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【台北ゲームショウ2016】「ブラウザゲームはまだ終わっていない」日本のプラットフォーマーが世界に挑むーDMM.com林氏独占インタビュー

28日より台湾の台北市、ワールドトレードセンターにて開催されている台北ゲームショウ2016。B2B・B2Cブースともに過去最大の盛り上がりを見せる本イベントですが、日本でも有名な「DMM.com」もB2Bブースにて出展。

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【台北ゲームショウ2016】「ブラウザゲームはまだ終わっていない」日本のプラットフォーマーが世界に挑むーDMM.com林氏独占インタビュー
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28日より台湾の台北市、ワールドトレードセンターにて開催されている台北ゲームショウ2016。B2B・B2Cブースともに過去最大の盛り上がりを見せる本イベントですが、日本でも有名な「DMM.com」もB2Bブースにて出展。

チャイナジョイ2015、G-STAR2015とアジアを中心に海外ゲームショウに出展をしている同社の狙いとは?今回、DMM.comにてアライアンスを担当する林 研一氏に独占インタビューを実施致しましたので、その様子をお届けします。



―――本日はお時間を頂き、ありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。

林氏:DMM.comオンラインゲーム事業部のアライアンス部部長を務めている林と申します。2011年のゲーム事業立ち上げから参画をしておりまして、DMM.comは9年目となります。主にアライアンス担当ということで、サードパーティの誘致、ゲーム開発会社の開拓、版権元への営業などを行っています。「座組を作ってゲームをお届けする」という部分に携わっています。

―――東京ゲームショウを含め2015年いろいろな施策をDMM.comさん自体行ってきたと思いますが、林さんから見て2015年はどういった年でしたでしょうか?

林氏:まず弊社については、順調にゲーム事業の規模は拡大しています。ただ「とてつもないヒットタイトル」はあまり無かったという印象です。『艦隊これくしょん』(艦これ)『刀剣乱舞』(とうらぶ)に続くものをなかなか発信できませんでした。一方でDMM.comのプラットフォームから飛び出したスマートフォンのネイティブ市場に本格的に参入しはじめた年でもありましたので、そういった部分は大きな動きがあったと言えます。

ゲーム業界全体では、日本国内は淘汰が激しくなってきたな、と。App Store・Google Playは活況なのですがランキング上位に入って成功するタイトルはごく僅か。一方でネイティブゲームではなく「ブラウザゲームもまだまだ頑張れるよね?」という意向も多く聞くようになりました。PCブラウザでゲームを運営するという話になった際に、弊社のプラットフォームを選択して頂ける企業様が多くなってきていると感じています。

―――日本のゲーム市場はSteam(PC)やスマートフォンゲームが2015年は伸びたと思います。林さんは2016年をどう見ていますでしょうか

林氏:引き続きスマートフォンゲームが伸長していくとは見ています。そこに対してDMM.comがどうアレンジを加えていくのか、ということになるかと思うのですが、そこの部分は昔からブレておらずPCブラウザを主軸にしながらスマートフォンゲームにも横展開をする…という戦略を立てています。

弊社が運営しているAndroidのアプリマーケット「DMMゲームストア」についても、2016年も注力をしていきます。PCを主軸にしながら、PC・スマートフォンとのデータ連携をさせて、マルチデバイス展開を拡大していく予定です。

―――ゲーム事業としては伸びている、ということでしょうか

林氏:おかげさまで順調に拡大をしており、会員数も伸長しております。

―――サードパーティとアライアンスを多く組んでいる印象があるのですが、いかがしょう

林氏:我々もパブリッシャーとしてゲームをご提供しているのですが、サードパーティと組むことで、いままで我々が気付けなかった部分が見えてきたり、我々がリーチ出来ていないようなユーザー様にゲームのことを知ってもらったりと、いろいろな副次的な要素があります。そういった理由で注力しています。

―――『ブレス オブ ファイア6』や『モンスターハンターメゼポルタ開拓記』を提供するカプコンをはじめ、多くのメーカーのPCブラウザタイトルを手がけていますが、メーカーから見るDMM.comの魅力はどういったところにあるのでしょうか?

林氏:カプコン様以外にも、バンダイナムコオンライン様の『仮面ライダー メガトンスマッシュ』やコーエーテクモゲームス様と協業している『影牢 ~トラップ ガールズ~』など、いろいろな企業様とご一緒させて頂いております。元々弊社のプラットフォームのユーザーさんが「ゲーム」との親和性が高い、ということもあるのですが、PCブラウザゲーム運営会社としてのノウハウや実績、プロモーション手法などを評価して頂いてご一緒させて頂いていることが多いかと思います。「PC」というところで、候補に挙げて頂きやすくなってきており、ニーズが一致しやすくなってきていると思います。



―――プラットフォーム全体で見ると男性ユーザーが多いのでしょうか

林氏:現時点では、20代~30代の男性ユーザーがボリュームとしては多く、課金層は30代が強い印象です。

―――『刀剣乱舞』(とうらぶ)をプレイしている方は女性ユーザーも多いと思うのですが。

林氏:『刀剣乱舞』(とうらぶ)をプレイして頂いたユーザーさんが次にプレイするゲームタイトルを潤沢に揃えられていない状況もあります。現在、Rejet様とDMMグループのDMM.com OVERRIDEが制作を進めている『一血卍傑(いっちばんけつ)』などは女性の方も楽しめる内容となっていますので、期待をして頂ければと思います。

―――今回の台北ゲームショウに出展している狙いは?

林氏:2015年の韓国G-STAR2015や中国で開催されたChinaJoy2015にも出展させて頂いたのですが、日本では認知をされてきているものの、国外から見ると「何をやっている会社何だろう?」と思われることがまだまだ多いです。まずは我々がゲーム事業を行っていることをきちんと海外の企業様にも認知してもらうためにブースを構えています。

またプラットフォーム・パブリッシャーと2つの側面も持っていますので、海外で良いゲームがあればそのタイトルのパブリッシングをしたいですし、逆に海外企業様が興味のある日本のゲームを輸出もしていきたいです。

―――海外向けのプラットフォーム「Samurai-Games」「Nutaku」も運営していると思いますが、そちらはいかがでしょうか

林氏:まず役割が各々違っておりまして「Samurai-Games」は中華圏、「Nutaku」は英語圏をターゲットとして運営しています。また、まずはアダルトコンテンツ・ゲームを先行してローカライズして配信している形になります。今後は一般向けのタイトルや、スマートフォン向けのタイトルも配信していく予定です。

―――昨年のTGS2015では『ESO~エルダー・スクロールズ・オンライン』をDMM.comさんがローカライズすることも発表されていました。

林氏:はい。超大型MMORPGを弊社が運営する、というプレッシャーもありますが、それと同時に「そういったことも弊社はできるんです!」ということをユーザーさんや企業の方々にきちんとアピールしたいです。

―――反響はありましたか?

林氏:現在、今年の6月のリリースを予定しておりますが、いろいろなお声を頂いております。『艦これ』など「擬人化」や「萌え」の要素が強い印象を持たれがちなのですが、こういった本格MMORPGも運営できるということをきっちり証明していきたいですね。ひとつの良い起爆剤になれればなぁ、と。何よりも「DMM.comと組んで良かった」と感じて頂けるよう、鋭意ローカライズを進めております。



―――『HOUNDS』『ダンジョンストライカー』などの本格的なゲームタイトルも配信され、直近でいきますと「ニコニコ闘会議2016」にて賞金をかけて「e-Sports」として盛り上げていこうという姿勢が見えるのですが。

林氏:DMMゲームズの代表でもある片岸が「e-Sports」に対して熱い思いを持っていまして。将来的には「DMM.com」の冠をつけて大会も運営できたらおもしろいな、、と思ったりしています。現在、日本ではお金をかけて大会を運営する、となるとなかなか難しい部分もあると思うのですが、海外では盛り上がりを見せていますし、日本でも昨年あたりからシーンがきていると感じています。

―――2016年「DMMゲームズ」が目指すところとは?

林氏:まずはスマートフォンゲームですね。ネイティブ市場に本格的に参入していき、ストアランキング50位以内に食い込んでいけるようなタイトルを提供していきたいです。

また今回の台北ゲームショウ2016をきっかけに海外向けへの輸出輸入の強化も行っていきます。アクセルを踏み続けて行くと思います。いろいろ仕込んでいるものもありますので、期待をして頂ければと思います。ありがとうございました。



飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている「DMMゲームズ」。2016年、私たちにどういったコンテンツを提供してくれるのか、期待をしたいところです。
《森 元行》
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