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【ゲームニュース一週間】モーションコントロールと暴力表現:「動きまで真似させるのは度が過ぎている」

今週は暴力表現とモーションコントロールの取り合わせに関する興味深い指摘が見られました。

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今週は暴力表現とモーションコントロールの取り合わせに関する興味深い指摘が見られました。

『スプリンターセル コンヴィクション』を手がけたMax Beland氏はモーションコントロールの危険性について語っています。

「ゲームにモーションコントロールを追加するのは面白いと思うが、扱いにくいと思う部分もある。我々が作っているのは暴力要素のあるゲームだ。ボタンを押すだけならともかく、プレイヤーに動きまで真似させるのは度が過ぎている。これは道徳的に興味深い問題だ。『スプリンターセル』では格闘戦で敵を殺すが、モーションコントロールでそうしたいと思うだろうか?」

氏の作品『スプリンターセル コンヴィクション』では実在する軍隊格闘技「クラヴ・マガ」が登場、主人公サム・フィッシャーは流れるような動きで敵を制圧します。もし、こうしたアクションをモーションコントロールで体感できるなら、それは大きなセールスポイントになるのではないでしょうか。

モーションコントロールによる格闘戦の疑似体験は画期的であると同時に物議も醸しそうです。「動き」にはそれだけの説得力と可能性があります。

プレイステーション3は「PlayStation Move」で、Xbox360は「Project Natal」で、それぞれモーションコントロールに対応することを表明しています。両ハード共にハードコア層向けのタイトルが中心となっていますので、今後はリアルな暴力表現を扱うゲームで「動き」に対応する可能性は十二分にあります。

これまでの暴力表現は「ボタンを押す」「パッドを操作する」行為に集約されていました。どちらの行為も、実際の暴力とはほど遠い動きです。しかし、モーションコントロールを使えば「リアルな」動きで暴力表現を引き出せます。

相手を殴る、という行為を考えてみましょう。従来の暴力表現なら、ボタンを押したり連射したり、パッドを回すという動きになります。いずれも本当に殴る動きとはかけ離れています。

モーションコントロールならどうなるでしょう。腕を振って殴る、ということが可能となります。これは、本当に「殴る」という動きに近いものがあります。

『Wii Sports』の「ボクシング」では人形のようなキャラクターがスポーツとしてルールある殴り合いをしていましたが、それでも大いにエキサイトするのです。これがハードコア層向けタイトルのようなリアルなグラフィックと暴力表現なら、心に訴えかける力はより大きくなる可能性があります。

殴ることで流血したり顔が歪んだりしたら。グローブをはめた拳ではなく、メリケンサックやかぎ爪付きの籠手だったら。対等の戦いではなく、弱い相手をいたぶるようなルールだったら。暴力表現の入ったモーションコントロールゲームに関しては、これまで以上に慎重なレーティングが必要となるのではないでしょうか。

実はWiiでもリアルな暴力表現+動きの萌芽が見られます。『斬撃のREGINLEIV』は任天堂初のCERO D(17歳以上対象)指定ゲーム。剣で巨人の腕を切り落とし、槍で突き刺すなど動きと暴力表現が直結しています。ゲーム内容的にしっかりしており、決していたずらに暴力表現の過激さのみを追い求める作品ではありませんが、D指定としたことは様々な意味で英断といえるでしょう。

今後、主要ゲーム機がモーションコントロールに対応することで、これまでになかった市場やニーズが生まれてくることと思われます。中にはモーションコントロールのインタラクティブ性に注目し、過激な暴力表現のみをウリにした作品が出てこないとも限りません。

英国の心理学者タニア・バイロン博士は「バイロンレビュー」において「この2年でデジタル上における子供たちの安全に関し重要な進歩があった」とゲーム業界のレーティングへの取り組みを高く評価しています。

信頼を築くのは難しく、失うのは一瞬です。ゲームに対する認識が良いものとなりつつある今だからこそ、モーションコントロールと暴力表現に関しては充分な議論がなされるべきではないでしょうか。
《水口真》
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