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【そそれぽ】第78回:動画付き!ボカロPの筆者がVOCALOID機能をイジって『大合奏!バンドブラザーズP しもべツール』を使ってみたよ!

任天堂 3DS

楽器の設定などを行うメイン画面
  • 楽器の設定などを行うメイン画面
  • 五線譜に音符を置いていく形で制作
  • さまざまな設定も用意
  • 鍵盤をタッチして入力することも可能
  • ボーカロイドの歌詞入力
  • ボーカロイドの設定はかなり細かい
  • 発音を細かに設定することで「神調教」することも夢じゃない
  • ビブラート(声のゆらぎ)の設定
インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第78回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

最近はめっきり何もしていませんが、実は筆者、作・編曲家という肩書きを一応持っていたりします。ゲームのキャラソンを作ったり、タイアップ曲の制作に携わったことも一応あったりしますが、そんな経歴を持ちつつ個人的に「ボカロP」をやったり、なぜか今はゲームのニュースをひたすら書いています。人生って何が起きるかわかりません(笑)。

というわけで、今回プレイするのは任天堂のニンテンドー3DSダウンロードソフト『大合奏!バンドブラザーズP しもべツール』です。

音ゲーがそんなに得意でない筆者は『バンブラ』シリーズ未経験であります。『バンブラ』がどんなソフトか簡単に説明すると、皆でいろいろな曲を「合奏」できる音ゲーで、最大の売りは好きな曲を作ってアップロードしたりダウンロードできたりするところ。実際にCDなどで売られている曲もアップロード・ダウンロードOKなので、職人による完成度・再現度の高い曲が人気になったりします。もちろんダウンロードした曲で合奏することも可能。「遊ぶ」と「作る」を両立させた音ゲーなのですな。

その最新作である『大合奏!バンドブラザーズP』が11月14日に発売されます。今回プレイする『しもべツール』は、その作曲ツール部分だけを切り出し、先行配信されている期間限定の無料ソフトで、『バンブラP』発売前に職人が頑張って曲を作り、発売直後からアップロードできてしまうという、まさに「しもべ」のためのツールソフトというわけです(笑)。

前置きが長くなってしまいましたが、筆者も一応音楽クリエイターの端くれ。『バンブラP』の作曲でどんなことができるのか、気になる「VOCALOID」はどの程度歌ってくれるのか、早速プレイして試していきたいと思います!今回はサンプルに動画も用意しているので、その話もまじえながらお届けしていきます。

※画像はiPhoneで無理矢理ニンテンドー3DS LL本体画面を撮影したものです。
※動画はiPhoneで撮影、音声はPCに取り込み、音量のみ編集して作成されています。ほぼ原音の状態となっているため、ホワイトノイズ等はご容赦ください。



■操作の9割はタッチペン
操作の9割は下画面を使いタッチペンで行います。残りの1割のボタン操作は少し便利な機能を使うかどうかといった部分なので、そこまで気にしなくても大丈夫そうです。上画面には常に説明が表示されているので、機能や用語がわからなくても安心仕様になっています。


■楽器数は十分、充実のシンセ
さまざまな曲を再現、あるいはオリジナル曲を作るにあたり、必要最低限の楽器は用意されていると思います。特にシンセサイザー系の音が充実しているので、このあたりを上手く使えると、カッコイイサウンド作りに一役買いそうです。

【サンプル動画の話】
エレキギター系の音がひと昔前のDTM(デスクトップミュージック)的なのは、さすがに1本のソフトの「一部の機能」としてはココが限界かと妥協。ロックなノリの曲を作るには技術や工夫が必要そうです。



■「ドレミ入力」と「コード入力」
「ドレミ入力」は、五線譜に音符を単音で置いていく入力方式です。メロディーやベースなどはこれで入力することになると思います。「コード入力」は、指定したコード(Cならドミソみたいな)と音の長さを指定して置いていく入力方式です。ピアノの伴奏などはこれで入力することも多くなるかと思います。「コード入力」にはある程度サンプルのリズムパターンもあるので、考えつかない人はそれを使うのもテ。リズムがわかる人は、音符(この場合音程は関係なく長さのみ)を置いてリズムパターンを作りましょう。

【サンプル動画の話】
左から聴こえるシンセサイザーと、右から聴こえるロックギターの音は「コード入力」を使っています。鍵盤系楽器とギター系の弦楽器で、用意されているコード入力の方式が若干違い、ギターであれば、どの弦を弾くかといった指定が可能。サンプル動画のギターでは、高音部分はほとんど鳴らさず、低音部分で刻んだり、パワーコード(Cだったらドとソだけ鳴らす)っぽいの音を出したりしています。



■最も安価でシンプルな「VOCALOID」ソフトの誕生
五線譜に置かれた音符に、文字を1文字ずつ置いていくという非常にシンプルな作りです。しかし合成される歌声は紛れもなく「VOCALOID」。本家PCソフトに比べると、細かな調整やいわゆる神調教をさせるための応用は利かないものの、音質の調整、ビブラートの調整など基本部分は負けず劣らずしっかり搭載されています。

予め用意した歌詞を流し込むこともできますが、どうしても意図とは違ったズレが出てきて二度手間になってしまったり、発音させる際に「VOCALOID」ならではの工夫が必要になったりするので、あまりオススメできず。はやり1音ずつ、1文字ずつ入力していく方が正確です。

【サンプル動画の話】
ベタ打ち(デフォルトのまま、特に調整を施さない状態)でもかなりちゃんと歌ってくれるという点にかなり驚きました。サンプル動画では、VOCALOIDがベタ打ちであるという点も意識して聴いて頂ければ幸いです。



■トラック数「10」の限界
「VOCALOID」そのものをソフトの中に入れてしまうという大それた仕様の本作ですが、その分トラック数が10というのはいささかもの足りなく感じました。VOCALOIDに関しては、メインのメロディーの楽器をそのまま差し替える形になるので特に問題ないのですが、困ったのが、ドラムのパート。キック(バスドラム)とスネアが同じカテゴリに属されているため、キックとスネアを同時に鳴らすには、2つトラックを用意しなければならない点です。ダンスミュージックを作りたい人間からすると、この仕様はもう少しなんとかしてほしかったです。

【サンプル動画の話】
どうしてもハズせない音があるため、ドラムのトラックに3つも割いてしまいました。そのため、再現度を上げるためにできる工夫もやってはいるのですが、物理的な限界もあり、やりたいことができずに不完全燃焼な部分があります。



■というワケで完成したものがコチラになります
自分のVOCALOID曲「Next Stage」を『バンブラP』用にセルフミックス。ワンコーラスだけですが『バンブラP』の作曲機能がどのぐらいのポテンシャルを秘めているか、どんなことができるのか、いくらかの参考になるかと思います。ぜひぜひ聴いてみてくださいね。画的にはほぼ動かないので、耳を傾けながら先を読み進めて頂けるとありがたいです(笑)。


YouTube 動画URL:http://youtu.be/Km3uf9yQw8c


■ピアノロールを採用しないのはなぜ?
基本的には五線譜に音符を置いていくスタイルで曲を制作していきます。もちろん「一般的に」はこれが一番わかりやすいと思います。しかし、「VOCALOID」をはじめ、本格的に曲を作ったり、DTMを嗜んでいる人間からすると「ピアノロール」(音の高さを縦に、音の長さを横に表す、音楽制作ソフトの一般的な形式)の方が断然浸透しているし作りやすいのではないか思いました。


■16分音符以下が欲しい
せめて32分音符まであれば、もっと効果音的に面白い音も入れられたのに・・・と思ってしまいます。とは言え、これは最終的に「合奏」することを想定していない発言で、テンポの速い曲で32分音符を正確に演奏するのは至難の業。あくまで「作曲ツール」として見たときの意見として捉えて頂ければ幸いです。


■総評:作曲はもちろん「VOCALOID」の入門にもなるソフト
声を大にして言いたいのはPCでの本格的な制作を含めて「VOCALOID」についてどんなものか知りたい人は、期間限定の今のうちに『しもべツール』をダウンロードしてイジってみることを強くオススメしたいということ。本家PCソフトとは制作方式が異なるものの、そのポテンシャルは本家PCソフトに引けを取るようには感じませんでした。『しもべツール』は11月13日まで無料でダウンロードすることができるので、ぜひ試してみてほしいと思います。

このソフトでできることは「作曲」なので、誰もが楽しめるソフトというワケではありませんが、こっちの方向に興味を持っている人にとっては、何かしら足掛かりになるソフトでもあります。期間限定配信なので、製品版を買うかどうかはあとから考えるとして、興味を持ったら即ダウンロードすることをオススメします。

作曲ツールとしては、決して優れていて使いやすいというワケではありません。が、上画面に常に「何をするための機能か」が説明表示されるので、「理解」はしやすいと思います。

【こんな人にオススメ】
・『バンブラP』で曲作りする気満々の人
・音楽制作に興味がある人
・「VOCALOID」に興味がある人

筆者は中学生の頃、当時アスキーから発売されていたスーパーファミコンソフト『音楽ツクールかなでーる』から作曲を始めた人間です。ピアノを習っていたわけでもなく、ギターが弾けるわけでもない人間が、ゲームソフトにおける作曲からスタートして、一応仕事で音楽を作るところまで行けました。

『バンブラP』をきっかけに、明日の作曲家が誕生しても全くおかしくありません。音楽を「楽しむ」から「作る」に興味を持った人は、ぜひ無料の本作を触ってみてください。作ることを楽しく感じたら、どんどん作って遊んでみてください!『かなでーる』は『バンブラP』の何十倍も作るのがめんどくさいソフトでしたよ(笑)。


【そそれぽ】第78回、いかがでしたでしょうか?これがタダでできてしまうのだから恐ろしい世の中です。これもまた、任天堂の目指す「Free to Play」のひとつなのかもしれませんね。次回もどうぞお楽しみに!


■余談:ボカロ曲もけっこう投稿可能ですぜ
公式サイトの「投稿可能曲検索」にあるように、「JASRAC」もしくは「JRC」という音楽著作権管理団体に「インタラクティブ配信」が委託管理されている楽曲が投稿可能楽曲となります。噛み砕いて言うと、投稿したい楽曲がネット配信OKかどうかをその2つの団体のサイト調べてコード番号をコピー、公式サイトでコード番号をペーストして結果OKならば投稿可能というわけです。

意外と知られていないのが、ボカロ曲がけっこう「JASRAC」に限らず「JRC」に登録されているという点。好きなP名を「JRC」で検索してみてください。きっと、けっこうヒットすると思います。かく言う筆者も、VOCALOID曲のネット配信は「JRC」で委託管理していて、今回サンプル動画にした「Next Stage」も例外ではありません(JRC作品コード 0031952JRC)。

リクエストする側も、作曲・投稿する側も、投稿可能曲検索を上手く使ってみてくださいね。


『大合奏!バンドブラザーズP しもべツール』は、好評配信中(2013年11月13日まで使用可能)で価格は無料です。

『大合奏!バンドブラザーズP』は、2013年11月14日発売予定。価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに4,800円(税込)です。

(C)2013 Nintendo Developed by INTELLIGENT SYSTEMS
Powered by VOCALOID
VOCALOIDはヤマハ株式会社の登録商標です。
VOCALOID is registered trademark of Yamaha Corporation.
協力:1242 ニッポン放送


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》

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