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【CEDEC 2010】国際分業で日本のクリエイティブと生産性を向上させたい・・・上海拠点のVirtuos

ゲームビジネス 開発

【CEDEC 2010】国際分業で日本のクリエイティブと生産性を向上させたい・・・上海拠点のVirtuous
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国際分業で開発コストを削減したいが、どの企業に発注して良いかわからない・・・よく聞く話です。

こうした中、上海に本拠を置くアウトソーシング専門の開発スタジオ大手、Virtuosが日本に上陸します。CEDEC3日目に行われたスポンサーセッション「クリエイティブと作業の分別」では、同社の概要と戦略について説明がありました。

Virtuos伊藤氏(左)とカイオス記野氏(右)Virtuosの中核メンバー


VirtuosはUbisoft of Chinaから04年にスピンアウトした開発スタジオです。創業者はUbisoft of Chinaを97年に設立した、元社長のGilles Langourieux氏自身。中国で最初の外資系独立ディベロッパーで、上海と成都に開発部門があり、600名以上の開発陣を抱えています。

クライアントはマイクロソフト、EA、UBI、ジンガなど海外大手パブリッシャーで、『Forza Motersport3』『Sid Meier's Pirates』『My Facebook Friends』などの開発実績があります。また08年からは映画『スタートレック』『ターミネーター4』など、ハリウッドのAAA級タイトルのCG制作も受注しています。
 
もっとも、これまで日本には営業オフィスがなく、受注実績はゼロ。それが、このたび東京・本郷のカイオスが窓口となり、本格的な営業活動が開始されました。講演では上海スタジオ在籍の伊藤成一氏と、カイオス記野直子氏が登壇。ゲーム業界をとりまく現状と、Virtuosがいかに解決できるか、という点が紹介されました。

あえて解説するまでもなく、日本のコンソールゲームはグローバリゼーションの荒波にさらされています。その背景にあるのが、ゲーム機の高性能化に伴う開発チームの大規模化と、欧米市場の拡大。そして、それに伴う海外企業の台頭です。こうした変化は不可逆的なもので、手をこまねいていても、元に戻ることはありません。

大規模化への対応で日本は後手にハイスペック時代にあわせた対応が必須
日米欧のハード出荷台数日米欧のソフト販売本数


そこで日本のクリエイティブ性と生産性を上げて、欧米メーカーに対抗したい・・・。カイオス記野氏は、こう語ります。そこで協業先となるのがVirtuosというわけです。記野氏は創造性が必要な上流工程は日本側、アセット制作などの下流工程はVirtuosが受け持つことで、これが可能になるとアピールしました。

もっとも、海外アウトソーシングに二の足を踏む国内企業が多いのも事実。Virtuos伊藤氏はこの不安を、大きく「コミュニケーション」「クオリティ」「セキュリティ」の3点にあると分析します。中でも最大の阻害要因となるのがセキュリティで、海外発注を行った結果、知的財産権(IP)が流出するリスクは常に配慮する必要があります。

こうした疑問に対して、Virtuosでは元UBI of Chinaの中核スタッフが立ち上げたこともあり、非常に高いレベルでセキュリティが守られていると紹介しました。実際、初日に伊藤氏が社内のPCにUSBメモリを挿したところ、反応しなかったばかりか、管理スタッフから注意を受けたのだとか。機密情報にうるさいハリウッドから受注を受けているのも、セキュリティレベルの証明だと紹介されました。

海外アウトソーシングの懸念点と解決策


作業中のやりとりも、日本側の営業窓口を記野氏、上海側の制作窓口を伊藤氏が担当し、すべて日本語で行われるとのこと。両者共にゲーム業界で10年以上のキャリアを持つベテランで、Virtuosの公式サイトにもしっかり日本語版ページが設けられています。クオリティについても、要件書を事前にしっかり作成し、4段階の管理を行うことで、品質の担保がとられていると説明されました。

Virtuosのユニークな点は、タイトルの自社開発ができる能力を十分に備えているにもかかわらず、自社企画タイトルの開発を封印している点です。時には映画版権をもとに、パブリッシャーのマルチプラットフォーム戦略の一環として、PSPとDSのタイトルを丸ごと開発し、納期を合わせるといった、高度なプロジェクトも手がけるとか。この国際受注業務に特化する戦略が同社をユニークなものにしているのです。

開発スタッフはキャラクター班が約60名、ビーグル(乗り物・機械)班が約30名、背景班が約160名、コンセプトアート班が約20名、ソフトウェア開発が約120名を抱え、文字通り「人海戦術」がとられています。中でも記野氏はコンセプトアート班の重要性をあげ、欧米向けタイトルを開発するなら、このレベルから海外発注する方が、「なんちゃって欧米」的なタイトルになるリスクが下げられると紹介されました。

肝心のクオリティレベルも、フォトリアルなグラフィック領域では世界最高水準といった印象。欧米市場向けにフォトリアルな映像でゲーム開発を行うのであれば、非常に心強い援軍になり得るのではないでしょうか。

Virtuos
http://www.virtuosgames.com/j/

カイオス
http://kyos.co.jp/
《小野憲史》

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