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【TGS2008】新たなゲームの可能性を切り開く「センス・オブ・ワンダーナイト2008」開催

任天堂 Wii

【TGS2008】新たなゲームの可能性を切り開く「センス・オブ・ワンダーナイト2008」開催
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東京ゲームショウ2日目の夜、ゲームショウ初の試みとして、誰もが見ただけで新鮮な驚きが感じられる、まったく新しいゲームの可能性を切り開くイベント「センス・オブ・ワンダーナイト(SOWN)2008」が開催されました。壇上では制作者自らが10分ずつの持ち時間で、斬新なゲームのアイディアやデモなどをプレゼンテーション。会場に詰めかけた聴衆もピコピコハンマーをふって賛辞を送るなど、一体となって盛り上がりました。

「SOWN」は実験的で創造的なゲームデザインやアイディアを紹介し、ゲームデザインに新しい領域を作り出すことで、ゲーム産業の活性化を図ることを目的としたイベントです。ゲームが完成している必要はなく、プロ・アマチュアの区別も不問、世界中から参加することができます。第1回目の今回は、全67作品がエントリーされ、選考委員によって12作品が選出。会場では、そのうち11作品によるプレゼンテーションが行われました。

選考委員の1人で、司会もつとめたIGDA日本代表の新清士氏(左)会場には大勢のゲームクリエイターがおしよせ、期待の高さを感じさせたワンダーを感じたら手に持ったピコピコハンマーを振って賛辞


それでは、さっそく全作品を紹介していきましょう(タイトル/制作者/国籍)

01:カメラ(やれやれ/日本)
http://www.geocities.jp/yareyare_yaugari/

画面上にマウスを握った手が表示され、プレイヤーがマウスを操作すると、それに伴ってマウスも動くというナンセンスソフトです。発展系として画面上にピアノの鍵盤と手が表示され、マウス操作でピアノが弾ける、というバージョンもあります。マウスカーソルを別の画像に変化できるシステムを見た時、自分の手だったら・・・というのが発想のきっかけでした。2〜3分で飽きますが、その間は違和感が感じられるとのことです。作者の名前の通り「やれやれ」感が満載で、実にセンスオブワンダーらしい作品でした。

天然風のプレゼンも秀逸だった\"やれやれ\"氏あと20個くらいネタがあれば、大化けしそうな予感も


02:Depict(Jesus Cuauhtemoc・Moreno Ramos/メキシコ)

iPhoneを用いたゲームのアイディアで、与えられた題目に従って写真を撮影し、ウェブ上で「似ている度合い」によってランキングがつけられるというものです。「現実とゲームと人とのユニークなつながり」を実現するのがコンセプトでした。プレゼンが終了すると、発想の奇抜さに会場全体がセンスオブワンダーとなりましたが、選考委員の間では満場一致で選出されたとのことです。イメージムービーとパワーポイントのデータにとどまり、実機デモが見られなかったのが残念でした。

2人ははるばるメキシコから来日しましたニンテンドーDSiで実際にサービスインされそうな予感


03:The Unfinished Swan(Ian Dallas〜南カリフォルニア大学〜/アメリカ)
http://iandallas.com/games/swan/

FPSスタイルの迷路脱出ゲームで、白一色の世界を歩き回り、墨汁のようなボールを投げていきます。ボールが壁に当たると、周囲に飛沫が飛び散り、迷路の形状が徐々に明らかになっていくので、脱出の手がかりになる仕組みです。黒一色の世界から、白いボールを発射して入り口を目指す「反転」要素もあります。ただし現状では飽きやすいのが欠点で、この克服が課題ですが、いわゆるゲームらしいゲームにはしたくないのが悩みだそうです。筆者が聞き込んだ限りでは、もっとも人気の高かった作品です。

Ian氏は南カリフォルニア大学に通う学生「今まで見たことがなく、子供たちにも親しめるもの」がコンセプトだ


04:ワールドアイスランジスタ(アンビション/日本)
http://wil.tv/pc/

携帯アプリ専用のオンラインRPGで、ゲームをプレイするだけでなく、遊んだ内容を元に自分だけの絵本が作れます。「ゲーム本編アプリ」「ランジスタお話アプリ」の2つからなり、ゲーム本編では主人公キャラの出身地や、旅先で出会う登場人物、舞台となるフィールドなどが自由に決められます。「お話アプリ」では、プレイ内容をもとに絵本を作って、友達に公開することもできます。ドコモ向け端末でサービス中で、今後は絵本データの製本サービスも予定しているとのことでした。

「ゲーム業界のトランジスタ」のような存在になりたいとのことゲーム本編もあたたかい絵本のような世界観になっている


05 おまえらバランスとってふたご塔を作るゲーム<通称:ふたご塔>(OMEGA/日本)
http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se389966.html

天秤をマウスで操作して、上から振ってくるブロックを左右で受け止め、指定された高さまで積み上げるアクションゲームです。最後に金色の王冠を両ブロックの上にのせると「ふたご塔」が完成し、ステージクリアとなります。個々のブロックには重さや形状が違い、両方がつりあわないと天秤が傾いて崩壊します。作者曰くシューティングゲーム「フォゾン」のリメイクという位置づけで、物理エンジンを導入した、カジュアルなコンストラクションゲームという点がセンスオブワンダーです。

OMEGA氏は趣味ゲーム製作者コミュニティ「GameHell」にも参加している2ちゃんねるのスレッドから生まれたゲームで、「二つの塔」がヒントに


06 PixelJunk Eden(キュー・ゲームス/日本)
http://pixeljunk.jp/

PLAYSTATION Networkで配信中のPS3向けアクションゲームで、植物の世界をテーマにしたアート的な作品です。プレイヤーはグリンプスと呼ばれるキャラクターを操作し、ジャンプとシルク(ワイヤー)でエネミーをかわしながら、生命の源スペクトラを集めていくことになります。最大3人までの協力プレイや、PSPでのリモートプレイなどに対応し、プレイ動画をYouTubeにアップロードすることもできます。映像と音楽は日本人マルチアーティストのBaiyon氏(左)が手がけており、文字通りセンスオブワンダーです。

パーティ会場での出会いが開発のきっかけだったとのことやわらかく伸びる植物の動きやアート風の絵作りが特徴だ


07 ゴミ箱(仮称)(Trash Box チーム:PlayStation C.A.M.P!/日本)

ゲームクリエイターの発掘プロジェクト「PlayStation C.A.M.P!」から生まれたパズルゲームです。上から振ってくるゴミを操作して、ゴミ箱から溢れ出さないように処理していくのが目的となります。堅いものにゴミをたたきつけて粉砕したり、火をつけて燃やしたり、腐食菌を繁殖させるなど、さまざまな手法でゴミを片付けていきます。火や水の表現には流体理論、物が壊れて積み上がる様には物理エンジンが用いられています。現在鋭意開発中で、完成度は1〜2割とのことでした。発売が待たれるソフトです。

チームは5名で、これが初めてのゲーム開発とのことクリア時には環境の汚染度合いで「エコ度」と「エゴ度」も表示される


08 Moon Stories(Daniel Benmergui/アルゼンチン)
http://www.ludomancy.com/

FLASHによるインタラクティブ絵本といった趣の作品です。画面上のキャラクターをマウスで移動させると、その配置によって幾つかのストーリーが展開されます。「I wish I were the Moon」という作品では、月を愛する"StoryTeller"を船上に移動させると、月が去って失恋エンディングとなりますが、少女"Moon"を月の上に移動させると、竪琴を弾いて自分が月になってくれる、といった具合です。テキストやムービーにたよらない、ゲームならではのストーリー体験がセンスオブワンダーです。

作者のDaniel氏はアルゼンチンから参加作者のブログ上には他にもさまざまな作品が公開されている


09 The Misadventures of P.B. Winterbottom(The Odd Gentlemen/アメリカ)
http://winterbottomgame.com/

プレイヤーキャラクターのP.B. Winterbottomを操作して、マップ上のパイをすべて集めるアクションパズルです。プレイヤーキャラクターの移動ルートがゴーストデータとして記録され、ゴーストデータを表示しつつアクションができます。これを利用して一度ではいけない場所に到達したり、パイを集められる仕組みです。ただし自機とゴーストデータが接触するとミスとなります。BEST OF E3 AWARDSの部門賞にノミネートされるなど、米インディーズゲーム界の秀作で、コンソールでの移植も決定しているそうです。

南カリフォルニア大学の学生チームによる卒業制作だ白黒のサイレント映画がモチーフになっている


10 Genocide Automation(佐々木直哉/日本)
http://www11.plala.or.jp/normal/

微生物の集団によるリアルタイムストラテジーといった趣のゲームです。ゲームをスタートすると、赤と青の集団がお互いを捕食するかのように動くので、マウスでカーソルを操作して攻撃的・防御的の切り替えを行い、相手を全滅させていきます。群知能の考え方を取り入れており、シンプルなAIアルゴリズムで生物的な動作を実現しています。既存のRTSに見られる、ユニットが増えると操作が面倒になったり、処理が重くなったりといった欠点を克服することがコンセプトとのことでした。

「エイジオブエンパイア」のファンで、熱中のあまり留年したこともあるとか細菌や微生物のような動きが美しい


10 ナノスマイルズ(岩井悠/日本)
http://www.freem.ne.jp/game/win/g01665.html

「微生物の群れで戦うシューティング」がコンセプトのゲームです。マウスで自機を操作するのですが、自分ではロックオンしかできず、攻撃は子機が担当します。自分は物陰に隠れて、子機に攻撃させるなどして、間接的に攻撃するのがセオリーで、マップ上の敵を全滅させればクリアです。子機の動きには「鳥の群れシミュレーション」理論が応用されています。プレイヤーに顕微鏡の世界を泳ぎ回り、群れを自在に操るといった、非日常的な体験をさせたいとのことでした。

自ら「ボコスカウォーズです」と語る岩井氏顕微鏡の世界でシューティングが楽しめる


本イベントは米GDCで2002年から開催されている人気セッション「Experimental Gameplay Workshop」に大きな影響を受けています。2004年度は「モジブリボン」「塊魂」などもプロトタイプが発表されており、2005年度の「ラグドールカンフー」は、開発チームがSCEの目にとまり、「リトルビッグプラネット」に引き継がれるなど、高い功績をあげています。

http://experimental-gameplay.org/

プレゼンテーションが終わると、選考委員から寸評が行われました。選考委員の一人で、「塊魂」で知られるバンダイナムコゲームスの高橋慶太氏は、「東京ゲームショウは8年くらい来ていません。来てもつまらないからです。でも、今日は久しぶりに楽しかった。僕も負けないようにがんばりたいと思います・・・ほめすぎですけど」とコメント。司会を務めた新清士・IGDA日本代表の「来年も開催した方がいいと思う人!?」という問いかけには、会場の全員がピコピコハンマーを振って賛同するなど、熱気さめやらぬままに終了となりました。

選考委員。左から▽高橋慶太氏(バンダイナムコゲームス)▽Simon Carless氏(インディペンデント・ゲーム・フェスティバル委員長)▽片山崇氏(ベルクス)▽杉内賢次氏(エンターブレイン)
《小野憲史》

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