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【GDC 2013】デモは最大2時間待ち!バーチャルリアリティのベンチャーが語るゲームの未来

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エキスポ会場でのデモは最大2時間待ち
  • エキスポ会場でのデモは最大2時間待ち
  • Oculusの創始者、パーマー・ラッキー氏
  • キックスターターで240万ドルの投資を集めた
  • ゲームは技術によって進化し、技術による制約を受ける
  • スカイダイビングのような体験を共有するには?
  • VRは究極のメディアで新しい扉を開ける
  • VRの技術的課題は数多く残されており、今も進化途上
  • ゲーム開発者は前人未踏のVRの世界を切り開く先兵
GDC2013で一躍注目を集めたのが、PC向けヘッドマウントディスプレイ(HMD)の商品開発を行うベンチャー企業、Oculusです。

エキスポブースに設置されたデモ機「Oculus VR」には行列が絶えず、最大2時間待ちという人気ぶり。ヘッドトラッキングと連動し、頭を動かして周囲を直接確認できます。ディスプレイはS3Dによる立体視となっており、視野角と臨場感は抜群。従来のHMDが映画の視聴など汎用性を高めた結果、虻蜂取らずになっていたのに対して、本製品はゲームそれもFPSなどに特化した作りになっているのが特徴です。

解像度は片眼が640×800ピクセル(両目で1280×800ピクセル)で、二つの画像を重ね合わせて立体感を表現しており、スペックだけ見ると物足りなさを感じるかもしれませんが、体験者の感想は非常に良好。早くも「これでFPSやフライトシムなどをガンガン遊びたい」という声が聞かれました。特に体験者の周囲を包み込むような、広い視界が印象的なようです。すでに開発機は7500台が用意されており、3月中に発送される予定。一般販売は2014年がみこまれています。

Oculus VRを一躍有名にしたのが、キックスターターでの投資です。E3 2012で発表され、8月1日にキックスターターに掲載されると、25万ドルの目標額をわずか数時間で達成。最終的に約9倍の240万ドルの調達に成功しました。Valveやid-softwareといったFPSでおなじみの企業からも支援を取り付けました。公式サイトには『Doom』のジョン・カーマック氏ら、業界の大物のポジティブなコメントが並びます。

GDCでは二つのスポンサードセッションを実施しましたが、どちらも満員御礼で、入りきれない人がドアの前に行列を作るほど。その人気ぶりを見せつけました。ここでは創始者のパーマー・ラッキー氏自らがバーチャルリアリティ(VR)に対するビジョンを語った「Virtual Reality:The Holy Grail of Gaming」の内容についてレポートしましょう。

ラッキー氏は「ゲームは体験の共有である」と切り出し、(疑似)体験を共有できるメディアの歴史について振り返るところから始めました。最も古典的で現在も廃れることのないメディアには書籍があります。映画もそうでしょう。一番最後に登場したのが(これまでの)ゲームです。しかし書籍(のキャラクター)は読者に触れることはできません。映画は視聴者に反応しません。過去のゲームもまた、プレイヤーを本当に没入できる世界へと誘ってはくれません。そこで登場した福音がVRというわけです。

「スカイダイビングのような体験を、どうやったら私たちは共有できるでしょう?」とラッキー氏は問いかけます。ゲームデザイナーもまた、本当に没入でき、センセーションで、遊び手の感情を呼び覚ますようなツールを求めていると語ります。そのためには新しい種と仕掛け、すなわち技術が必要で、それがVRである。VR用にデザインされたゲームはメディアとしてのゲームの価値を一変させ、今までできなかった様々なことが可能になる。新しい時代の扉を開く。ラッキー氏の主張はシンプルで明確です。

もっとも、こうした言説は今に始まったものではありません。1990年代のいわゆる「マルチメディアブーム」にも、HMDとセンサーグローブを装着したイメージがマスメディアで多く見られました。しかし技術的な課題は多く残されており、HMD自体が一過性のブームとして消費されつくしてしまった感があります。こうした状況に対してラッキー氏も「VRは前人未踏の世界で、まだ最初の一歩を踏み出したに過ぎない。ゲーム開発者はその可能性を切り開く探索者だ」と呼びかけました。

というわけで1時間のセッションは約30分で早々に終了(通常スポンサードセッションは「お金」で「セッション枠」を購入するため、非常に異例だと言えます)。デモなどを行うわけでも、派手なプレゼンがあるわけでもありませんでしたが、途中で退席する人は皆無に近く、最後まで質疑応答が盛り上がりました。キックスターターでの投資や会場でのデモが大きな宣伝効果を上げていたのだと思われますが、それにしても会場のポジティブな雰囲気には少々驚かされました。

コンソールのアーキテクチャがPCベースとなり、コンテンツの大作化が進む中で、業界は少々息切れ気味。一方でOUYAやプロジェクトシールドといったオープンプラットフォームが登場し、ゲームハードのコモディティ化が進行しています。こうした中でコアユーザーにハイエンドなゲーム体験を提供するという、ビジョナリーとしてのPCゲームの位置づけが、大きくゆらいでいるのも事実。Oculusはそうした混迷のPCゲーム業界に久々に提示された「福音」でありなのかもしれません。
《小野憲史》

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