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【インサイド×ガンバリオン】 「代表質問」ゲームディレクターに聞いてきました!(最終回)

一月ほど前にiNSIDE内で応募いたしました「インサイド×ガンバリオン特別企画代表質問〜ゲームディレクターに聞いてきます」、遅くなりましたが今回skypeを利用してインタビュー形式で行うという実験的な方法を試みてみました。皆様から頂いた多数の質問について、『ワンピースアンリミテッドアドベンチャー』開発スタッフであるサブディレクターの吉田秀治氏と、プランナーリーダーの山内正志氏、そして広報の當房浩一氏にお訊きしてきました。

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一月ほど前にiNSIDE内で応募いたしました「インサイド×ガンバリオン特別企画代表質問〜ゲームディレクターに聞いてきます」、遅くなりましたが今回skypeを利用してインタビュー形式で行うという実験的な方法を試みてみました。皆様から頂いた多数の質問について、『ワンピースアンリミテッドアドベンチャー』開発スタッフであるサブディレクターの吉田秀治氏と、プランナーリーダーの山内正志氏、そして広報の當房浩一氏にお訊きしてきました。

それでは最終回です。



―――では、ゲームの内容についても少しずつ触れていこうと思います。まず、「ロビンの花鳥風月についてなんですが、まれに攻撃が発動しないことがありますが何か条件があるのでしょうか。そしてこの技はゲームオリジナルのものですか」とのことです。
山内 確かにたまにクリーンヒットしないことがあります。厳密には当たってないって事ですね。ちょっと当たりにくい技にはなってます。あと、これはゲームオリジナルの技になります。
―――ロビンも結構凄いキャラクターですよね。こんなに強くていいのかっていうぐらい(笑)。
吉田 アレを再現して良いのかどうかは悩みながらやってましたね。でもやらないかんよなぁって話になって。目の前の敵を全部攻撃ってメチャクチャですよね(笑)。
山内 バランスが良くてもロビンらしくないとしたら、それでもうファンの人には喜んでもらえなくなると思うんです。だからまずはロビンらしく作ろうと、いうことで性能を先に決めて、バランスはあとから取れればいいなと。
―――実際反則的な強さですけど、一発一発の攻撃力自体はそんなに高くないんですよね。
山内 そうですね。ボス戦でそれほど強いキャラではないです。雑魚に対して強いってのは原作そのままなので、やっぱりそれを出した感じですね。
―――ちなみにみなさんのお気に入りのキャラってありますか。
山内 自分はウソップが使っててやっぱり楽しかったですね。弱点のありっぷりが(笑)。
―――ウソップでポインタを使ってみるとかは考慮されてたんでしょうか。
山内 一応案では挙がったんですけど、一度ポインタを使おうとするといろんな所に使わなきゃいけなくなるので、そこは統一性のために今回は見送ることになりました。
吉田 私はナミが結構好きでしたね。ダーククラウド=テンポを置いたりとか、ちょっとトリッキーなことをするのが面白いキャラになってます。ベタですけどルフィが普通に面白くて、それを除くとナミのああいうトリッキーなところが良かったですね。
當房 私は立場的にタダのイチヘボプレイヤーなんですけど、ロビンがやっぱり下手くそなプレイヤーでも雑魚を一掃できたので面白かったですね。なので先にロビンだけすぐレベルが上がっちゃって、それでそろそろ他のキャラをってチョッパーを使いはじめたんですけど操作性が全然違うので厳しくてですね(笑)。ただ途中から試験管を投げられるようになると凄く面白くなるんですよ。ここまでキャラごとにプレイ感が変わるのもないなってところで、ロビンとチョッパーがその極端な例で面白かったですね。
―――チョッパーといえば"あの変身"がびっくりしましたよ(笑)。ネットで見つけて知ったんですけど。
山内 あれは見つけられるとは正直思ってなかったんですよね。取りあえず最初、敵としては出そうと準備してたんですけど、やっぱり変身できないとダメですよねっていつものパターンで…。
吉田 あと驚かせたかったんですよね。何十人かに一人がみつけてくれれば嬉しいなぐらいの感覚でした。
―――自分で見つけた人はそりゃビックリしたでしょうね(笑)。
山内 多分友人とかに話しても信じてもらえなかったんじゃないかと思います(笑)。
當房 私開発に聞きに行きましたよ。「ネットになんかこんなこと書いてありますけど、ガセでしょこれ」って。
吉田 ゲームは驚きがあってこそですから。
一同 (笑)
山内 あとピンチになって必殺技で使うってのもやっぱり違うだろうなと思って、原作中で見せたようにホントにやばいときだけ出すってところを再現したかったんです。
―――あれは良くできた演出だと思います。では、次の質問。「キャラクターの選出はいったいどういった基準に基づいて行っているんでしょうか。バギーやクロがいないのが残念でなりません」とのことです。
吉田 申し訳ありません(笑)。
山内 もちろん基本的には全員出したいんですよ。ただ、今回は過去のシーンがフラッシュバックしてくるっていうのがストーリーのメインになってたので、ストーリーの選出に登場キャラクターの選出も影響を受けてます。それでも出せるだけ出したかったので、出せそうなキャラを上から順番に選んでいって、これ以上はもう出せないです、っていうところまでは持って行ってます。本当はもうちょっと出したかったキャラも何人かはいましたけどね。
―――では、これは僕もお訊きしたいんですけど、「虫が捕まえられません。いつも逃げられてしまいます。何かコツはありませんか」とのことです。
山内 虫は距離感と、あと何かモノがあってキャラクターがそれに触れると音で逃げちゃうこともありますね。なので草むらの中にいるヤツとかはちゃんと草を避けながら近づかないと、触った瞬間にカサカサって音が鳴って逃げちゃいます。
吉田 あとは虫の背中から捕まえるように振るのがいいですね。右を向いているようなら左からとか。虫たちは目の前を見ていたりするので、近づくときも目の前からは近づかないようにしてください。地味にそういうところも作り込んでるんで(笑)。
山内 確か虫の死角も一体ごとに設定してあったと思います。かなりデータ的には凝った作りになってますね。
―――というとは虫によっても捕まえやすいのと捕まえにくいのがあるということですか。
吉田 そうです。ゴールデンヘラクレスはわりと難しかったり…。ただあれ木にとまってるからまだ楽なのかな。物音と、目の前に何があるかを虫たちはよく見ているので、物音を立てないように死角から近づく、と良いです。まぁ虫を捕まえるための基本ですね(笑)。
―――こんな質問も来ています。「どうやれば達成率が100%になりますか。」
山内 正直、達成率100%にたどり着ける人がこんなにたくさんいるとは思わなかったですね。ある意味あの達成率は挑戦でもあったんです。クリアするまでの達成度って結構低くて、そのあとにいっぱい遊べるモノを用意していたので、ストーリーが終わったから終わりっていうよりもユーザーさんが満足して終わってくれればいいなと。
吉田 でもそう思ってたら割とみんな100%を目指してて。
山内 そうなんですよね。3回100%を取ったって人がいてですね、謝りたくなりましたもん(笑)。
吉田 どうやったら100%を取れるのかと聞かれるともう頑張れとしか言いようが無いというか…、遊んでればいつかは100%になると思います。
山内 あまり数字は気にせずにやってもらえると有難いかなぁ(笑)。
當房 最初の頃、ホームページに20時間プレイして10数%の写真を出したときに「これは間違いだろう」って言われてたんですよね。割と本当だったっていう(笑)。
―――社内の人でも100%に出来なかった人とかいっぱいいるんじゃないですか?
吉田 みんな結構クリアはしてるんですけどね。
當房 2回目をプレイしてるってのも結構聞きますよ。
―――では次は「今回の開発にはどれぐらい時間がかかりましたか」との質問です。
吉田 1年前のE3には出展してたので、その前ぐらいですね。1年半はいかないかな、というぐらいです。
―――開発自体はそこまで長くはなかったんですね。
山内 そうですね。
當房 でも構想から入れると長いですよね。3年くらいはありましたよね?
吉田 構想自体は長いんですよね。ずっとアドベンチャーを作りたかったし。『グラバト』を見直してもらえればわかるんですけど、バトルゲームなのに宝箱を持ったり木箱を持ったりして、アクション性が高いんですよね。元からワンピースはガチガチの格闘ゲームじゃなくてそういう方向性だなってイメージだったんです。やっぱりウソップは物陰に隠れてみたり逃げ回りながら戦いたいですよね。なのでずっとそこからのイメージの集大成なところがあるんで、構想ってのは長いかもしれませんね。
―――ではちょっと抽象的ですが、「良いゲームを作るには何が必要だと思いますか」という質問です。
吉田 良いゲームを作るためには何が必要か…。誰のために作ってるかってことでしょうかね。自分たちが作りたいものを作るんじゃなくて、ユーザーが誰で、その人にどうやったら喜んでもらえるかっていうイメージがまずあって、それに対してどれだけ愛情を注げるかってのがあるかなぁと。
―――例えば今回の『OPUA』だとキャラゲーですから、ワンピースの好きな人に対して全力で、っていうことになりますよね。
吉田 そうですね、特にそこが大きかったのと、あとはワンピースを知らない人にも「ああ、面白いねこのゲームは。ワンピース見たくなったよ」って言ってもらうのも大きな狙いでしたね。
―――今回もこちらにひとつ、「アラバスタ篇までしか読んだことがなかったけどゲームをプレイしてすぐに全巻購入しました」という感想が届いてました。
吉田 そう言ってもらえるとメチャクチャ嬉しいですね(笑)。やはりワンピースは面白いものだと私たちは本気で思ってるんで、今まで色々とお世話になっているということもあって、出来るだけ恩返しをしたいんですよね。それは『グラバト』の時からずっと頭にあって、今回もそういった気持ちが大きいんですよ。久しぶりに読み直しましたって感想なんかも凄く嬉しかったですね。
山内 過去の名シーンとかを入れたのって、大体そういう目的でもあるんですよね。思い出してくださいよ、こんな良い話あったでしょうとか。
吉田 連載10周年にもなりますからね。
―――ああ、もうそんなになるんですね。では次は、「皆様のワンピースの一番好きなエピソードは何ですか」という質問です。
山内 一番好きなのはナミの話ですね。ナミは結構早い段階から出てるのに謎のキャラクターで、本当に仲間になるってのが割と後の方に設定されてるんですよね。その過程とかを含めたエピソードが一番好きです。あとすごい小さいというか、読者が気づかないようなところまで尾田先生が入れてくる色々な伏線とか小ネタが凄い好きでですね。
吉田 私はまずメリーとの別れ、アレはもうダメですね、何度読んでも泣きます(笑)。アレ読んだ日は仕事中もホント大変で…(笑)。もうひとつは細かいんですけど、モンブラン・クリケットのオヤジさんとの別れのシーンが凄く好きなんですよね。ルフィが金を取り返してくるあの流れと、「それでこそロマンだ!」って言うクリケットの台詞がなんか渋いんですよ。
當房 私は…、ちょっと言い尽くされた感がありますけど…。最初読んだときに一番キタのは山内と一緒でナミのエピソードですね。あそこからもう「このマンガは凄い」って思うようになりました。ルフィの「当たり前だ!」っていうところとかもう好きで好きで。それとは別にワンピースって毎回話の終わりの方の大ゴマの見せ方が凄いいいんですよ。チョッパーのエピソードとかもあまりに綺麗にまとまってて、本当に感動しましたね。
―――ヒルルクはゲームの中に差し込まれたムービーで久しぶりに見て、思わず泣きそうになりましたよ(笑)。
吉田 「まったくいい人生だった」とかたまらんですよ(笑)。
當房 こういう話が出来るのもワンピースの良いところなんですよね。結構飲みの席なんかで話し出すと止まらないんですよ。会議なんかでも脱線しないようにするのが大変なんです(笑)。
―――そういったエピソードもなんだかガンバリオンらしいというか…(笑)。それではこれが最後の質問です。「今後どのようなゲームを作りたいですか」という質問なんですが、ちょっと抽象的ですので手広い意味でお願いします。
山内 やっぱり作って面白かったって言ってもらえるのが一番嬉しいので、ユーザーさんに媚びるわけではないんですが、やっぱり面白かったねって言ってもらえるゲームを作り続けていきたいですね。もちろんそれは題材がオリジナルであっても原作ものであってもです。
吉田 ガンバリオンの会社のビジョンが「永く愛されるゲームを作る」なんで役員としてはこれを言うしかないってのはあるんですけど(笑)、5年後、10年後も含めてあのゲームは良かったって盛り上がって欲しいですね。今のワンピースのマンガって多分10年後、20年後も友達と話のネタになると思うんですよ。そんなふうにずっと先にも盛り上がってもらえるようなゲームを作っていきたいと思います。ただ、やっぱりみんなが遊んでくれないとそういう会話って成り立たないんで、売れるゲームを作るというのも今後の目標ですね。
―――では、皆さんから『OPUA』を遊んでくださった方、これから遊んでくださる方へのメッセージを一言ずつお願いします。
山内 遊んでくださった方にはもう有難うございますとしか言えないですね(笑)。
吉田 まだ手に取っていただいてない方でワンピースにちょっとでも興味があるのであれば是非遊んでいただきたいです。遊んでもらえればきっとワンピースのことがもっと好きになってもらえると思いますので。損はさせないはずなのでよろしくお願いします!
―――それでは今日はお忙しい中本当にありがとうございました。


インタビュー第一回
インタビュー第二回
インタビュー最終回
《土本学》
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