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今どきゲーム事情■HOUKOU:カードゲーム新時代、王者「三国志大戦」に迫る新たな刺客たち 〜『悠久の車輪』『ロードオブヴァーミリオン』プレイインプレッション〜

■王者に食らいつく?アーケードを巡る覇権争い勃発か

ゲームビジネス その他
今どきゲーム事情■HOUKOU:カードゲーム新時代、王者「三国志大戦」に迫る新たな刺客たち 〜『悠久の車輪』『ロードオブヴァーミリオン』プレイインプレッション〜
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■王者に食らいつく?アーケードを巡る覇権争い勃発か

『三国志大戦』シリーズと言えば、2005年に全国のゲームセンターで正式稼動が始まって以来、未だに大きな人気を誇るカードによるアクションを採用したリアルタイム戦略シミュレーションで、アーケードゲームにおける看板タイトルの一つと言えます。基本的に操作は盤面に置かれた武将カードを動かし、カードの置いた位置へ武将を移動させるだけという非常にシンプルなシステムながら、それだけの操作で数多くのアクションを生み出す事が可能なゲームとなっており、ほとんどの動作が直感的に行う事ができるのが特徴と言えるでしょう。また、全ての武将カードには有名漫画家や、有名絵師により描かれた三国志時代の有名武将達が数多く存在する事も魅力の一つと言えます。

現在では、流石に稼動直後のような大混雑は見られなくなってきており、大流行な状況では無くなっていますが、まだまだ多くのユーザーに支持されています。筆者も現役でちょくちょくと遊んでいるそんなユーザーの1人ですね。

さて、しばらくは対抗と言えるゲームも余り出ず、王者として三国志大戦が君臨する日々が続きました。昨年度にようやく似たようなカードアクションを用いた『機動戦士ガンダム カードビルダー』シリーズやや『アクエリアンエイジオルタナティブ』と言ったタイトルも出てきましたが、前者も後者も既にある世界観を用いたどちらかと言えばファン要素を過分に含むもので有り広く大衆的に評価されるという感じのタイトルではなかったため、最終的に『三国志大戦』の牙城を揺るがす程の物ではなかったと言えます。客を取り合うというよりは、住み分けを行い共存していくという感じでしばらくは推移しました。そんな世界に今年度になり、いよいよ本格的に『三国志大戦』を強く意識していると思われるオリジナルタイトルがスクウェアエニックス・タイトーより登場することとなります。


■新たな刺客『悠久の車輪』と『ロードオブヴァーミリオン』

スクウェアエニックス・タイトーの共同開発において『悠久の車輪』、そして同じくスクウェアエニックス単独としては『ロードオブヴァーミリオン』という新たな競合ジャンルのの2タイトルが投入されました。

『悠久の車輪』と『ロードオブヴァーミリオン』


『悠久の車輪』はスクウェアエニックスの作品等で有名なイラストレーターがカードを描いている事もあり、『三国志大戦』に対するキラータイトルとして、期待されて春先に登場しました。ゲーム内容的には、それぞれのカードを用いて移動させ、敵と接触すれば自動的に戦闘状態となる『三国志大戦』と似たようなシステムを採用しつつ、マップ上にエレメンタルを配置することにより魔方陣を形成し、その魔方陣の力により巨大な召喚獣を召還し、敵の魔道士を攻撃しHPをゼロにすることを目標とする非常にシンプルなゲームとなっています。設置しているエレメンタルの数が多ければ多いほど(最大でマップ上に配置できるエレメンタル数は6個)、そして魔方陣の面積が大きければ大きい程、より力のある状態で召喚獣を召還する事が可能となっています。魔道士には、通常ユニットでも一応ダメージは与えられますが、召還獣と比較すると圧倒的に効率が悪いため、基本的に召還獣の召還を目指すことになります。特に難しい操作等はないため比較的誰でも簡単にルールを把握できるのが特徴でしょうか。少しプレイした雑感等も踏まえますと、ゲーム展開は『三国志大戦』のそれと比較しても割とゆったりであり、システムの分かり易さも含めライトユーザーをメインの対象に据えた作品と言えるでしょう。

もう一方の『ロードオブヴァーミリオン』は、6月の中旬にゲームセンターにて稼動が始まったばかりの最新作です。こちらも、非常に有名な天野喜孝氏を始め、スクウェアエニックスの作品等で有名なイラストレーターがカードを描いています。ゲームシステムとしては、デッキとしてコストの許す範囲で登録されたカードの中からプレイヤーカード1枚に使い魔カード3枚の最大4枚までによるパーティーを構築し、マップ上に点在する対戦相手のアルカナストーンと呼ばれるものを制圧し、アルカナストーンゲージと呼ばれるライフのようなものをゼロにする事を目的としています。この辺りは、『三国志大戦』の城ゲージや、『悠久の車輪』の魔道士のHPに相当するものとなっています。また、このアルカナストーンゲージは使い魔が倒されることによっても減少します。『三国志大戦』や『悠久の車輪』と大きく異なる点としては、パーティー単位で行動する事が基本であり、通常の移動に関してはレバーを採用している点でしょうか。画面上の個別カードの移動自体は変わりませんが、カードで動かせる範囲はあくまでパーティーとして行動可能範囲内に限られています。そのため、どちらかと言えば大まかなメイン移動はレバーで行い、個別の隊列や向きの調整等その他細かい操作に関してカードで動かす事により対応するスタイルとなっています。そのため、操作感覚としてはかなりアクションRPG等に近いものを感じました。内容としては、システム的に複雑な要素も多く、また非常にスピーディーであるため、上記の『悠久の車輪』と比較すると、よりコアなゲーマーを意識している感じが伺えると言えるでしょう。

迫力の映像も


■ということで、実践あるのみということでゲームセンターに特攻してました編

『悠久の車輪』については、上記で述べている通りに非常にシンプルなゲームで、基本的なカードの操作等は『三国志大戦』と共通する部分も多く、比較的にすぐ馴染む事が出来ました。ぱっと見た感じでは、敵陣深く切り込みエレメンタルの設置や、エレメンタルの破壊を効率よく行う必要があるため、機動力の高いユニットが必要と判断し、とりあえずリサイクルボックスからそれっぽいカードを回収しつつシナリオモードで遊んでみる事に。ゲームシステム上、「陣取り」的要素がメインであるためか、ユニット同士が接触しても戦闘をしているという感触が『三国志大戦』と比較すると非常に薄い事等もあり、操作がピッタリと止まってしまい、気付くとキャラクターが次々撤退を繰り返し、あららと思いつつも流石に序盤のシナリオは難易度も低いおかげで初プレイはなんとか勝利。次以降のゲームは流石に勝手が分かったのとシンプルなゲーム性のおかげで、かなりスムーズに勝てるようにはなりましたがやはり初プレイというものは難しいなぁと実感しました。さて、ゲームとしては、ルールが明確で非常に分かりやすくプレイしやすいという意味で遊びやすいゲームではあるのですが、苦言を言うならばあまりにもシンプル過ぎるという点でしょうか。『三国志大戦』における計略的要素もきちんと存在しますが、カードアクションとしてはかなり劣るため、『三国志大戦』のカードアクション的操作に慣れた人から見るとかなり物足りない印象を受けました。なるべくシンプルにというコンセプトは分かるのですが、カードアクション面を優しくするならば、個人的にはもう少し戦闘に影響する戦略、戦術面でのシステム的サポートが欲しいなという印象です。ただ、ゲームセンターにおけるカードゲームのリアルタイム戦略シミュレーションゲームの入門編と考え、ライトユーザーに的を絞るのなら、これで良いのかもしれません。

次に『ロードオブヴァーミリオン』ですが、まだ稼動直後と言う事もあり全国的にこれから広まっていくという段階であるため(普段良く行くゲームセンターへの入荷は月末との事でした)普段は行かないゲームセンター等に足を運び実際にプレイしてみました。上記で説明している通り『三国志大戦』や『悠久の車輪』とは違う操作体系であるため、まずはチュートリアルをしっかりと見る事に。チュートリアル自体はかなり長めで、説明の合間毎に実際に操作する形式となっており、この辺りは流石の親切設計と言えそうが、全体的に覚える事が多い印象で正直に言って、1回目では全てが頭に入りませんでした・・・という事で後は実践しつつ覚える事に。相変わらず初回プレイは酷い内容で、最初のシナリオに関してもパーティーを自由に動かせないような状況であり、画面上方向に全体を移動させようとして、全カードをえいと前に出しつつ、数秒後に過ちに気付くということを幾度と繰り返しつつもなんとかクリア。そして、次のステージのボス戦でも似たような状況でなんとなく操作に馴染んで来たかなという頃には、既に大ダメージを受けており、取り返しのつかない状況に。結局、そのままボスに粉砕されるという体たらく。これはいかんと、次回プレイでは冷静にパーティメンバーの使い魔を見直し、どのカードがどんな特殊技を持っているのかカードの裏面を確認し、特殊技を有効に使えるように記憶。。そして、システム面の考慮では使い魔やプレイヤーキャラクターには基本的に自分の正面に攻撃範囲が存在するので攻撃範囲の頂点が全員重なるように隊列を調整しつつ、出来るだけ真正面から敵にぶつかることは避け、ぎりぎり当てては引くを繰り返すような操作をし無駄な被害を出さないようにしつつ被害が出たらすぐに引いて体制を立て直すことを意識することにした上で、再度挑戦。今度は比較的余裕を持ってボスを撃破するところまでプレイ・・・という感じで結構楽しみながら遊ぶ事が出来ました。基本的には良くできたゲームで思ったよりもシステムもしっかり考えられているなぁという印象は受けたのですが、やはりある程度ゲームとしての欠点的な部分も見えてきました。まずは、『悠久の車輪』でも指摘しましたが、カードアクションの弱さでしょうか。レバーによる操作が介入してくるため、実際のカードを動かす機会がどうにも減ってしまう印象で、その分の直感的な操作の面白さが減少しているように感じました。また、ゲーム内には使い魔毎にも多数のパラメータがあり、また装備品的な要素もある等どうにも固有で覚えなければならない要素が多すぎるため、人によっては面倒に感じてしまうかもしれません。アーケードゲームという、そしてカードを操作するという特性を考えるのであれば、レバー操作の要らないような操作体系にしつつ、システム面では『悠久の車輪』のようにシンプルになるような整備をした方が良いのではというのが個人的な筆者の意見です。ただ、その反面として、『三国志大戦』や『悠久の車輪』と比較し、アーケードゲームとしての依存度がかなり低いという事は、その他のプラットフォームへの展開が可能と言え、今後家庭用ゲーム機向け等に移植される可能性が最も高いタイトルと言えるかも知れません。勿論、今のままでも十分面白いですが、プラットフォームを変更した方がより輝き、そして評価されるのではと筆者としては考えます。そうなれば、上記で上げた問題点は概ねクリアできますので、リアルタイム戦略シミュレーションいうならばRTSとしては十分合格点を出せると思います。

さて、一通りそれぞれのプレイをゲームした総評で言うならば、王者『三国志大戦』という図式は変わらないものの、荒いながらも魅力のある『悠久の車輪』や、『ロードオブヴァーミリオン』は新たな可能性を示したように思えます。『三国志大戦』の単純なカード操作で奥深い操作技術とを生み出すことができるゲームシステム自体は既に登場した時点でほぼ完成系と言えると思いますが、その土台で勝負せず、ゲームシステム的な面で勝負をした事は評価できると思います。課題も多く有りますが、今後のバージョンアップや、新作の登場により期待を持ちたいと思います。



■その他RTSニュース

8月上旬に行われる予定の『WCG2008アジアチャンピオンシップ』において日本代表選考会が行われることが決定致しました。詳細については、『WCG2008日本予選公式ウェブサイト』にて記載されています。選考に関しては、実際のゲームを用いた予選ではなく面接により行われるようで6/27まで応募者を募っています。既にこの記事を皆さんが御覧に成られている時には締め切っていると思いますが、RTSの競技としては、『DOTA ALL-STARS』を5名募集しています。この『DOTA ALL-STARS』に関しては、恐らくご存じない方もおられると思いますが、基本的には『WarCraftIII』のカスタムマップ機能を利用して作られた、カスタムシナリオとも言うべきものです。これが競技として選ばれる事を意外に思われる方もおられるかも知れませんが、海外では『DOTA ALL-START』は非常に人気があり特に『WarCraftIII』そのものよりも好んで遊ぶプレイヤーもいる程で高額な賞金付き大会も開催される等立派に競技として認知されています。誰が代表として選ばれるのかはまったく未知数だと思いますが、日本人プレイヤーの活躍に期待したいと思います。

・・・実は、すこーしだけ選考会に応募しようと思ったのは秘密です。


■筆者近況等

暑い日々も続きいよいよ、夏という感じになってきました。そのせいか、実は6月頭に大きく体調を崩してしまい、でも仕事は休めないという感じで無理をしていたら、直るまで3週間近く掛かってしまいました。昔だったら、もう少し無茶しても大丈夫だったと思いますが、流石に歳を取ってきたのかなぁと感じてしまう今日この頃です。そんな私的な平凡な日々にあっても、RTS世界は日々変動していますが、今年は『WCG2008アジアチャンピオンシップ』の選考会が開催される等大きな動きが見え始めました。ここ数年、日本からの世界的なイベント参加は停滞気味であったので、このような新たな動きが見えるのはとても歓迎したいところです。

後は、本文中でも触れている『三国志大戦』についてですが、8/7にDS版最新作の『三国志大戦・天』がリリースされるようで個人的には購入予定です。前作の『三国志大戦DS』は操作面にやや難があり、また仕様的な面で大きく通常の三国志大戦シリーズとは異なるところがあったので、それらが改善されていると期待しています。また、お隣中国では『三国征戦』(リンク先中国語)という、『三国志大戦』の派生シリーズと思われる物のサービスがまもなく始まるようで、現在クローズβの真っ最中のようですね。好評であれば、その内日本でもサービスが始まるかもしれませんので、こちらも期待して待ちたいと思います。しかし、『三国志大戦』シリーズは本当に話題に事欠きませんね。昔からPCのRTSを色々とやってる身としては羨ましい限りです。・・・ただ、願わくば、もう少しゲームセンターでのプレイ料金の方を下げることを意識して頂けないかなぁと思いながら、自分の寂しいような気がしないでもない財布を見つつ、今回はこのぐらいで失礼致します。
《HOUKOU》
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