■参加者
真木 孝一郎 ウィザーズ・オブ・ザ・コーストで「マジック: ザ・ギャザリング」や「デュエルマスターズ」の開発・普及・関連商品の制作監修に携わる。プレイヤーとしても10年以上のキャリアを持つ。
射場本 正巳 同じくウィザーズ・オブ・ザ・コーストで「マジック: ザ・ギャザリング」や「デュエルマスターズ」で真木氏と二人三脚でカード設計などを行う。1995年からプレイヤーで、一昨年に入社。
―――「マジック: ザ・ギャザリング」とはズバリ一言で表すと何なのでしょうか?
カードゲームは裾野が非常に広くて、現在日本で普及しているものだけでも、筐体で遊ぶ『ムシキング』、アーケードとカードを融合させた『三国志大戦』や『WORLD CLUB Champion Football』、卓上で遊ぶ「遊戯王カード」や「ポケモンカード」といった商品があります。マジックは1993年にアメリカで産声を上げ、あれよあれよという間に世界中に広がりました。自分だけのカードを揃えて、部隊を編成して戦う、その面白さを普及させたのがマジックです。
当初は大学の一角からスタートした遊びが今では世界に700万人のユーザーを数えるまでになり、その他のカードゲームを含めると、もっと多くのプレイヤーがいます。その始まりがマジックなのです。
―――なるほど、お二人はプレイヤーから仕事にまでしてしまったという、魅力に取り付かれた一人だと思いますが、他のカードゲームと比べてどのようなところが良かったのでしょうか?
真木: 何かあるジャンルに特化したものであればもっと優れたものは沢山あると思うんです。例えば、原作を表現したものや萌えの要素が入ったものなどです。その中でマジックが評価を得られたのは全ての要素がバランス良く詰められていて、誰にでも違和感なくプレイしてもらえるカードゲームになっているからだと思います。もう一点非常に重要なのは、卓上で友達を集めて楽しいのはカードゲームとして当然で、それ以上に先を目指せるシステムが整えられているのも魅力だと思います。
―――先が用意されているというのは様々な大会などがあるという・・・
真木: そうですね。マジックは大会のシステムがしっかりしていて、公式のランキングがあり、グランプリ、プロツアー、世界選手権とそれぞれのランクに応じた大会が用意されています。大会に参加して勝てば賞金が得られる大会もあり、プロも存在します。初心者には初心者なりに、プロにはプロなりに場が用意されていて、どこまでも受け止めてくれる懐の深さがあると言えると思います。
―――最近のツアーでは日本人選手の活躍が目覚しいと聞きますね
真木: 最近の日本のプレイヤーは強いんです。僕達が始めた頃は世界で勝てるとは思いもしなかったのですが・・・(笑)。ここ数年、一番強いのは日本のプレイヤーで、トッププレイヤーのかなりの割合が日本人になっています。日本プレイヤーの特徴は真面目なこと。「〜道」と表現すればいいのか、とことん研究し尽くすところは日本人の血なのかもしれません。それに日本に強いプレイヤーが沢山いるので、日本でマジックをプレイすると上達し易いという好循環も出来ています。
昨年のPlayer of The Yearは日本人!インタビュー中にもあるように、昨今のマジック界は日本人選手が主導しています。15年前は上位にランクすることがなかった日本人選手ですが、2000年代に入り、徐々に実力を付け、2004年には初めて日本人選手が世界王者に輝きました。それから多くのプレイヤーが活躍を続け、昨年のPlayer of The Yearには大阪の中村修平さんが選ばれました。今回インタビューした真木氏のお話によれば、日本人の真面目さ、「マジック道」とも言える取り組みが花を咲かせたのではないか、とのこと。もちろん2月27日からのプロツアー京都にも日本の強豪選手が集結します。京都で彼らの活躍を見てはいかがでしょうか? →前回の世界大会の日本人選手の活躍について詳しくは:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/worlds08/welcome-ja |
―――2月のプロツアーの見所はどんなところですか?
真木: プロツアーは壮大なマジックのお祭りなので、それぞれ楽しめるポイントがあると思います。出場資格がいるプロツアー本選以外にも、レアカードを賭けたクイズ大会やイラストレーターさんのサイン会、ミニ大会、などなど楽しめるイベントが多数予定されています。先ほど「マジックはコミュニケーションツール」という話がありましたが、プロツアーは全世界から強いプレイヤーが集まるので、そういう人たちとコミュニケーションを取ったり、カードの交換をしたりするのも楽しいと思います。世界のトッププレイヤーを決める大会という高揚感もなかなか味わえないものです。
※まだ本選出場のチャンスも。開幕前日の2月26日にラストチャンス予選が開催(詳しくは最後を参照)
―――プロの戦いを間近に見るのは勉強にもなりそうですね
真木: もちろんです。自分も昔弱かった時にプロの戦いを見たことがあるのですが、「自分ならこうする」と思うのにプロの人は違う手を使ったりするんです。そこで「何が違うんだろう」と考える事も非常に勉強になりますし、やはりプロというのは戦っているときのオーラが違います。それを見るだけでも楽しいと思います。
事前に予習しなくても、会場では、毎日の見所の対決の紹介も行います。それを見てもらえれば注目の対戦をチェックできると思います。また、最終日のベスト8の闘いでは、会場内に解説ブースを設けて、私が解説する予定ですので、王者を賭けた戦いを、より楽しんで貰えるはずです。
―――今回から少しルールが変わるそうですね
真木: マジックには構築戦とリミテッドという2つの対戦のルールがあり、これまでの大会はどちらかのルールを採用していましたが、今回はそれを交互にプレイすることになります。これまではどちらかで強いプレイヤーが有利でしたが、今回は総合した分野で強いプレイヤーを選出することになります。
射場本: 年が変わって最初のプロツアーということもありますので、今年は誰が頑張っていくのかというのも注目だと思います。プロツアーは1年間に4回あり、最後の世界選手権と合わせて総獲得ポイント1位のプレイヤーは「プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」の栄冠を得ます。そのスタートを誰が制覇するのかというのも非常に楽しみです。
―――ありがとうございました!
(左)射場本氏、(右)真木氏 |
プロツアー京都に足を運ぼう! 1年間に4度行われ、年末の世界大会と合わせて、その年に最も活躍した選手を決めるプロツアーが再び日本で開催されます。2月27日〜3月1日まで、京都のパルスプラザで開催されるプロツアー京都には世界各国から予選を勝ち上がってきた強豪選手が集結し、世界一に向けた戦いを開始します。マジックのプレイヤーは、彼らの戦いぶりを見ているだけでも楽しめるでしょう。本選への参加資格を持たないプレイヤーも楽しめるサイドイベントが多数開催されます。賞品をかけた大会やレアカードの手に入るイベント、カードのデザイナーのサイン会など見所がたくさん。世界から集まるプレイヤーとのコミュニケーションも楽しめそうです。
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