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初音ミクとセガの歩みを振り返るイベント開催、5年分の開発秘話から「思ったよりも売れちゃったな」まで

電子の歌姫・初音ミクとセガによるコラボレーションプロジェクト「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」が本日5周年を迎え、その記念すべきアニバーサリーを祝うイベントが実施されました。

任天堂 3DS
まずは初音ミクのライブから始まった5周年イベント
  • まずは初音ミクのライブから始まった5周年イベント
  • 開幕と同時に3曲も熱唱してくれました
  • セガと初音ミクの歴史を紡いできたお三方
  • 赤裸々な開発秘話が飛び出します
  • グルメリポートをする一幕も
  • 仲睦まじい一枚
  • 本音トークシヨー、その名に偽りなし
  • 5年もの歴史には、数多くの出来事がありました
電子の歌姫・初音ミクとセガによるコラボレーションプロジェクト「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」が本日5周年を迎え、その記念すべきアニバーサリーを祝うイベントが実施されました。

ボーカロイドの名を一躍広め、また今も第一線で活躍するボーカロイド、初音ミク。彼女の力を借りて楽曲を発表した方はもちろん、公開された名曲の数々をその歌声と共に楽しんだ方も数多く、もはや数え切れないほどとなっています。

そんな初音ミクの活躍の場をゲームへと拡げた「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」。家庭用や携帯機だけでも、PSPにPS3、そして3DSやPS Vitaへと拡がりを続け、彼女のファンのみならずリズムゲームユーザーの多くを魅了し続けていきます。そして本日、これまでとこれからを祝う「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project 5th Anniversary Party in JOYPOLIS」が東京ジョイポリスにて開催を迎えました。

19時になると同時にイベントの幕が開け、開始直後から登場した初音ミクが確かな歌唱力で3曲を披露。会場の空気が、早速幸せな音楽で満ちていきます。このイベントはニコニコ生放送でもライブで配信していたため、この3曲に心を振るわせた視聴者の方々も数多かったことでしょう。

そして一段落したライブから場を引き継いだのは、『初音ミク -Project DIVA-』シリーズのプロデューサー・林 誠司氏と、『初音ミク Project mirai』/『初音ミク Project DIVA Arcade』シリーズのプロデューサー・大崎 誠氏。そして自らを指して「雑用全般」と称した、『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project』統括プロデューサーの内海 洋氏、セガと初音ミクの関係を語る上で決して外せない3人です。

節目となる5周年を祝うと同時に、『DIVA』シリーズと『mirai』シリーズの累計出荷本数が250万本を達成したことも発表され、会場からはこの記録を賞賛する声があがります。数字を見ると好調間違いなしと言える初音ミク×セガのコラボですが、制作に関しては苦労も多々あったとのこと。

その開発秘話は、トークコーナー「これっきり? 本音でトークシヨー」にて、年表でその歴史を振り返りながら語られました。まず。全ての始まりとなったPSP版『初音ミク -Project DIVA-』。こちらは2008年8月31日に発表されましたが、第一弾映像の内容は製品版と色々変わっており、「企画を通すために無理矢理作ったデモでした」と、最初からかなりのハイペースで秘話がこぼれ出します。

とにかくそれっぽく見えるものを大急ぎで作ったとのことですが、「でも実機で動いているんだよ」と、はめ込みによる合成でないことも明かします。なお最初期のプロジェクトメンバーは5人ほど。確かにこの人数では、少々の無理は通さないといけない状況だったのかもしれません。

一作目の『DIVA』を発表したのが2008年8月31日、そして実際に発売されたのは翌年の7月2日。この約1年間には、「色々あった」との重い言葉が。また3月くらいには発売できるはずでしたが、その時の出来映えはあまりよろしくなかったそうです。林氏曰く、「開発がものすごく深い谷に落ちた」と、当時の背景を伺わせる一言を呟きます。

しかし開発の終盤にはクオリティも一段と上がり、ユーザーの手元に届く完成度へと登り詰めることができました。「出来ないかなと思ったんだけど、なんとかなりました」と、当時を振り返る林氏の表情も印象的です。

そして2009年8月31日に、3DCGの初音ミクが初登場するライブイベント「ミクフェス'09 (夏)」が開催されますが、このイベントの映像を大崎氏に頼んだのは7月16日。そしてキャプチャーを行ったのは8月15日。イベントで使われたあの映像は、このような驚きのスケジュールで実現したことが判明します。

なお『DIVA』の売上に関して、「思ったよりも売れちゃったな」と内海氏が赤裸々な発言を漏らしますが、その売れ行きはセガとしても予想を上回っていたらしく、自社の製品を社内で買うことができず「外で買えと言われた」と、大崎氏が当時入手に苦労した思い出を語ります。一般店舗でも売り切れており、購入するのに1週間ほどかかったそうです。

この後も開発秘話が後を絶たず、『初音ミク -Project DIVA- 2nd』に関しても引き続き内海氏が「これも結構売れちゃって」と軽快な口調で明かす場面もあり、また2011年に制作していた『初音ミク -Project DIVA- extend』が震災の影響で1ヶ月ほど仕事ができなかったと明かすと同時に「ゲーム作れるのって幸せなんだな」と林氏が実感を滲ませるひとときもあり、様々な想いが交錯するこぼれ話が溢れるように続きました。

こうして歩んだ5年の歳月で、PSPに3DS、PS3やPS Vitaと、4機種に渡って数多くのタイトルをリリース。またアーケードやiOS/Androidへの進出、そして海外にまでその場を拡げた定期的なコンサートの開演など、活躍ぶりがぎゅっと詰め込まれた5年間と言えるでしょう。

そしてイベントの最後に、これからの初音ミク×セガの第一歩となる、『初音ミク Project mirai Remix』の欧米およびアジア展開が発表。『初音ミク Project mirai』をローカライズするだけでなく、PVやルームイベントなどの一部に手を加え、完全版とも言える内容でのリリースになることを明かしました。

ひとつの節目を超えた、初音ミクとセガによる音楽を楽しむコラボレーション。新たな一歩は海外進出の発表から始まりましたが、次はどのような嬉しい提案を見せてくれるのでしょうか。6周年、7周年、そして10周年と、更なる歴史が紡がれることを期待するばかりです。

(C) SEGA
(C) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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