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【SIG-Glocal#11】ブラジル人が日本のゲームに望むこととは? 留学生によるブラジル人ゲーマー調査・・・GDC2013報告会

「GDC2013ローカリゼーションサミット報告会」にてHAL東京在籍の留学生William Iamazi Ferro氏は「留学生によるブラジル人ゲーマー調査」と題した基調講演を行いました。

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NPO法人IGDA日本のグローカリゼーション専門部会(SIG-Glocalization)は、2013年05月25日(土)に東洋美術学校で「GDC2013ローカリゼーションサミット報告会」を開催しました。2つある特別講演のうち、ひとつ目はHAL東京在籍の留学生William Iamazi Ferro氏による「留学生によるブラジル人ゲーマー調査」です。

調査はFacebookを使ってインターネット上のゲームユーザー60~70名を対象にアンケートを行ったもので、「ブラジル人ゲーマーが日本ゲームに期待すること」と題されて紹介されました。なお、調査対象はほとんどが男性であったとのことです。

「海外をターゲットに製作された日本のゲームをどう思いますか?」という最初の質問には、70%に及ぶ回答が「とても良い」、または「良い」と好意的な反応を示しているのが印象的で、全体的にやや好意的な回答が多く寄せられたように感じました。

10ある質問のなかでも極めて異質だったのは「日本人ゲーマーはどんな人だと思いますか?」に対する回答です。この質問には1位の「オタク」に続いて、2位に「忍者」という回答が登場し、会場が大きく沸きました。なお、William氏によると「忍者」はハードコアゲーマーやゲームの上手な人を指す言葉になっているのだそうで、単に「忍者」という意味合いではないことを強調していました。

「彼らはなにをプレイすると思いますか?」という質問では「色々バランスが取れている」という項目に回答が集中する一方、「ハードコアなもの」という回答がそれに続いているのが印象的でした。ただし、「日本はブラジルとは文化が違うので戦争ものは不人気ではないか」という分析をした回答者もいたそうで、これに対してWilliam氏は「少なくとも自分の周りの日本人には『Call of Duty』のような戦争をモチーフにしたゲームをプレイしている人はいる」と反論。続く質問「どのジャンルを最も盛んにプレイしますか?」といった質問においても、JRPGやアクションRPG、アクション・横スクロールといったジャンルに回答が集中していることもあり、ある程度日本人のゲームファンについてステレオタイプのようなものがあるのでしょう。

講演名である「ブラジル人ゲーマーが日本ゲームに期待すること」に最も合致する質問「今の日本のゲーム市場の最大の問題は?」については、「言語、ローカライズ」という回答が半数近くを占めており、日本のゲームをプレイしたいという欲求が垣間見える結果となりました。これは「日本でのみ発売されているゲームをどう思いますか?」という質問に対して「もっとたくさん輸出してほしい」、「あと少し輸出してほしい」という項目に回答が集中したことからも明らかでしょう。

これらの調査結果を受けてWilliam氏は「国内外で批判を受けることの多い日本のゲームだが、文化が合わないというよりもバリエーションを望んでいる側面が強い」、と指摘。法律やレーティングといったようなさまざまな問題はあるものの、日本のゲームへの期待はやはりあるので、そこにうまく進んでいければよいのではないか、と本講演をまとめました。

会場からの反応も上々で、質疑応答ではブラジルのゲーム事情についていくつか質問がなされました。特にブラジルではゲームが賭け事のカテゴリに入ってしまうため、100%を超える税率がかかってしまうという話は、会場内でも衝撃だったようです。この高い税率は結果的にブラジル人がパラグアイにゲームを買いに行くことにつながっており、場合によっては税率の高さが海賊版の横行にもつながっているだろう、とWilliam氏は推測しました。短い特別講演でしたが、普段はなかなか知ることのできない貴重な意見を知る機会となりました。
《千葉芳樹》
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