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「Wiiでいいゲームを作るための10のコツ」-海外からの提言

Wiiでいいゲームを作るための10のコツとはどういったものでしょうか。

任天堂 Wii
Wiiでいいゲームを作るための10のコツとはどういったものでしょうか。

海外ゲームサイトDestructoidは「Wiiゲームを作るサードパーティのための10のコツ」と題した記事を発表しています。Wiiで面白いゲームを作るには何に留意すべきか、ユーザーサイドからも興味深い記事となっています。

1.モーションコントロールを最小限に留めるか、オプションにする
2.ゲーマー層とカジュアル層を同時に狙わない
3.アクション要素を少し加えるのを忘れずに
3.ガンシューティングはまずい。FPS(一人称シューティング)がいい
4.「ハリウッド超大作」みたいなゲームを作らない
5.もしプレイステーション3やXbox360から移植できるなら全力を注ぐ
6.アートディレクションをしっかりとする
7.任天堂からアイデアを借りるのはいいが、盗むべからず
8.ニッチなゲームでお金儲けできると考えてはいけない
9.誰もスピンオフのゲームが好きじゃない
10.Wii HDが出るまで待つ

3が2つあるので11項目となっていますが、一つ一つ見ていきましょう。

1.モーションコントロールを最小限に留めるか、オプションにする
「人々がWiiのゲームと聞いてモーションコントロールを思い浮かべるというのは間違った考え。Wiiで最も売れたゲームの一つである『大乱闘スマッシュブラザーズX』にはモーションコントロールが入っていない」

2.ゲーマー層とカジュアル層を同時に狙わない
「Wiiを“ゲーマーと非ゲーマーの両方に同時にゲームを売れる金鉱”と見なすのは間違っている。そう考える開発者のゲームは詰め込みすぎか器用貧乏になる。トラディショナルなアクションアドベンチャーにミニゲームを沢山入れるなら、お婆ちゃんと17歳の孫はあなたのゲームを買わない。お婆ちゃんはゲームでなくコールドストーンクリーマリーのアイスクリームを、孫は『NO MORE HEROES』を買うだろう」

3.アクション要素を少し加えるのを忘れずに
「多くの開発者は“アクション要素を加えないとゲームに注目してもらえない”と思うようだが、それは間違っていると立証された。『宝島Z バルバロスの秘宝』『サイレントヒル:シャッタード メモリーズ』『恐怖体感 呪怨』『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー』は、いずれもアクションを重視しない非伝統的戦闘システムが欠点となった例だ。誰もがゲームにアクションを臨み、アクション要素がない家庭用ゲームで人気になったものはなかった。『スーパーマリオブラザーズ』で最初にするのはよたよた歩くキノコを踏みつけることだし、『パックマン』ではエサを食べることだ。『Myst』『逆転裁判』のような例外はあるが、いずれも家庭用ゲーム機の作品ではなかった」

3.ガンシューティングはまずい。FPS(一人称シューティング)がいい
「ゲーマーが新しいゲームを買う時に気にするのはゲームのジャンルであり、ゲーマーはガンシューティング(レールウェイシューター)を避ける。彼らはできるだけ多くのコントロールができるゲームが好きで、そうしたものにドルを払う。ガンシューティングがコントロールできる範囲は非常に小さい。ガンシューティングはゲーマーにとって完全につまらないものではないが、年に3本も同じゲームを買わないだろう。FPSはガンシューティングに似ているが正反対で、Wiiリモコンのポインタ的操作がアドバンテージになる。FPSが生まれた後にガンシューティングが死んだ理由は“ガンシューティングでできる全てがFPSでできる”ことにある」

4.「ハリウッド超大作」みたいなゲームを作らない
「あなたが特殊効果バリバリのホラー映画が好きなら、プレイステーション3やXbox360を買おう。とても簡単な話だ。それはWiiを買わないことを意味しているのではない。しかし、遊んだことのないゲームにお金を払う時、ゲームのウリが特殊効果であるなら、HD機のゲームを買うだろう」

5.もしプレイステーション3やXbox360から移植できるなら全力を注ぐ
「プレイステーション3やXbox360のゲームはWiiでも売ることができる。同時発売し、内容が同じならそれは本当に助かることだ。『スター・ウォーズ フォース・アンリーシュド』はとても良い例だ。基本的にプレイステーション3やXbox360版と同じゲームだが、時折モーションコントロールが入り、グラフィックは詳細なものではない。HD機版よりも10ドル(約910円)安く、それ故に150万本を売った。プレイステーション3版よりもわずかに2~3000本少ないだけの数であり、続編がWiiで出る理由も多分そこにある。Wiiを持っていない人には分からないだろうが、ゲームがプレイステーション3とXbox360とWiiのマルチプラットフォームであり、Wii独自の要素が多いなら多くの人がWii版を買うだろう。あなたがシリーズに新たなファンを加えることを望むのであれば、安いWii版はより買いやすい可能性を持っている。それは輝かしいHD画質グラフィックとのトレードオフになるだろうが、Wiiのユーザーは最高級のグラフィックを必要としていない。しかし彼らは『デッドライジング 死霊のいけにえ』のようにゾンビが少なくなるなどゲーム内容が変わることを心配する。もしあなたがWiiでゲームを開発中なら、それは手を抜けることを意味しない。誰も中途半端なゲームを買いたくない。Wiiであることはビジュアル面でフリーパスを与えるものではない」

6.アートディレクションをしっかりとする
「プレイステーション3やXbox360ではアートディレクションに関して考えることは必ずしも必要ではない。沢山のアーティストを使い、できるだけ写実的なグラフィックを作ればいい。Wiiではそうした贅沢は不可能だ。リアリズムを使わずにゲームを見栄え良くしなければならない」

7.任天堂からアイデアを借りるのはいいが、盗むべからず
「『大神』はプレイステーション2版よりもWii版の方がよく売れた。前者の方がオリジナルで、Wii版が出た頃には20ドル(約1800円)で買えたにもかかわらずだ。それは何故だろう?多分、『大神』が『ゼルダの伝説』のようなゲームであることに関係がある。しかし『大神』は『ゼルダの伝説』の恥知らずな剽窃ではない。実際、『ゼルダの伝説』からもっとパクったのであれば『大神』は更に売れただろう。私は『大神』が好きだが、白い犬を主人公にすることがいいアイデアだとは思わない。任天堂のファンに、任天堂の劣化コピーを出したとしても、彼らの誰もゲームを買ってくれないだろう」

8.ニッチなゲームでお金儲けできると考えてはいけない
「あなたがカルト映画のようなゲームを作るなら、少数の人を相手にしたカルトゲームになるのは当たり前。Wiiで作ってもそれは変わらず、どんな機種であっても50万本以上は売れないだろう」

9.誰もスピンオフのゲームが好きじゃない
「Wiiユーザーがあなたのスピンオフゲームを買うほど必死であった時代はあったが、それはもう終わった。なぜWiiで『グランド・セフト・オートIV』(GTAIV)や『ファイナルファンタジーXIII』のようなAAAタイトルのスピンオフが出ないのか。AAAの“ハードコア”なゲームには最高級のグラフィックが必要とされるのだ」

10.Wii HDが出るまで待つ
「今は90年代ではないので、ハードメーカーは新ゲーム機を出すのに5年待つ必要はない。任天堂はWiiを一台売るたびに利益を上げており、Wii HDを250ドル(約23000円)という魔法のような価格で出すことができるかも知れない。Wiiの成功はしっかりと確立しているので、任天堂はいつでも好きな時によりパワフルなゲーム機を出せる。サクライ(桜井政博氏)のプロジェクトは2008年に発表されたし、『ゼルダの伝説』Wii版は今年に出るというが、我々は何も見ていない。彼らはWii HDの立ち上げ時に同時発売されるソフトを開発していないのだろうか?」

ガンシューティングとFPSの関係、多機種展開のメリット、Wiiユーザーの性質など非常に興味深い内容の提言となっています。
Wiiでゲームを作るには相応の心構えが必要であり、これらの事情を完全に理解した上で先を読む力が必要と言うことなのでしょう。
《水口真》
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