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ガストサウンドの結晶『トトリのアトリエ~アーランドの錬金術士2~』の音楽について聞きました

ついに発売が6月24日に迫った『トトリのアトリエ~アーランドの錬金術士2~』。サウンドに定評のある「アトリエシリーズ」の最新作ということで、の「アトリエサウンド」を作るクリエイターの方々と本作のオープニングとエンディングを歌う歌手のお二人にお話を伺いました。

ソニー PS3
ガストサウンドの結晶『トトリのアトリエ~アーランドの錬金術士2~』の音楽について聞きました
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  • トトリのアトリエ~アーランドの錬金術士2~
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―――エンディング曲のテーマはどういった部分にありますか?

maoさん
柳川:エンディングらしい曲をmaoさんに合わせて作るというコンセプトに、今回のキーワードになる「旅っぽさ」を加えるというものでした。






―――maoさんはゲームやアニメの曲を歌っておられますが、ゲームの曲ならではの部分というものはありますか?

mao:アニメの曲もゲームの曲も物語がしっかりしています。その物語に寄り添ってしっかり表現することと、「わたしらしさ」を両立することはいつも難しいなと感じています。『トトリ』のエンディングに関しては自分の中でイメージを膨らませていって、一緒に旅をしているという感じでレコーディングしました。

―――歌う際にこだわった点などありますか?

左: 山本美禰子さん、右:maoさん
山本:曲の最初の印象を大事にしています。特にオープニングだと、ゲーム世界への導入にもなるものですから。前作『ロロナ』は「夢見がちな女の子が歌っているというイメージ」だったんですが、今回のオープニング「Pilgrimage」は「海風が広がる」「主人公を見守るお姉さん的存在」のイメージだったんです。そこで主人公に寄り添うというよりは見守る視点で……という感じで歌声を作っていきました。
レコーディングはスムーズに進みましたね。その後のコーラスの録音が地獄でしたが。

mao:コーラスを重ねると広がりが出ますよね。世界観を作る一つのポイントです。

山本:コーラスは足腰にきますよね。

mao:「ずっと正しい声を出す」という感じですからね。でも、楽しいレコーディングでした。エンディングはゲームの思い出を色々と思い返してもらったり、プレイヤーの方々とトトリちゃん両方を癒してあげられような、優しく語りかける子守歌をイメージして歌いました。

―――ガストさんの歌作りはどのように進められるんですか?

中河:企画サイドと「こんなイメージで」と音源をやり取りします。ジャンル名だけを聞いてしまうと、サウンド側が「正しい音楽」をやりすぎてしまうんですね。

今回、オープニングのジャンルはフォルクローレなんですけれど、実は受け取ったサンプル音源ではケルト音楽寄りのイメージだった。なので、用意された音源は実はケルト音楽だったんですよ。

歌詞を考えるのも難しいんです。ある程度作品イメージに寄り添いますが、企画と同時進行で製作なので決まっていない設定も多い。一番で言ったことを反転させたり、自問自答したり・・・というのが僕の作り方です。

「アトリエサウンド」というのは、どこの国の音楽でもないんですよ。強いて言えばゲームミュージックです。これは我々が作り上げたのではなく、スーパーファミコンなど古い世代機の頃から定番だったクラシックやオーケストラ系から、徐々に民族楽器を加えるアプローチへと変化する流れがあり、我々以前からすでに始まっていた過程です。そうした時代の流れを受け継ぎつつ独自にアレンジさせてきたのがアトリエサウンドだと思います。

正確に民族音楽をやるのではなく、エスノミュージックとよく形容される「日本人が考える西洋」というものが確立しつつあるんじゃないかと思いますね。

―――ガストさんはサウンドに力を入れるメーカーというイメージがありますが。

中河氏
中河:今回はアトリエ(工房)のBGMで「海っぽさを出して欲しい」という注文がありました。ゲーム全体のイメージとしてフォルクローレ路線が大前提だったのですが、これは中南米の音楽で山道を馬で歩くようなイメージがあって、海辺の町が舞台でビジュアルが中世ヨーロッパ的な『トトリの世界観』とは違っていて難しい・・・。そこで柳川とも色々意見を出し合って、二人で競作する形にしました。

結局、僕の曲がアトリエ曲に採用されたんですが、柳川が作った曲はショップの曲として使われることになったんです。聞き比べて頂くのも面白いと思いますね。

柳川の曲は分かり易くラテンの曲になっていて、風を感じさせる。僕はザルに砂を入れて揺すった音のサンプリング(オーシャンドラムなどと呼ばれるパーカッションや効果音作成用具の一種)を取り入れて海の効果音として使っている。試行錯誤した結果が出ていると思います。

―――レコーディング現場でのエピソードなどありますか?

中河:現場で歌詞が変わることがありますね。本来の歌詞とは異なる形で歌い手さんが歌われて、そちらの方が良いとなれば採用することがあります。

持ち歌として歌い継いでいって頂けるようなものを目指していますので、本来の歌詞と違っていても、歌い手さんが解釈されたものでその人らしさが出るのであれば、そちらが優先です。

歌い手さんが気付いてしまって、歌詞を本来のものに直されることもあるんで、それを再修正したりもします(笑)。

―――先日行われたライブの反応は如何でしたか?

山本:『ロロナ』のオープニングのイントロが流れた途端に会場が盛り上がりましたね。「この曲を皆さんが聴きにこられたんだ」と思いました。

mao:拍子が結構変わる難しい曲でプレッシャーもあったんですが、リラックスして聞いて頂けたようで、「この歌を歌わせて頂けて嬉しいな」と感じましたね。

―――お二方は普段ゲームを遊ばれたりしますか?

山本:『ロロナ』のソフトを頂いたことがきっかけでゲームをするようになりました。まだ新米なんですけど、『ロロナ』や『ICO』『ワンダと巨像』のような幻想的なファンタジーゲームが好きですね。maoちゃんは?

mao:『モンスターハンターポータブル 2ndG』をレコーディングの現場で勧められたのがきっかけですね。それまではゲームに興味はなかったんですが、やり始めたらわたしが一番ハマってしまって。今は大きな剣をザシュザシュ振り回して、切り込み隊長としてみんなを守ってます。『トトリ』も出たらやりたいですね。ぜひ美禰ちゃんと『トトリ』トークしたい(笑)。

―――お二方は仲がよろしいんですか?

mao:先日のライブで仲良くなりました。

―――山本さんの愛犬がロロナちゃんなんですよね。

山本:そうなんです!『ロロナ』の発売日に家に来た元気なマルチーズの女の子で、「ロロちゃん」ってみんなに呼ばれてます。

mao:実はわたしもマルチーズを飼ってるんです。うちのは男の子なので、よかったらお見合いさせて下さい(笑)。

■音楽のテーマは「旅」

《水口真》
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