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【TGS 2014】『龍が如く0 誓いの場所』横山プロデューサーにインタビュー、シリーズの過去を描く理由を聞いた

ソニー PS4

【TGS 2014】『龍が如く0 誓いの場所』横山プロデューサーにインタビュー、シリーズの過去を描く理由を聞いた
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東京ゲームショウ 2014にて新たなトレーラーも公開された『龍が如く0  誓いの場所』。今回、本作のチーフプロデューサーを務める横山昌義氏にインタビューする機会が得られたので、その内容を紹介します。

作品の魅力はもちろん、セクシー女優の演技やPS4の今後など、さまざまな話を聞いてきました。

――なぜこのタイミングで、過去の物語を描こうと考えたのですか。

横山氏:前回はスピンオフの『龍が如く 維新!』を発売したこともあり、次はナンバリングの最新作がくるだろうとユーザーさんが想像していることは分かっていました。しかし来年「龍が如く」シリーズ10周年を迎えるにあたり、まだ他にやり残していることがあるんじゃないのか?という想いがあり、かねてからファンの方々からリクエストの多かった「伝説のはじまり」をこのタイミングでやっておくべきだろうと。開発チーム一同、ファンの方々と同じくこの世界観で作りたいと純粋に思いましたので、今回『龍が如く0 誓いの場所』の開発に踏み切りました。

――過去の話を描くコンセプトは以前からあったのですか。

横山氏:2010年の『龍が如く4 伝説を継ぐもの』の頃からありましたね。開発スタッフからも「いつかはやりたいよね」という話は出ていました。スタッフもユーザーさんも、若くて荒っぽい桐生一馬を見てみたい気持ちはあったんだと思います。

――時代設定として、1988年を選んだことに理由はあるのでしょうか。

横山氏:1から5までで、必ずといっていいほど主人公や主要キャラクターの過去が描かれてきました。なので、1作目を基準にして未来を並べていくと、同じくらいのボリュームで過去の物語も出来上がっていたんです。そのため、空いていた時代が1988年しかなかったのです。

1988年を調べてみると、昭和が終わった年であり、好景気で日本中がギラギラした時代でもあり…。元々ギラギラとした日本の街並みを作ってみたいという発想から『龍が如く』は生まれたタイトルでもありましたので、これは最適だろうと思い、決定しました。



――当時の町並みを作るうえでは、これまでとは違う部分も多かったのではないでしょうか。

横山氏:多かったですよ。たった26年とはいえ文化もまったく違いますし、良いとされていたことと悪いとされていたことの線引きも変わってきます。簡単に言うと、夜中でもゲームセンターは開いていたし、パチンコ屋も今とは営業時間が異なったりします。店以外にもライフスタイルも異なります。タバコもどこにでも吸えたし、安易に捨てられていた。インターネットがない影響もあって、皆暇つぶしに雑誌や新聞をもっていた。それを街中に捨てるから、ぐちゃぐちゃのゴミになり…… といったような細かな当時のライフスタイルや光景を本作では細かく再現しており、結果的に直感で88年だと分かるグラフィックになりました。街のグラフィックを初めて見たときは、私もビックリしました。

――プレイスポットでも、当時のものが再現されているんですよね。

横山氏:ええ。例えばカラオケだと、当時はカラオケボックスという施設がそれほど普及してなく、家か公民館かスナックで楽しむのが一般的でした。そんなこともあり今回は、スナックに入店すると歌えるようになっています。このように、同じプレイスポットでも場所が変わるといったものはありますね。

――企業とのタイアップでは、なにか新しい試みを考えているのでしょうか。

横山氏:26年前に存在した企業さんには、当時使用していた企業ロゴや広告含め、協力できる範囲で「1988年化」に協力して頂いています。他にも『Hot Dog PRESS』など既に廃刊しているものの、当時を象徴する雑誌とのタイアップや、細かいところでは『クラブセガ』が『ハイテクランドセガ』になっていたりもします。

もちろんタイアップ企業さんの中にはドン・キホーテさんのように26年前には存在しなかった企業さんも多数あります。そういった企業さんにも、創業当時の店舗外観の資料をいただいたりして、なるべく“当時っぽさ”を出せるよう演出していたりします。他にもいろいろ時代を超えて楽しめる『龍が如く』でしかできない仕掛けをしていきますので、続報をお待ちください。

――当時の町並みを調べるといっても、大変な作業だったのではないでしょうか。

横山氏:デジカメも存在しない時代でインターネットで探してもなかなか見つからないので意外と大変でした。ただ、当時はVシネマや邦画に活気があった時代で、繁華街で実際にロケをしている作品がたくさんあったんです。写真よりも映像資料がたくさんあったので助かりました。

あとは人からのリサーチに尽きます。映像資料の通り部屋や町並みを作成してもやはり1988年っぽさは再現できません。小道具含め、当時既に成人していた関係者などに話を聞いて参考にしています。例えばコピー機や部屋にとりつけられたクーラーの大きさとかなど、映像資料だけでは追いきれない情報を収集し、グラフィックを作っています。



――ストーリーに目を向けると、ストーリー上死んでしまった人物が再び登場することも有り得るのですか。

横山氏:当然生きているべき人間は生きてます。嶋野や柏木、風間のおやっさんは当時から地位を築いていたので必然的に存在します。また郷田龍司はこの頃まだ12歳ですが、彼も登場しますよ(笑)。

――子供の頃の龍司は、想像がつかないですね。

横山氏:メインストーリーではなくサブストーリーですが、しっかり登場します。今までの歴史が破綻しないように気を使っていますし、ファンの方がクスッと笑っていただけるような仕掛けができれば良いなと思ってます。

――真島吾朗を主人公に据えた理由を教えて下さい。

横山氏:理由は2つです。一つはファンの方からの期待が大きかったということ。もう一つは、真島が主人公の条件を満たすことができたということです。

私は現役の極道をナンバリングタイトルの主人公にはしないというポリシーを持っています。これはユーザーの方からすればあまり気にならないことなのかもしれませんが、エンタテインメントに携わる人間、特に『龍が如く』のように裏社会を深く描く作品作りに携わる人間は、自らの倫理観に基づいた信念を持っていることが重要だと常日頃考えています。

基本開発者はサービス精神が高いので、ユーザーの皆様に求められたモノに対して「応えたい!」という気持ちが強く作用します。しかし様々な各論的な要望に対して無造作に応えていくと、ひとつの作品としての統一性も失ってしまい、結果、誰に楽しんでもらうか分からない商品ができあがってしまう。

私としては、現役の極道を主人公にしないというポリシーは、クリエイターとして自分が作った作品に責任を取るということと同義だと考えています。少し話がズレましたが、今作を制作するにあたり、ストーリー考案の初期段階で、自然と真島が極道組織をドロップアウトし、堅気として生きているという流れができたので、これなら大丈夫と思い、主人公に据えた次第です。今回は桐生も組織から追われる立場になりますしね。



また、真島はナンバリング過去作において主人公らしくない行動を取るキャラクターですが、本作ではプレイヤーの方に近い「ニュートラルな存在」になっており、キャラクター的に主人公に向いていたというのも彼を主人公にしたもう一つの理由です。

本作では、真島がなぜあのような人間になっていくかが描かれます。ですから、作中での真島はいたって真面目で礼儀正しく、みなさんが思い描く真島像とはまったく違うと思います。こういった人間性の変化が描けるのであれば、主人公にするのも面白いと考えました。

――若い頃の桐生や真島を描くうえで、意識したことはありますか。

横山氏:若いということは経験が浅く、未熟な面が多々あると思いんです。なので、桐生はとても短気な性格で、感情で動くタイプになっています。皆さんが知る2005年以降の桐生であれば受け止められることに対しても怒ってしまうんです。真島はまったく逆で、何事にも耐える性格になっていて…どちらも等身大の若者として描かれています。

――過去の物語を描くと聞いたときの、キャスト陣の反応はいかがでしたか。

横山氏:これまでの桐生や真島が到底言わないようなセリフもありますし、大変そうではありましたね。というのも黒田さんと宇垣さんは、演じているキャラクターと年齢が近く、桐生や真島とともに年齢を重ねてきていたんです。これまで自然に演じられてきたところが一気に若返ったので、声づくりには苦労していたみたいです。

――桐生と真島の物語は、どういった形でリンクしていくのでしょうか。

横山氏:『龍が如く4』は秋山編や冴島編が独立して収録され、すべてを終わらせると初めて次の主人公へ進む形でしたね。しかし本作は、桐生と真島の話が交互に語られます。2人はそれぞれ別々の事件を追っているのですが、それが徐々に繋がっていくイメージです。



――本作で初登場となるキャラクターで、特に注目してもらいたい人物はいますか。

横山氏:東京ゲームショウで公開したプロモーションムービーに登場したキャラクターは全員注目してもらいですが、久瀬(小沢仁志さん)と阿波野(竹内力さん)、渋澤(中野英雄さん)という堂島組の幹部は桐生の壁となる人間であり、風間のおやっさんの後釜を狙っている存在でもあります。桐生がビビるほどのキャラクターになっているので注目してほしいですし、私たちとしても自信のあるところです。

――セクシー女優の起用も話題になっていますね。

横山氏:『龍が如く』はシリーズを重ねるごとに女性のユーザーさんが増えていったのですが、今回は改めて男性が本能的に楽しめるゲームにしたいという思いがありました。ゲーム上のコンセプトも「金・女・暴力」を掲げていますが、これも根底には「男」というものを意識してのものです。

男性に対してダイレクトに訴えることができて、なおかつユーザーさん自信も乗って楽しめるものはなんだろうと考えた結果が、セクシー女優の人気投票でした。これまでだったらゲーム上にキャラクターとして登場するだけで終わっていましたが、本作では仲良くなると実写の映像を見ることもできます。

私自身は、コンシューマタイトルのあり方として「現実とゲーム空間の架け橋なることはできないか?」と常に考えており、今作の開発初期段階からセクシー女優さんとのコラボレーション企画を同時に進めてきました。例えばユーザーの方々がリアルに好きな女優さんを求めてゲーム中捜しまわるのもよいですし、逆にゲームの中でそのキャラクターを好きになって、女優さんの出演作品を観て、ファンになるきっかけとなれればよいなと。

『龍が如く』というタイトルを中心に、リアルと仮想が繋がっていく… 宣伝とかそういうのは別にして、実在する「人・モノ」を使うことで、よりゲームが身近で面白くなる、そんな仕掛けに取り組んでいます。

――セクシー女優の方々の演技力はいかがでしたか。

横山氏:これまでのシリーズでさまざまなオーディションをやってきましたが、全ての方の演技が上手かったわけではありません。しかし今回に関しては、皆さん驚くほど上手かった、というのが正直な感想です。「究極の演技」という表現が正しいのかは分かりませんが、普段から大がかりな撮影をこなしているだけあり、全員肝が座っていて、収録スタジオに入ってもプレッシャーに負けないんです。女の度胸を見せつけられた感じです(笑)。



――ケンカバトルはどのような進化を遂げているのでしょう。

横山氏:本作では桐生と真島それぞれがスタンダード・パワー・スピードという3種類の型を使い分けられるようになっています。『龍が如く 維新!』では武器を変更することで戦い方が変わりましたが、現代劇では初めてですね。これまでにあったケンカバトルの発展形であるスタンダードも含めて、モーションを一から作りなおしているため、主人公6人分のバトルスタイルを作っている感覚です。

――街に落ちているものを武器として利用することも『龍が如く』の特徴ですが、そこにも88年ならではものも存在するのでしょうか。

横山氏:もちろんありますよ。特に今回は桐生の「壊し屋スタイル」などでは、街中に置いてある武器になるモノをオートマチックに拾うようになっており、さらに一度拾うとめったに離しません。これまでは敵に殴られると案外あっさり落とすこともありましたが、今回は徹底的に武器での攻撃を楽しめるスタイルを用意しました。ということもあり、今まではおまけ程度でしかなかった武器が、非常に重要になっています。

――真島をバトルで動かせることも大きな魅力ですよね。

横山氏:シリーズをプレイしてきた方は、敵としての真島を知っているので分かると思いますが、最初はあそこまでトリッキーな動きができるわけではありません。成長とともに、あのスタイルへ近づいていくイメージです。もちろん、まるでダンサーのような真島らしいバトルスタイルも収録されています。



――成長システムは『龍が如く 維新!』にもあったRPGの要素を組み込んでいるのですか。

横山氏:そうですね。ただ、今作に「経験値」という概念は存在せず、成長も能力もすべて金で買うシステムになっています。普段のアイテムを買う資金と共有なので、プレイスポットで遊びすぎてしまうと、能力を上げるのに時間がかかってしまいます。

普通のゲームだと、突き詰めていくと金を使う機会がなくなってくるものじゃないですか。今作では、いくらお金があっても使い道がなくなることはありません。能力の中には延々と上げられるものもあるので、半永久的に金を使うことができるようになってます。

――PS4では2作目の『龍が如く』ですが、開発環境に変化はありましたか。

横山氏:現代劇の『龍が如く』はPS4では初めてとなりますが、『龍が如く 維新!』でのノウハウは確実に活きていますし、スムーズに開発できたと思います。時代劇よりも街中で描くものが多くなるので、そこは工夫が必要でしたけど。

――日本でのPS4の普及ペースは海外と比較してゆっくりとしたものですが、どう感じていますか。

横山氏:9月1日のソニーさんのカンファレンスや東京ゲームショウを見ても、この先一年くらいの間に、PS4を中心に国内外のタイトルが集まることを実感しました。その流れもあり、今後日本国内でも、自然と普及していくのは間違いないと。また、買わざるを得ない状況というか、買ってでも遊ぶ必要性が出てきたとき、ハードは適切に正しく広がっていくものだと思います。

――PS Vitaは、今回どのように活用されるのでしょうか。

横山氏:簡単に言うと、予定しているPS Vitaの専用アプリを利用すれば、ゲーム中に使用する金を集めやすくなります。外出先で金を稼いで、それをクロスセーブで本編データへと反映できます。これに関しては『龍が如く 維新!』の時と同様です。

その他にはPS Vitaでしか遊べない要素もあります。例えば「パチスロ」などがその一つですが、ゲーム本編中に「パチスロ」は登場していません。88年当時にもパチスロは一応あったのですが、システム的にも古いもので、再現しても面白くはないと考えました。そこで、時代にマッチしないけどユーザーさんに遊んでほしいゲームは、PS Vitaアプリに集約させることにしました。

――なるほど。では最後に、『龍が如く0 誓いの場所』をどのような作品に育てていきたいか、展望を教えてください。

横山氏:開発チーム一同、過去編という意識は全くなく、ナンバリングの完全新作として制作しています。結局は未来に行こうが、過去に行こうが、『龍が如く』から続く“地続きのストーリー”なので、作り手として意識の変化はありません。ナンバリングタイトルとしてユーザーさんが期待している内容に仕上げていきますので、楽しみに待ってもらいたいです。

また、大人の方がバブルという時代を懐かしみながら楽しむのもありですが、個人的には若い人にこそ遊んでもらいたいと思っています。



私も1988年はまだ小学生で、バブルの時代というものを実際に味わったことがありません。「きっと大人になればああやって遊べるんだ!早く大人になりたい!」と思っていたら、バブルは崩壊。結局、あのギラギラした危うくも楽しそうな空間で遊ぶことはできませんでした。ですから、逆に今はゲームで楽しめるのかと思うとワクワクしています。

若いユーザーの方にも「日本にはこんなにもギラギラして楽しい時代があったのか!」と思ってもらえるようなゲームにしたいと思っています。

――ありがとうございました。
《ユマ》

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