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【China Joy 2015】PS4版『FFXIV』でハイエンドなMMORPG体験を提供したい…吉田Pに訊く

トレーラーが進むにつれて、会場の反応が「まさか?」が「もしや!」に変わっていったPS4版『ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア』。スクエニ・盛大ネットワーク・SCEのトロイカ体制でのぞむという吉田氏に対し、合同インタビューが行われました。

ソニー PS4
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トレーラーが進むにつれて、会場の反応が「まさか?」が「もしや!」に変わっていったPS4版『ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア』。スクエニ・盛大ネットワーク・SCEのトロイカ体制でのぞむという吉田氏に対し、合同インタビューが行われました。

―――中国でのPS4発売が発表されて、正直驚きました。

まだ2016年としか言ってなくて、僕にとっては結構先という感じなんですけどね。これから色々な試行錯誤が盛大さんでも、SCEさんでもあると思います。あれだけ規模の大きなMMORPGを開発運営することになるので、そこがきちんとクリアできるかが重要だと思っています。

―――3社の役割分担について教えてください。

サーバーとコミュニティの運営はPC版と同じ盛大さんにお願いしています。PS4版のランチャーやアカウント周りの開発は、PS4の知見がなければ難しいので、SCEさんが技術支援を行う予定です。パッチやゲームの内容については我々が日本で開発していきます。PS4版でもグローバル版の開発は我々が直接やっていますが、これ以上工数を増やせないところがあるので、SCEさんにお願いした上で取り組んでいきます。

―――サーバーはPC版と同じになるのですか?

はい、グローバル版のポリシーなので、PC版もPS4版も同じところに接続できるようにするのが条件でした。

―――発表されたトレーラーが「蒼天のイシュガルド」でした。

先ほども言いましたが、同じワールドでプレイできるとことが前提です。PC版が2.5まで来ているので、それ以降になります。一緒に遊ぶにはバージョンが揃っている必要があるので、リリースする頃には3.Xになっているのではないでしょうか。

―――中国版はオールインワンで発売されるのでしょうか?

中国ではエクスパンションをパッケージで販売する概念がないので、おそらくそうなるかと思いますが、これからですね。

―――ビジネスモデルはどうなるのですか?

そこも、これから盛大さんとSCEさんの方で協議される予定です。PC版と同じかもしれませんし、違うかもしれません。

―――1つのサーバーでビジネスモデルが違う可能性があるのですか?

MMORPGではオプションの1つという考え方なので、同じゲームで別のビジネスモデルをとることも往々にしてあります。中国市場ではビジネススキームが急速に変わっているので、その時にあったやり方をご提案いただけると思っています。ただ、あまり料金体系が違いすぎるのは遠慮して欲しいとお願いしています。また、ほかのPS4タイトルと違いすぎると、プレイヤーの価値観がずれてしまうことがあるかもしれません。そのあたりはSCEさんもお考えになると思います。

―――「FF」という強力なIPでは、スピード感を持って中国向けの運営をすることが難しいのではないかという危惧があるのですが、そこはいかがですか。

盛大さんから毎週我々に、中国サーバーやコミュニティの状況をフィードバックいただいています。それをもとに次のパッチではグローバル版がAなら、中国ではA´にならないかという要望をいただき、我々が協議をして実装して中国に出すという形をとっています。PS4版でも同じですので、そこは心配していません。

―――SCEさんがそこに絡んで三社でやるとなると、大変ではありませんか?

SCEさんがゲームの中身に口を出されることはないと思います。それに中国ビジネスにおいては、SCEさんから日本の大企業のような遅さを感じないので、まったく心配していません。

―――バランスは基本的にグローバル版と同じですか?

はい。ただ中国プレイヤーのスタイルがグローバル版と違うのが見えてきました。盛大さんと話をしながら、コンテンツの消化スピードであったり、コンテンツのロックの仕組みだったりを徐々に変えていっています。毎パッチごとに実は微妙に変えています。

―――どのあたりが違うのですか?

中国版では、極蛮神は1つ前の極蛮神を倒さなくても次に行けたりします。その時々で最新のものをやりたいという声が多いですね。また、もっとパーティを組んで、ほかのプレイヤーのパワーレベリングを手伝いたいという人が非常に多いです。前のゲームからギルドメンバーを連れてきて、そのまま一気にレベルを上げたい、という要望は中国のオンラインゲームコミュニティならではかな? という気はします。すごく家族的な感じがしました。

―――旧正月イベントなど、中国だけの展開を考えていますか?

中国に限らずですね。これから韓国版がスタートします。韓国にも韓国の文化風土にあわせたスペシャルイベントを用意しています。盛大さんとお話をしたうえで、中国向けにリージョン対応をしてきます。

―――「FFXIV」の中国でのプロモーションにはどんな施策を考えていますか?

PC版のローンチ時は、毎週僕が中国に来てプレイヤーの方と交流をするPRツアーをやっていました。グローバル版で作ったPR動画はすべて盛大さんにお渡しして、簡体字字幕をつけて配信していただいたり、ビデオコメントを求められたらお渡ししたり・・・。あとは間もなく中国版「FFXIV(PC版)」が1周年なので、僕も行ってプレイヤーの皆さんと一緒に何かができればという話をしています。

―――イベントには毎回どのくらいの人が来るのですか?

抽選招待制なので会場に来られる方は数百人になりますが、応募は数千から数万件もいただきます。大前提として盛大さんが運営しているから僕らは何もしないということではなくて、一緒に『FFXIV』を盛り上げていこうという考えです。これは他のリージョンでも同じで、ゲームのイベントがあれば必ずそこにいって、直接その国のプレイヤーの方とコミュニケーションをとるようにしています。中国ではそのきっかけを盛大さんにお願いしているだけですね。

―――PC市場が優勢な中で、後からPS4版を広めていくための方策はありますか?

中国で最大の市場はネイティブアプリやソーシャルで、最大勢力はPCではなくなったという認識です。これまで1年近くPC版を運営してきた正直な感想として、中国のPCゲーム市場がものすごい勢いでモバイル市場に移ってしまったと感じています。

もともと中国ではPC房のスペックがあまり高くないため、極端にハイクオリティなオンラインゲームがあまりありません。さらに規制によって海外のゲームが輸入しづらいため、スマホゲームのクオリティがPCゲームより高いと思われている方が、結構多いのではないか・・・。中国でビジネスをさせていただいた感想です。

そこに今回初めてコンソールが入ってくることで、ハイクオリティなゲームを遊べる環境がPCを買うよりも安く揃えられます。もちろん政府のチェックが必要ですが、まさにこれからハイクオリティなオンラインゲームの時代が始まるのではないでしょうか。『FFXIV』がその波に乗っていければと思います。その新しさやすごさに触れた、新しいコアゲーマーが生まれることを期待しています。

―――PC版に加えてPS4版が出ることで、これまでとは異なる科学変化が起こりうると思いますか?

起きて欲しいと思います。ゲームってある程度ストレスがあって、そのストレスを乗り越えるから快感は生まれると思います。今、ものすごい数のゲームが毎日F2Pでリリースされている中で、中国の人たちはちょっと受け身になりすぎていて、ゲームらしい(歯ごたえのある)ゲーム体験が出にくい市場なのかも、とも思っています。

そこにPS4を通じて、ものすごいゲーム体験ができるゲームが入ってくることで、それを楽しめる人たちがもっと増えるのではないか・・・そこがコンソール版の意義なのかなと。SCEさんもPS4ならではのゲームエクスペリエンスを推していかれるのではないかと思っています。
《小野憲史》
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