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ヤフーがスマホゲームに本格参入!GameBankが進める「一億総ゲーマー計画」とは

ゲームビジネス 開発

ヤフーがスマホゲームに本格参入!GameBankが進める「一億総ゲーマー計画」とは
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本年1月にヤフーグループの一員として、新たにスタートしたGameBank株式会社。その指揮を執るのがCOO(最高執行責任者)をつとめる椎野真光氏です。これまでさまざまなオンラインゲームの開発を手がけてきた椎野氏に、ヤフーがゲーム開発に本格参入する狙いや、理想のゲーム像、会社が求める人材像などについて伺いました。

―――簡単に自己紹介をお願いします。

前職はセガネットワークスで、代表作は『Kingdom Conquest』シリーズとなります。最終的には開発本部の戦略企画部長と、事業部の編成副部長をしていました。もともとセガでドリームキャストの立ち上げの頃から、一貫してオンラインゲームの開発に携わっていました。『サカつく』『やきゅつく』シリーズや、『龍が如く』シリーズのモバイル版などにも係わりましたね。



―――率直にいって、セガネットワークスからヤフーに転職された理由はなんですか?

ご存じのようにセガはフィーチャーフォン時代にソーシャルゲームで出遅れました。そこで企画したのが『Kingdom Conquest』で、これがセガネットワークスの分社につながりました。最初の1年は大変でしたが、『チェインクロニクル』『ぷよぷよ』が大ヒットして軌道にのりました。これで自分自身、セガグループでの仕事に一区切りついたかなというのがあります。

その一方でモバイルでもハードコア・ミドルコア向けのゲームが増えて、大手企業同士の戦いになることが予感されました。そうした中、Yahoo! JAPANには圧倒的なトラフィック量がありますし、さまざまなサービスがあります。そのため、ここにくれば何か新しいことができるのではないか、と思ったんです。

スマホ時代でも圧倒的なトラフィックを誇るYahoo! JAPAN


◆二段階ロケットでポートフォリオを整備

―――そもそもヤフーはなぜゲームに力を入れていくのでしょうか?

2012年4月1日にCEOが井上雅博から宮坂学にかわりまして、ここでPCからスマホシフトに大きく舵を切りました。そこでユーザーがドカンと増え、マネタイズをこれから本格的に行っていく段階にあります。ヤフーとしては、そこにうまくゲームを組み込みたいという考えがありました。つまり会社としては「圧倒的なユーザー数をマネタイズしたい」、僕としては「Yahoo! JAPANのライフサービスを新しいエンタテインメントに変えていきたい」という思いがあり、この両者がつながったという感じです。

ヤフーの第3四半期業績発表の際の説明資料より


―――既存のYahoo!ゲームがある中で、関係性はどうなっていきますか?

ご存じの通りヤフーには「Yahoo!モバゲー」やブラウザゲームの部隊があり、ゲームのパブリッシングを行う部隊もあります。今回GameBankとして切り出されたのは、新規に立ち上がるハードコア・ミッドコア向けのネイティブアプリ事業です。そのため、それ以外の部門は継続されます。

―――どういったゲームを開発されていくのですか?

二段ロケットで考えています。まずは「圧倒的なユーザー数をマネタイズする」、つまりYahoo! JAPANの大量のユーザーに対して、どかんとゲームを当てていくことを考えています。次に「Yahoo! JAPANのライフサービスを新しいエンタテインメントに変えていく」、つまりオンラインゲームの力や、マネタイズのノウハウなどを使って新しい市場を作っていきます。すでに前者の仕込みをしつつ、後者の開発も進んでいます。

―――ヤフーがヘビーなゲームを作るというのは新鮮です。

別の言い方をすると、カジュアルゲームでドカンと当てるのは、よほど完成度の高いパズルゲームなどならともかく、かなり大変なんです。そこで勝負するよりは、がっつり遊び込めるようなゲームの方が、成功率が高いのではないかなと思っています。他に私自身も『Kingdom Conquest』シリーズを始めとして、ユーザーの滞留時間が長く、ユーザー同士が戦うようなゲームを得意としていましたので、作り手側の経験値という側面もありますね。



◆初年度は年間7本リリースをめざす

―――気になる第一弾タイトルは?

3Dでアクション要素が入っていて、コアユーザー向けで、まだあまり市場にないようなタイプのゲーム・・・実はすでにクロースドβがはじまっているのですが、春先には具体的なタイトル名についても公表できるかと思います。台湾タイトルで、半年近くかけてカルチャライズしています。

―――海外タイトルのローカライズが中心になるのですか?

いえ、社内での開発や、国内の協力会社さんとの開発も進めています。日本は家庭用ゲーム文化の市場で、オンラインゲームの開発者が少ないんです。これが韓国や台湾との違いです。モバイル向けでもアジアの方が開発力で勝っているのが現状です。そのため、まずはアジアのオンラインゲームをお預かりして、日本で出していきます。

―――リリース本数の目標は?

初年度は7本くらいやりたいと思っています。一昔前に比べると1本あたりのタイトルコストが増えています。最終的には半分くらいを安定運用までに持っていきたいと思っていますが、まずは立ち上げの時期なので、ちょっと多めに仕込もうかなと。ただ、似たようなテイストのゲームばかりではありません。先ほどいった「二弾目」にあたるタイトルも含まれます。

―――どんなゲームになるのか気になります。

なかなか説明が難しいのですが、「パッと見てわかりやすい」「ダウンロードしてすぐに遊べる」・・・カジュアルなユーザーをゲームに巻き込んでいけるようなタイトルですね。もちろん、ただのカジュアルゲームではありません。そこは我々が手がけるタイトルなので、オンラインゲームの「人とつながっている感覚」や、その上でしか楽しめないおもしろさが、しっかり伝わるようなものを考えています。そもそも、弊社の影のテーマは「1億総ゲーマー」です。オンラインゲームで人とプレイするワクワク感が好きで、より多くの人にこの楽しみを届けていきたいと思っています。

―――椎野さんもゲームを作られるのですか?

はい、僕も一本MMOをプロデュースします。がっつりしたゲームにしますので、期待してください。

―――それは楽しみですね。ちなみに、オンラインゲームでは何がお好きでしたか?

20年くらい前にこの業界に入ってきて、『DOOM』『QUAKE』のような一人称シューティングから『Age of Empires』などのストラテジー、さらには『エバークエスト』のようなMMORPGと、ハードコア向けのオンラインゲームは全て手を出してきました。ああいったゲームを初めて遊んだときのドキドキ感やワクワク感を、スマホでより多くの皆さんに早く届けていきたいですね。

◆オンラインゲームを遊びこんでいることが採用条件

―――すでに30人くらいの社員がいらっしゃるとのことですが、どういった方を募集されているのですか?

まずは「ゲームを遊びこむ人」ですね。ただ遊ぶだけではなくて、いろんな意味でうまくプレイできないとダメだと思っています。F2Pのロイヤルユーザーというのは、ゲームをやりこんで、課金してもらって、ランキング上位に入ってくるようなユーザーです。少なくともゲームの作り手として、彼らの気持ちが分からなければいけないし、その先を行っていないといけません。そのためプレイするのもそうだし、攻略しきるところまで遊ばないと。そのうえで、いろいろなスキルがある方と一緒に仕事をしたいですね。

―――なるほど

実際に現在集まっている社員は私も含めて、オンラインゲームの開発や運営にとことん携わってきたメンバーばかりです。我々としては今後、モバイル向けのオンラインゲームをしっかりと開発・運営できる体制を整えていきます。そういったメンバーが集まれば、どんなコンテンツでも回していけると思います。シミュレーション、ストラテジー、MO、MMO、アクションRPGくらいまで視野に入っています。全職種で不足していますので、我こそはと思う方は、ぜひ応募してきて欲しいですね。まずは100人くらいまでは増やしていく予定です。

―――ヤフーがバックにあるということで、「寄らば大樹の影」というような人がどんどん集まってきそうな危惧もあります

椎野 僕らとしては逆で、それこそヤフーやソフトバンクグループを使い倒すような気概のある人にきてもらいたいですね。いろんな意味で、すごくたくさんの材料がありますので、これを「活躍できる場」と捉えていただければ良いかなと思います。

◆目標は日本最大のオンラインゲームパブリッシャー

―――PCオンラインゲームが非常にお好きだというのは良くわかったのですが、それを単純に「スマホに移植する」だけでは、おもしろさが劣化してしまいます。もう少し詳しく説明してもらえますか?

PCオンラインゲームを始めて遊んだときに、一番おもしろいと思ったのは、ネットの向こうに他人とつながっていて、一緒に遊べることだったんです。グラフィックなんかはどうでもよくて、『ウルティマオンライン』でPKから命からがら逃げてきたり、『ディアブロ』でPKに狩られてゲンナリしたり、といったところですね。PCオンラインゲームだろうと、スマホゲームであろうと、画面の向こうでユーザーとつながっているところは同じで、僕らが指向しようと思っているのも、オンラインというとこですね。スマホはそこが保証されていますし、PCと違ってどこでもいつでも遊べる。リアルとバーチャルの境界線が溶けていくようなゲームを提供するには、スマホが一番だと思っています。

あと、昔『サカつくオンライン』というゲームを作りまして、あれは自動進行型でゲームが進んでいって、結果だけを確認するような内容でした。あれもまさに「読みかけの本」のようなコンテンツ体験をさせたいというのがあって。新しいライフスタイフを提供できたと思っています。スマホゲームでも同じです。形としてはPCオンラインゲームよりも「さらに濃い」ゲームが提供できるのではないかと思っています。

―――最近のヒットタイトル、たとえば『パズル&ドラゴンズ』をみると、ソーシャル要素が限りなく薄まっているのが特徴です。それでも、ユーザー間の濃いインタラクションが重要ですか?

そうですね、その方が単純におもしろいですよね。僕はどちらかというと、そっちのベクトルが強いので、シングルモードを重視したようなコンテンツは、あまり指向はしないですね。逆にスマホゲームでどのようにユーザー間のコミュニケーションを最大化させていくのか。そこは単純にアイテムトレードというやり方もあるでしょうし、他のやり方もあるでしょう。

―――海外も視野に入れられていますか?

それはもちろんです。初期のローカライズタイトルについては難しいですが、これから内製で作っていくものについては、どんどん海外に出していきたいと思います。過去にも『Kingdom Conquest』を海外向けに作って、個人的に得たノウハウなどもありますので、そこはしっかり反映させていきたいなと思います。各々のリージョンに対してどういった打ち出し方をしていくのがいいのか、設計段階から調整弁みたいなものを作っておいて、うまくアジャストしてきたいですね。

―――楽しみですね。

実際には各リージョンで趣味嗜好が違います。特に欧米圏では「課金して強くなって他人に勝つ」ことを良しとしない文化もまだまだ根強くあります。逆にアジア圏ではその辺はおおらかですね。そのためコアユーザー向けのタイトルについては、アジア向けに注力していく方針です。逆にワールドワイド前提のものは、ゲームというよりエンタテインメントに近いものの方が良いかもしれませんね。他にその時々での自分たちのリソースやスキルも関係しますので、そこは臨機応変に進めていきます。

―――最後に抱負をお願いします。



日本がグローバルの中でオンラインゲームの開発で出遅れてしまったことに対し、ゲーム業界に携わってきたものとして、忸怩(じくじ)たる思いがあります。スマホでは繰り返さないという強い気持ちで、まずはしっかりとしたゲームを届けていこうと思います。ユーザーに対しては、より長く遊んでもらえるようなアドバイスもしていきますし、良質なゲームを作る開発力も蓄積していきます。その上で日本ナンバーワンのオンラインゲームのパブリッシャーをめざします。スマホゲームの未来を作りたい、という意欲を持つ仲間と一緒に仕事をしたいですね。


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《小野憲史》

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