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【ゲームニュース一週間】-DSiウェアとiPhoneのマルチ展開

今週はiPhone用ゲームをDSiウェアとして移植するニュースが見られました。

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今週はiPhone用ゲームをDSiウェアとして移植するニュースが見られました。

FiremintはiPhone用ゲーム『Flight Control』をDSiウェアに移植すると発表しました。『Flight Control』はヘリや飛行機をタッチで誘導する航空管制ゲームで、iPhone用としては200万ダウンロードを突破しています。

Subatomic Studiosは2月8日よりiPhone用ゲーム『Fieldrunners』のDSiウェア版を配信しています。『Fieldrunners』は様々な兵器を配置し、押し寄せる敵を倒す「タワーディフェンス」系のゲーム。その高い完成度から話題となり、米TIMES誌の「ビデオゲームトップ10」の9位に入賞。iPhoneにおける「タワーディフェンス」系の定番となっています。

ダウンロードゲームを様々な機種で展開できるのなら、デベロッパー(開発会社)にとっては福音となります。ダウンロードゲームは中小のデベロッパーが参入しやすいことがメリットの一つとされています。パッケージ版ゲームほど開発費用がかからず、流通コストもないということがその理由です。
中小のデベロッパーとしては、多機種展開でビジネスチャンスが広がるのであれば歓迎なのではないでしょうか。

モバイルゲームを開発するデベロッパーであるFinbladeのチェアマン、John Chasey氏は、iPhoneにゲームを出したものの2作目を発表してない、というケースが多いと指摘します。氏は「iPhoneが占めるのはモバイル市場の1%」であるとし、他機種へ移植することでビジネスチャンスが広がるのではないか、と提案しています。

ここにDSiウェアとiPhoneゲームの両方にチャンスがあります。ニンテンドーDSとiPhoneはどちらもタッチスクリーンを持っています。ニンテンドーDSにはiPhoneのようなマルチタッチや加速度センサーがないものの、「指で操作する」触感は共通しているのがポイント。両機種で展開することは、デベロッパーのビジネスチャンス以上の意味を持つのではないでしょうか。

DSiウェアは現状としてはラインナップを増やしたいところでしょう。日本向けに発売されているDSiウェアは2010年2月時点で200種類弱。10万種以上のアプリが存在(Apple調べ)するiPhoneですが、ここから移植を行えば、ゲームが再評価されるチャンスとなります。

価格もポイントです。オランダの調査会社Distimoによれば、iPhoneゲームの平均価格は下降の傾向にあり、低価格のものが注目を集めやすいというケースも少なくないとのこと。

前述の『Flight Control』は当初2.99ドル(約270円)の予定だったところを記念価格の発売記念価格の0.99ドル(約90円)を継続しています。このゲームのように勢いがあっての低価格ならいいものの、低価格にもかかわらずダウンロードが少ないとなればデベロッパーに与えるダメージは少なくないものがあります。

DSiウェア版の『Flight Control』は500ニンテンドーポイント(約500円)で、Firemintはこれを「適切な価格」であるとしています。

もちろん、10万種のiPhoneアプリと200種のDSiウェアでは市場規模自体が全く異なります。「90円のiPhone市場か、500円のDSiウェア市場のどちらが良いか?」は悩みどころですが、両方取れるのならそれに越したことはありません。

DSiウェアをiPhoneへ移植するメリットはどんなものでしょうか。iPhoneゲームにはDSiウェアのような国境がありませんから、全世界に向けて配信することができます。総計10万種以上のアプリが存在し、20億ダウンロードを突破するということは、それだけの高い注目度があるということ。余暇のプロジェクトからスタートした『Flight Control』が200万ダウンロードを突破するなど、当たれば非常に大きいのです。

iPhoneとニンテンドーDSのマルチ展開は中小のデベロッパーにとってチャンスとなる可能性を秘めていますし、それぞれの機種に特化した専用ゲームはクリエイティビティの発露となります。クリエイティビティを取るか、汎用性を取るかはデベロッパーの選択次第。両機種の特性を活かしたポリシーある移植であれば、どちらの機種のユーザーも納得してくれるのではないでしょうか。
《水口真》
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