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今後の注目はクッキングトイ?―玩具市場に関する調査結果2008

矢野経済研究所は2009年2月3日(火)、電子玩具、模型・ホビー、男児キャラクター・男児玩具、女児キャラクター・女児玩具、ゲーム類、ぬいぐるみ、基礎玩具(知育玩具、ブロック類等)、季節物・雑玩具、テレビゲームなどの玩具市場に関する調査結果を発表しました。

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矢野経済研究所は2009年2月3日(火)、電子玩具、模型・ホビー、男児キャラクター・男児玩具、女児キャラクター・女児玩具、ゲーム類、ぬいぐるみ、基礎玩具(知育玩具、ブロック類等)、季節物・雑玩具、テレビゲームなどの玩具市場に関する調査結果を発表しました。

調査は2008年10月〜12月に行われ、玩具・ゲームコンテンツ関連メーカー、卸問屋、小売事業者等に直接面談、あるいは電話ヒアリング、郵送アンケート調査などを行ってデータを収集したとのことです。それによると、玩具市場のうちテレビゲームが占める割合は6割強。ただし2007年には次世代ゲーム機や携帯ゲーム機にユーザの興味の中心がありましたが、2008年からはトレーディングカードゲームが好転。市場はトレーディングカードゲームが牽引し、国内玩具市場規模(出荷金額ベース)は、前年度比0.8%増の8,934億円となりました。

テレビゲームを除いた主要8分野の市場規模は、前年度比1.8%増の3,243億円。ただ、これは伸びとしては低いもので、やはり世界的な景気悪化・原油価格高騰などの影響と見られています。そのほか玩具全般では、クッキングトイ(調理ができる玩具)人気も高まっています。

背景としては「食」あるいは「食育」への関心の高まりがあると思われるほか、、親子で一緒に調理をすることによってコミュニケーションの促進を図れることや、手軽に調理を楽しめることも人気の要因と見られています。オタク層に焦点を合わせた「ハイターゲットトイ(成人をターゲットとした玩具)」も購買力のある団塊世代などにより活況です。
 
一方テレビゲームについては、2008年以降需要がやや飽和している感があります。2008年は『モンスターハンター ポータブル 2nd G』(2008年3月発売)のヒットでPSPの売上が大幅に伸長したほか、「ニンテンドーDS」の上位機種である「ニンテンドーDSi」(2008年11月発売)が好調でしたが、2006〜2007年ほどの勢いはありませんでした。

玩具市場規模はテレビゲームの構成比が大きいことから、テレビゲームの市場動向に大きく左右されます。またヒット商品が出現するかどうかによっても大きく変動します。今年2009年はテレビゲーム需要が飽和しつつあることや景況感悪化等の影響から、市場規模は前年度比7.7%減の8,243億円と予測されました。2010年以降も景気悪化の影響から、市場の起爆剤となるような大ヒット商品が登場する等のことがない限り、市場規模の拡大は難しいと、悲観的な結論で同レポートは結ばれています。

なおこの調査結果は「玩具産業白書 2009年版」として矢野経済研究所から発売中。価格は115,500円(税込)となっています。
《冨岡晶》
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