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【CEDEC 2008】PS3のナルトの開発手法をサイバーコネクトツーの松山社長らが紹介

CEDEC 2日目の14:50〜は、PS3向け『NARUTO: ULTIMATE NINJA STORM』の開発を担当するサイバーコネクトツーの松山洋社長と同社グラフィック サブリーダーの下田星児氏が登場。「超シネマ型次世代アクション PS3『NARUTO: ULTIMATE NINJA STORM』におけるアートワークと制作技法」と題したセッションが行われました。

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CEDEC 2日目の14:50〜は、PS3向け『NARUTO: ULTIMATE NINJA STORM』の開発を担当するサイバーコネクトツーの松山洋社長と同社グラフィック サブリーダーの下田星児氏が登場。「超シネマ型次世代アクション PS3『NARUTO: ULTIMATE NINJA STORM』におけるアートワークと制作技法」と題したセッションが行われました。



タイトルにもあるように本セッションでは『NARUTO: ULTIMATE NINJA STORM』というキャラクターやアニメ的技法を大事にするタイトルにおいて、「キャラクター」「シェーディング」「モーション」「フェイシャル」「背景美術」など各項目にてどのような表現手法が取られたかが具体的に解説されました。

例えばシェーディングにおいては、モデルにセルシェードをかけただけではリアルさが残りアニメ的にならないので、凹凸を低減、特に目元は平坦にするといった工夫や、モーションではフリーボーンを活用することで、関節構造にとらわれない速度によるしなりなどの誇張表現を実現したことが紹介されました。また、フェイシャルではリアルな人間表現では頬や鼻元を重点的に制御する必要があるのに対して、アニメ的表現では目元、口元を重点的に表現する必要が紹介されました。

またセッションでは、ライセンス作品を扱うデベロッパーにとって有益な情報もありました。例えば、映像演出の制作では次のようなフローが取られたそうです。「文字コンテンツ」(システムのすり合わせ、演出要素、物量出し)→「ディレクターチェック」(松山氏)→「絵コンテ」(演出内容、スケジュール調整、必要素材洗い出し)→「ディレクターチェック」→「アニメ会社」(スタジオぴえろ、監修、アニメ設定確認)→「映像仮組み」(カット、尺決定)→「ディレクターチェック」→「集英社監修」→fix このように各段階で内部のディレクターによるチェックを挟むことで、最終的な修正を減らすことができたそうです。また、ディレクターの"ぶれ"も作品を重ねる毎に減り、これによって版権元の信頼も得ることができたということです。

松山氏からは受託開発という立場でゲームを制作する際には、毎月クライアントに成果物を提出し、安心してもらうと同時に、大きなズレがないかどうか確認することが重要だというコメントがありました。プロトタイプの段階でも、ゲームの各部の方向性について、毎月それぞれの動く様子を納品していたそうです(実機で動くか動かないかは別にしても)。



プロジェクト全体の人数構成も明らかにされました。プログラマ12名、エフェクト3名、モーション8名、背景8名、映像演出6名、UI 3〜2名、イベントシーンスクリプター&デザイナー5名、サウンドチーム3名、といった構成で、中でもモーションと背景は人数的には全然足りないという状態だったそうです。

最後に下田氏は『NARUTO: ULTIMATE NINJA STORM』の開発を振り返り、「PS3はどこまでも踏み込めるので、ゴールの見えない戦いになりがち。早期に表現コンセプトを決定し、技法を選択。最終形が見えた状態で制作に取り組むべき」という考えを披露しました。また、サイバーコネクトツーには「ナルト」を始めとして膨大なマンガや雑誌、DVDといった資料のライブラリがあり、クリエイたーとして生きるものは常に新しいものを吸収するべきとしました。
《土本学》
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