今年のCEDECは業界の激変を写すものとなりました。ソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』のなりたちを明かす講演には多数の聴講者が訪れ、3日間のどの日をとってもソーシャルゲームに関する講演が行われない日はありませんでした。また、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で知られ、無料ゲームに注力するGREEがゴールドスポンサーに。社名の入ったバッグを無料配布するなど存在感をアピールしました。
同時に、海外との関わりや人材育成に関する講義も多く見られました。『ファイナルファンタジー XI』海外版の開発秘話、海外へのアウトソーシングや日本に住む海外業界人の談話、セガやコーエーテクモやカプコンの人材育成など様々な講義が行われました。
ゲーム業界は海外市場やライトユーザーの多いソーシャルゲームという新しいフィールドへ踏み出しつつあり、そのための人材育成も盛んに行われている・・・というのがCEDEC2010から見える大きな流れ。現状確認と決意表明が行われたといってよいのかもしれません。
一方で海外メーカーはライトユーザーに向けた取り組みを本格化させています。THQはWii用にお絵かきタブレット「uDraw GameTablet」を発売。Kaasaは産前・産後の女性の骨盤ケア(ケーゲルエクササイズ)をテーマとした『Pelvic Floor Muscle Trainer』を発表しています。
Ubisoftのダンスゲーム『Just Dance』は評論家筋からは注目されていなかったものの売り上げ300万本を突破。動画サイトでは家族や友達と踊る多くの動画が投稿され続けています。
お絵かき、ダンス、産前・産後のケア・・・といずれのソフトも完全にライト層向け。既存ゲーマー層へのアピールはほとんど考えられていないようです。
海外ゲーム界との対決姿勢がいわれてしばらく経ちます。海外ゲーム界との戦いは文化の違いや物量差と対決するものと考えられてきました。「アニメ文化の通用しない説得力重視文化との戦い」「膨大なマンパワーと資金力から生み出される緻密なグラフィックとの戦い」「映画的な用法・作りをされた音楽との戦い」などです。
しかし、前述のライト向けソフト群を見るに、今後の日本ゲーム界は、こうした「ライト力」とでもいうべき発想にも立ち向かわなければならないのです。
ソーシャルゲームを完成させることはゴール地点ではなく、ライト層に訴求するための通過点の一つ。本当にライト層の気持ちになることができるのか、日本ゲーム界は試練の時を迎えているのです。
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