後にみんなで揃って夕飯を食べに行こうということになり、某行きつけの中華料理屋さんにディナーを食しに出かけました。

ポイソフトはこういう時切り替えが実に早いです。美味しい料理を食べながらすでに先ほどの停滞した気分はすっかりなくなり、和気あいあい、楽しく雑談が弾むわけです。


(QRコードをニンテンドー3DSのカメラで読み取ると、写真を3Dで見られます)

チンジャオロース鶏肉とカシューナッツの炒めカラアゲ


社長「いやぁ、『エキサイトバイク』のダウンロード数はなんか凄いな!」

私「ランキング一位だもんねえ」

社長「ポイソフトが『エキサイトバイク』をリメイクするとなるとどうなるかね?」

私「まず要素を抽出しようか。『エキサイトバイク』だと……、エキサイク、イクサイク、戦行く……」

社長「戦行く?」

私「農民が竹ヤリを手に、戦に行くゲームになるな!」

社長「カッカッカ!」(※笑い声)
営業「カッカッカ!」(※笑い声)
北郷「カッカッカ!」(※笑い声)

と、本来ならこの笑いで終わるはずだったこの話が、ここから急速に動き出すのです。


社長「かっかっか!よし、これつくろう!イクサイク!」

私「え、マジで!?」

社長「なんかオモロイやん!」

私「確かにオモロイが」


そんな訳で「農民が竹ヤリを使って敵を倒すゲーム」という、すこぶる大雑把なゲーム内容が決まりました。

しかしながら、そこまで決まってしまえば後はポイソフト。後はもうノリで何とかしてしまうわけです。


……と、実はここからまた少しだけディナーミーティングの話が続くのですが、少し長くなったのでまた来週!

【続く】


【著者プロフィール】
中川晃宏(なかがわあきひろ)株式会社ポイソフト/プログラマー
『ひゅ~ストン』『タケヤリマン』などのポイソフト作品のディレクションを担当。
もうすぐ発売する『モンハン3G』に心躍らせる33歳。(掲載されるときにはもう発売してるっけ?)
やっぱりゲームはみんなでわいわいやるのが楽しいですよね。
《中川晃宏》
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