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『アルキメDS』西健一&橋本長官インタビュー!(第二回)

任天堂 DS


7月19日に発売されるニンテンドーDS向け『アルキメDS』を制作中のRoute 24の元・カリスマクリエイター、西健一氏と、猿楽庁の橋本長官にお話を聞くことができました。さてさて第二回。お二人が出会ってから『アルキメDS』が発売されるまでどんなエピソードがあったのでしょうか?

インタビュー第一回




―――それでは、お二人が出会ってからここに至る経緯、『アルキメDS』を作るようになるっていうのはどういう流れがあってなんでしょうか?

西健一: 僕ってよく飲みに行くんですよ。自分は嫌いだけど、お姉ちゃんのいるような店にも連れて行かれるじゃないですか。でも何とか楽しもうと思って、テーブルの上にあるコースターに鉛筆持って、こんな絵描いてよ、とか、じゃあこれは何でしょう? とかして良く遊んでたんです。その前にも友達と飲みに行くと紙と鉛筆だけ用意して、その場のノリと勢いだけで遊ぶようなことをよくやってて、そこで生み出されるコミュニケーションって凄く面白いんです。 それでニンテンドーDSが出た時、絶対これアリだ!、って思ったら『ピクトチャット』が入ってたんですね(笑)。ああ、やられちゃったなと思ったんだけど、やっぱり『ピクトチャット』はチャット用の機能で、大喜利で遊ぶことには特化されてないじゃないですか。それを皆に話したら面白いって話になって、ちょうどラブデリックから分かれたバンプールが『もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド』を作って終わった時期で、「面白い企画があるからやってくれない?」って話をしたら乗り気だったんだけど、ちょっとタイミングの問題で決まらずに、何社かに話を持ち込んで聞いてもらいに行きました。でもそこで皆に言われたのは「一人プレイができないと・・・」って話で、でも大喜利が一人で出来る必要はないからって意見が真っ向から対立しちゃうんです。対案として一人プレイを入れましょうというのは普通の考えなんだけど、そうやって色々な機能を入れて薄めていくよりは、そのままでドンといった方がいいんじゃないかと思ったんです。そうなればもう自分で作るしかないという思いになって、それをブログに書いたら、長官から「どした?」って電話があったんです。それで相談したら、じゃあちょっと飯でも行こうって話になったんです。だから、そんなに頼んで一緒にやってる覚えもないんだけど(笑)、ここにいるっていう。
橋本長官: いるね、気づいたらいる、そんな感じ(笑)。

―――何か惹かれた部分もあったんでしょうか?

橋本: 惹かれたというよりね、困った人を助けるのが好きみたい(笑)。今までにないものを多分作る男じゃない? ありきたりなものを作るのが大嫌いだから。そこには乗りたいっていうのがあるんじゃないかな。だから一緒にやってみたいと思ったんだろうね。大喜利だろうと、それが他の何であろうとね。
西: わりと当時の事を覚えてるんだけど、バンプールさんに頼もうとしたけどタイミング的に駄目だって話で、こうこうこういう大喜利みたいなゲームを作りたいんですって話して、その時からビジョンは固まって何も変わってないですね。長官も、それ面白いねって言ってくれて。橋本さんも色々人の集まる場所によくいる人だから、こういう風にした方が良いよ、とか、伝言ゲーム的なこともできるんじゃない? ってアイデアが次々に出て意気投合して、具体的に当時3箇所あったスキップの事務所の中の、僕が抱えてた恵比寿のスタッフに声をかけて、開発スタートということになりました。そこには血みどろのエピソードがあって・・・。
橋本: 本当にね。
西: みんなに召集かけて、ざっくり話をしてたら、いつ発売とか、どこからリリースとか、そういうのは関係なく、ちょっと自分たちで作ってみようという話になって、1回集まったんです。橋本さんと僕とグラフィックのヒカリン、プログラムの金谷と、サウンドの谷口で集まったんです。それで話をしていたらみんないいじゃんって言って、そのくらいのボリュームなら空いた時間でできるっていう話になったんです。それで誰かが実際に大喜利みたいなのはやったことがないからって言うんで、口で説明しても分からないから実際にやってみようと。紙を手で切って、ペンも用意して、じゃあ始めようって所でサウンドの谷口がガシャーンってコップを割って、割れたガラスで手を切っちゃって、全然血が止まらなくなって・・・。お店の人がおしぼりを何個も持ってきてくれて、何とか血を止めながら大喜利をやってるんだけど、そんな雰囲気じゃなくて。全然楽しくない。1発目からアゲインストな風吹きまくりのスタートでしたね(笑)。
橋本: 僕はちょうど出張で札幌から帰ってきて、羽田から恵比寿に直行して、遅れて行ったんだけど、入ったら真っ赤なおしぼりが一杯あって・・・。もう「どっちが殴った?」ってなくらいの修羅場で、「今日何するんだっけ?」みたいな(笑)。
西: でも、まあ痛いのは取れて血も止まって、谷口も面白いじゃんって言ってくれて、ちゃんと皆が大笑いするような空間が作れたから、とりあえずやってみようと。それが始めるきっかけで、去年の7月だから1年前ですね。

―――それじゃあ、手応えというか確信みたいなものはあったわけですね

橋本: 僕はありましたね。
西: 僕は自分でやってた遊びだから少なくとも僕は面白いってのはありました。ただ、面白い人も面白くない人も居るだろうというのも分かってて。例えば僕はよくカラオケに行って歌うんだけど、自分から誘ったことは一度もないんですね。というのはあんまり好きじゃないんです。でも、面白さもあるし、分かります。それと同じで、好きな人も居れば、嫌いな人も居るだろうと。それにただ与えられるだけのゲームと違って、言ってみればステージに上がるようなハードルの高さがあって、それが嫌、ちょっといいです、って人には全然面白くないと思うんです。だから人を選ぶなってのも最初から分かってました。けど分かる人には絶対面白いっていう確信もありました。ただ、人に色々と説明する段になると、1人プレイなしで売れるわけないじゃんとか、こんなの誰が買うのかって。
橋本: 紙と鉛筆だけでいいじゃん。
西: そうそう、紙と鉛筆があればいいじゃんって凄く言われて、それよりも、制限時間が来るとか、音が出るとか、答えをオープンにする瞬間とか、クイズ番組の司会者になるような面白さがあるじゃないですか。だから紙と鉛筆よりも面白くなるって言っても、いや、紙と鉛筆でできるんだからそれでいいじゃん、って言われたりして途中からは腹立ってきちゃって。そいつらにはもう遊んでもらわなくてOKっていう風に、ずっと思ってます。今でも。だから万人に買っては欲しいけど、どなた様でも楽しめます、っていうのは無理があると思ってます。
橋本: まあ、そこがバトルのとこやね。
西: カラオケを皆にやろうって言ったって、嫌な人はやらないじゃないですか。それと同じくらい人を選ぶと思うんですよね。長官は、別にこっちから人を選ばなくても、広く行こう広く行こうと言うんです。僕は、広く行こうとすると取りこぼすところがあるから、狭く濃く行った方がいいって言って、もう絶対相容れないんです、これが。

―――長官はそのあたりいかがですか?

橋本: いやいや、狭いのはいいのよ。大好きな人がやったらいいと思うし、その人達から広まっていくものだと思うし。それが狭いところの人にしかプレイできないものだとしたら、そこに行くしかないじゃない。でもガンダムのゲームを、ガンダムを知らない人に買ってくれと言ってるわけじゃなくて、色々な遊びができるものだから、子供が遊んでもいいし、お年寄りが遊んでもいい、こんな遊び方もある、こんな遊び方もある、っていう風に言った方がいいんじゃないかというのが僕の考えなのね。だから、ここを外したらあかん、この深いところは外したらあかんけど、もっと他のところも広く告知していくなり、遊んでもらって広めていくのがいいんじゃないかと思ってるんです。それが違いっていう部分で、どっちが正しいとか間違ってるってということでもないから、今は両方の考えでやればいいんじゃない、ってことになってるんだけどね。


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《土本学》

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