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『魂斗羅』の面白さは守りつつ、現代でも受け入れられるものに―“リブート”の意識が強く伝わった『魂斗羅 オペレーション ガルガ』開発者インタビュー

『魂斗羅』へのアツい思いが伝わってきた開発者インタビュー!

ゲーム 特集
『魂斗羅』の面白さは守りつつ、現代でも受け入れられるものに―“リブート”の意識が強く伝わった『魂斗羅 オペレーション ガルガ』開発者インタビュー
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コナミデジタルエンタテインメントは、3月12日に『魂斗羅 オペレーション ガルガ』を発売します。本作はACやFCで発売された初代『魂斗羅』をベースにしたリメイクとなっており、正統派な2Dラン&ガン・アクションを楽しむことができます。

本記事では、本作を開発したWayForwardのディレクターと、コナミデジタルエンタテインメントのディレクター・プロデューサーの3名に、さまざまな気になる点を訊いたインタビューをお届けします。

開発者が思い描く『魂斗羅』らしさとは?

――自己紹介をお願いいたします。

多田正平氏(以下、多田)コナミデジタルエンタテインメントのプロデューサー多田正平です。『魂斗羅』シリーズはこれまで携わってきませんでしたが、子どもの頃に熱中して遊んだゲームであり、気合を入れて制作に臨んでいます。2020年以降のタイトルに関しては僕の方で担当させていただいており、そのコンソール第1作目となるのが『魂斗羅 オペレーション ガルガ』です。

長曽我部明義(以下、長曽我部)KONAMI側としてディレクションを担当している長曽我部明義です。『魂斗羅』に直接関わるのは今回が初めてです。これまではKONAMIのサッカーゲームに携わっていました。

トム・ヒュレット(以下、トム)WayForward側ディレクターのトム・ヒュレットです。WayForwardでは『Spidersauls』などのアクションゲームを開発しました。その前はKONAMIで働いていて、そのときには『魂斗羅 Dual Spirits』や『Rocket Knight』(2010年版)などさまざまな作品に携わりました。

――『魂斗羅』シリーズには人気作が多く、お気に入りの作品はプレイヤーによって異なるかと思います。その中で、リメイク対象に第1作目を選んだのはどういった理由があったのでしょうか。

AC版『魂斗羅』(1987) 画像は『魂斗羅 アニバーサリーコレクション』のもの

多田まず、本プロジェクトの始まりは2020年頃に『魂斗羅』の再始動について長曽我部と議論を始めたのがきっかけでした。その時点で初代『魂斗羅』発売から30年以上が経過しています。幅広い年齢のお客さまに遊んでいただいているシリーズである事を念頭に協議を重ねました。

その中で改めて「『魂斗羅』の良さってなんだろう?」という話になり、お客様の声を聞いてみると、ファミコンやスーパーファミコン、メガドライブといった80年代から90年代ごろの作品が原体験というお客様が多くいらっしゃいました。

これは僕自身にも当てはまることだったので、KONAMI側としては「原点回帰でやっていこう」という方向性を定めました。

ちょうどその頃にWayForwardさんとお話する機会があったんです。WayForwardさんは『魂斗羅 Dual Spirits』を手掛けた実績もありますから、新しい企画を考えないかという話になり、やっぱり王道のサイドビューラン&ガンの『魂斗羅』がいい作品になるだろうというところで企画が固まりました。

長曽我部『魂斗羅 ローグ コープス』(2019)を作り終えた後も、KONAMIの中ではまだまだ新しい『魂斗羅』を作っていこうという機運はありました。色々とリサーチする中で“『魂斗羅』といえば何を思い浮かべるか?”と振り返ると、ファミコン版やビル・ランスの顔がユーザーの皆さまの印象に残っているようでした。

第1作目からは何年も経っているので、新しく作り直すタイミングとしても良いかなと思ったので、ここから始め直すことにしました。

トム新しい世代にももちろん『魂斗羅』の楽しさを知ってほしいのですが、ファンが連想する『魂斗羅』の要素を考えると、ジャングルステージなど第1作目に入っているものが多かったんです。それを現代向けに改修することで、新旧両方のファンに受け入れられるような作品にしたいと思い、開発を進めました。

――フル3Dになったり、カットシーンが大幅に追加されたりと、リメイクするにあたってかなり変わったところは多々あるかと思います。その中で、「ここは守らなければいけない!」と意識した要素はありますか。

長曽我部『魂斗羅』として守らなければいけないポイントは、ゲームプレイと世界観のふたつであると考えています。ゲームプレイとしては、『魂斗羅』は激しいアクションシューティングですが、やはり基本的にはシンプルな操作で横スクロールを快適にプレイでき、誰でも楽しめるという部分は外せません。

トム“シンプルなメカニクスで横スクロールシューティング”という点は『魂斗羅』の大事な要素なので、そこを意識して作っています。ジャンプの高さ、キャラの反応速度、弾丸の速さなどはワイドスクリーンに対応できるようにするということも重要視しています。

長曽我部あとは、ビルとランスの2人を軸としたバディプレイという点ですね。2人で協力して攻略していく体験は非常に印象に残る要素なので、その世界観は守らなければいけないと思っています。

多田長曽我部とは、「絶対ジャングルから始めよう!」と話していました(笑)。ちょっと古臭すぎるのではないかという意見もあったのですが、ここは譲りませんでした。キャラについては、シリーズ作によってはランスが不在の作品もあるのですが、今作では原点に帰ろうと意識しています。

長曽我部ランスがいない作品でももちろんゲームとしては面白いのですが、どこか『魂斗羅』らしさの面で物足りないなと思っていて。我々の中ではビルとランスはハリウッド映画のバディアクションの主人公のような存在なので、やはりビルだけだと『魂斗羅』としてちょっと弱いなと思い、ランスは外せませんでした。きっとトムも同じ考えなんじゃないかな?(笑)

トムええ、それこそ『魂斗羅』ですね(笑)。

――難易度設定やHP制、パークの導入や武器のアップグレードなど、原作と比べかなり遊びやすい工夫が凝らされています。初心者でも楽しめるような設計であると受け取ったのですが、このあたりのこだわりがあれば教えてください。

長曽我部初期の『魂斗羅』には難しいという印象があると思うのですが、今作でも期待を裏切らない激辛な難しさを用意しています。従来の『魂斗羅』ファンが物足りないと思わないよう、トムさんも激辛なモードを用意してくれました。

しかし、現代に出すゲームということもあり間口を広げたいという思いもあり、WayForwardさんと企画する初期の段階からHP制を導入しようという点で意見が合致しました。原点回帰するだけじゃなく、基本的な部分は現代化したいと考えていたので、その点はかなり遊びやすくなっているのではないかなと思います。

プレイヤーが難易度やダメージ方式を選択できる。

トム新規プレイヤーも簡単に入れるようなシステムを作りたかったというのもあるのですが、本作を通してラン&ガンアクションというジャンルも好きになっていただけたらいいなと思って作っています。

多田難易度に関しては、すごく議論が加熱しました。お互いの強いこだわりから始まって、原作当時を知る日本や北米のプレイヤーから『魂斗羅』は知らないけど2Dプラットフォームアクションは好きで遊んでいるという方にテストプレイしてもらいました。

いろいろな意見がある中で、最終的には設定をプレイヤーが選べるというところに落ち着きました。従来の『魂斗羅』から型を崩すところは崩して、守るところは守るという点でずいぶん議論しましたし、テストプレイもたくさん重ねました。

トム私としては原作通り8方向射撃だけの仕様にしたかったのですが、KONAMIに説得されて今では360度射撃ばかり使っていますよ(笑)。

――原作には今で言うTPSのような奥スクロール式のステージがありましたが、体験版では収録されていませんでした。こちらはリメイク版にはないのでしょうか。

長曽我部今回はやはり基礎として2D横スクロールに注力しようというところで、基本的にはそのスタイルに限定しています。今回はしっかりと横スクロールのシステムで地盤を固めて、今後カメラワークなどいろいろなところを発展させていきたいと思っています。

リブートで『魂斗羅』世界を広げたい―新キャラへの思い

――プレイアブルキャラはおなじみビルとランスに加え、『真魂斗羅』で初登場したルシアや初期作品における欧州版差し替えキャラ・プロボテクターなど、少なくとも日本ではちょっとマニアックなキャラが参戦しています。これらをプレイアブルに選んだ理由はなぜでしょうか。

長曽我部先ほど述べたように、やはりビルとランスは“絶対”でした。それ以外にも過去作の脇役キャラなどを出したいと思い、その中でルシアを選びました。ただ過去作のルシアとは設定が変わっているので、かつてのルシアと同一人物かどうかは……今後続けていく中で面白くしていけたらと思っています。

トムプロボテクターは私のこだわりですね。私はヨーロッパ系のゲーム友達がたくさんいて、みんなプロボテクターが大好きでした。馴染みのない方も、本作を通じてぜひプロボテクターに対する愛を深めていただければと思います。

多田本作は表向きには伝わりやすいよう「リメイク」と言っているのですが、我々の中では「リブート(再始動)」と呼んでいます。再始動する中では『魂斗羅』を原体験として知っているお客様にちゃんと向き合おうと思っているのですが、社内のスタッフを含めて『魂斗羅』といえばプロボテクターと反応するお客様がたくさんいらっしゃいました。

そうしたところを僕自身も痛感していたので、プロデューサーとしてもプロボテクターは外せないなという思いはありました。

――新規キャラとして、アリアナという女性キャラやパワードスーツを着用したスタンリーといったの新規キャラが参戦しています。このキャラを追加した理由はなぜでしょうか。

長曽我部本作は当初から『魂斗羅』のコアを残して現代的に再構築、リブートするというのが狙いですので、リブートには過去作の要素も大事です。しかり、やはり新しい魅力や可能性も同時に模索したいという考えがKONAMI側にありました。

その中で、アリアナやスタンリーといった過去作にはあまり出てこないタイプのキャラを考えて登場させることにしました。

多田アリアナに関しては、舞台となるガルガ諸島には元々住んでいた人もいるのではないか?という着想を基に作っています。

左からアリアナ、ランス、ビル、ルシア

トムキーアートでアリアナが持っている銃に注目してみると、実はレッドファルコン(※注 本作における敵のテロリスト)の銃を持っています。こうした小さなディテールを見てもらいたいという思いもありますし、スタンリーを含めてキャラ的にも『魂斗羅』の世界観を広げるという意図があります。

長曽我部過去作に出てくる女性キャラは、ちょっとセクシーなキャラがたくさんいたのですが、アリアナのようなデザインのキャラは初めてです。ファンからの反発もあるのではないか……と心配もしたのですが、テストプレイやリサーチではアリアナに対する好意的な反応が多かったので、ねらい通り今までなかったところを広げられたのではないかと思います。

――ストーリーの設定なども練り直されているのでしょうか。

長曽我部初期の『魂斗羅』はシンプルなゲームだったので、ストーリー的にあまり詳しい説明がなく、KONAMI社内でも解釈にかなりばらつきがありました。レッドファルコンはテロリストなのか、エイリアンが変身した姿なのか……などですね。ここはリブートにあたってもう一度ちゃんと作り直したいという部分でして、しっかりと設定から練り直しています。

FC版『魂斗羅』のオープニング。レッドファルコンは「謎の侵略者」として説明されている。

――他のシリーズ作をリメイクしたり、完全新作を制作する可能性はあるのでしょうか。『魂斗羅』シリーズの今後について、ビジョンがありましたら話せる範囲でお願いします。

長曽我部今回はリブートということで、初代『魂斗羅』の要素はもちろん、『スーパー魂斗羅』や『魂斗羅スピリッツ』などのシステムも導入していて、過去作の要素はかなり詰め込まれていると思います。

その上で新マップや新しい遊びがたくさん入っているので、プレイした人の感想を聞くと「リメイクって聞いてたけど、半分新作じゃん!」というような声をいただいています。

そのため、本作をユーザーの皆さまに広く気に入っていただければ、本作を起点としてほぼ新作に近いようなものを検討したいと考えています。

トム今後の『魂斗羅』に関わる準備はもうできています。いつでも来てください(笑)。

多田本作の「リブート」がなにを指しているかというと、80年代から90年代作品をしっかりとリブートさせて当時のお客様に喜んでほしいし、これまでを知らない世代の方にも「こんな良いシリーズがあるんだ」「両親の青春のゲームはこんな感じだったんだ」という風に、新たな解釈で良さをお届けしたいですね。

――最後に、本作をプレイするユーザーに対してメッセージをお願いします。

長曽我部『魂斗羅』の面白さの本質とそうでないものをかなり意識したので、本質部分を残すように意識して作りました。その上で現代的な形にアレンジしているので、さまざまなファンに楽しんでもらえると思います。

トム自分の小さい頃には、『魂斗羅』をいろんな人と遊びたい!という思いがありました。今作を遊んだ方にも、同じ思いに共感していただければと思います。

多田当時を知っている人には、かなり懐かしい気持ちになれるゲームだと思います。ゲーム部分はもちろんサウンドなどもこだわって作っているので、言い過ぎかもしれませんが……もしかしたら感涙してしまうかもしれません。……僕自身がそうだったので(笑)。

従来ファンには思い出に浸りながら『魂斗羅』っていいものだなぁと感じてもらい、新規プレイヤーの方もぜひ手に取ってもらえればと思います。

――本日はありがとうございました!


『魂斗羅 オペレーション ガルガ』は、PC(SteamPS4/PS5/Xbox/ニンテンドースイッチ向けに3月12日発売予定です。無料体験版も全プラットフォーム向けに配信しているほか、先行プレイレポートも掲載しているので、そちらもぜひご覧ください。



(C)Konami Digital Entertainment

※画像は制作中のものです。


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