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【プレイレビュー】シリーズ最大級のサバイバル!『ファークライ 3』日本語版プレビュー&ゲームプレイ動画

先にリリースされた海外では、オープンワールドを採用した自由度の高いシステムや、勧善懲悪を揺るがすストーリーテリングが特に評価を得ていたUbisoftの大作FPS『Far Cry 3 (ファークライ3)』。

ゲームビジネス 開発
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先にリリースされた海外では、オープンワールドを採用した自由度の高いシステムや、勧善懲悪を揺るがすストーリーテリングが特に評価を得ていたUbisoftの大作FPS『Far Cry 3 (ファークライ3)』。2013年3月7日にリリース予定となる日本語版をいち早くプレイする事が出来たので「シングルプレイ」、「マルチプレイ」、「マップエディタ」のプレビュー情報を4回に分けてご紹介。今回はゲームのメインとなる、シングルプレイキャンペーンモードを実際のゲームプレイ動画も交えてお届けします。

絶海の孤島ルークアイランドで描かれる狂気のサバイバル


まずは、『ファークライ3』のストーリーを簡単におさらいしておきましょう。物語の舞台となるのは、薬物や暴力といったあらゆる犯罪で支配された絶海の孤島ルークアイランド。それを全く知らずにバカンスを楽しんでいた主人公ジェイソン・ブロディとその仲間たちは、ある日突然人身売買を生業とする海賊団に拉致されてしまいます。護衛の目を盗み、命からがら海賊のアジトからの脱出に成功したジェイソンは、囚われた仲間を救出する為、そして生きて島から脱出する為に一人、卑劣な海賊達へ戦いを挑む事に……。

シリーズの原点に返った南国のフィールド

『ファークライ』シリーズの一番の魅力といえば、やはり広大なロケーションのオープンワールドマップが挙げられるでしょう。本作では初代『Far Cry』を彷彿とさせる南の島のジャングルが舞台となり、豊富なロケーションやリアルタイムで行動するNPCも大幅にパワーアップ。

ホワイトタイガーやコモドドラゴンといった危険生物は人間であれば見境無く襲って来るので、遠くから様子を伺っていたら動物に襲われて敵が全滅していたり、はるか遠くから聞こえた悲鳴や銃声を頼りにその場に向かってみると、敵の死体の周りをうろつき回る動物の姿が……。なんて事も頻繁に起きるのは本作ならでは。


初めて訪れた土地は通常マップには一切情報が表示されず、周囲の情報を得るためには、付近の電波塔を有効にしていく必要があります。電波塔を有効化する事によって周囲に生息する動植物の位置や隠されたアイテムの位置等も確認出来る様になり、各地域を占拠する海賊たちの拠点地の位置表示も可能に。また、その拠点を壊滅させると、今度は付近のサブミッションがアンロックされていくという仕組みになっているので、メインミッションをそっちのけでついついマップと拠点の解放に熱中してしまう事も。

広大な島を移動する手段としてジープやボート、バギーなどビークルも豊富に登場。各種乗り物は島中の至る所に放置されているので探すのは容易。また、一度訪れた土地に瞬時に移動出来るファストトラベルも存在し、後半では簡易的ではあるものの、乗り物無しで空中滑空も可能になります。


その他、旧日本軍の遺跡や洞窟、小さな離島などがマップのあちらこちらに点在。コレクションアイテムや財宝が眠っているような場所も多いのでストーリーだけで無く綺麗な南国を観光するのも楽しみの一つです。皆さんも実際のプレイの際には是非お気に入りの絶景スポットを探してみてください。人によっては本編以上のメインフィーチャーになってしまうかもしれません。

ゲームシステムはRPG寄りに


新たな試みとしてクラフト要素が追加。野生動物や生い茂る植物から採取出来る素材を組み合わせる事で、回復薬やインベントリの拡張などゲームを優位に進める為のアイテムの制作が可能となりました。クラフト素材を収集する為の狩りはゲームのスパイスへと一役買っており、野生動物を警戒させないよう慎重に近づいたり、逆にマシンガンで奇襲を掛けてみれば発砲音を聞きつけた海賊もやってきてしまったり……。といった具合に、一般的なシューター作品とはひと味違う戦略性を持っています。

初期状態でジェイソンが装備出来る武器は一つだけで、グレネードなどの投擲武器の所持も限られています。進行に詰まってしまった場合、手持ちの装備品と自分の腕前をもう一度見直し、必要ならば狩りでアイテムを充実させてからリトライするのが攻略のポイントです。


クラフト要素に加えて、経験値を貯めてアンロックしていくスキルなど、システム面においてRPG的な要素の追加はシリーズ全体を見ても大きな変化の一つ。スキルは大まかに分けて身体能力や薬物の効果時間などを永久に上昇させるパッシブスキルと、戦闘に特化したアクティブ系に分類出来ます。各スキルはツリー形式の為ある程度のプランが必要になるもの、自分のプレイスタイルに合わせた育成が可能。また、スキル取得に必要な経験値の獲得方法は、戦闘終了時やミッションクリアの報酬といった一般的なものから、一度も発見されずに敵拠点を制圧、隠されたアイテムの発見などバリエーションも豊富です。

ビデオゲームの常識をくつがえす大人向けのストーリー

ゲームは全般を通して仲間達を救出するという本来の目的から、戦いを重ねるに連れて徐々に変化していくジェイソンの内面にスポットを当て進行。銃を取り敵を打ち倒していくというシューティングゲームのコンセプトそのものに迫り、任務遂行の為にゲームで殺人を行うプレイヤー自身の倫理に投げかけるテーマを持っています。

物語の冒頭、海賊の拠点から脱走したジェイソンは、バースの実妹シトラ率いる“ラクヤットの戦士”のメンバー、デニスに救出され自らも戦士として身を投じる事に。最初は怯えているだけだったジェイソンも、海賊との戦いを繰り返していくうちに、次第にゲームを楽しむプレイヤーと同じように殺人を楽しむ様になっていきます。その変化の様が顕著に描かれている序盤の麻薬農園襲撃ミッションの動画を用意したのでそちらもご確認ください。


ネタバレとなってしまう為、細かくは紹介出来ませんが、主人公であるジェイソンと悪役のバース、そして主人公を操作するプレイヤーの3人はある共通点を持っています。そして、それぞれに感情移入させる演出が頻繁に見られ、多くのゲームで描かれる暴力や殺人に対してのアンチテーゼを投げかけるストーリーが展開。

海賊との戦闘が中心となっていた序盤ミッションとは打って変わり、ストーリー中盤では戦時中に残された中国軍の遺跡探索がメインに。入り組んだ遺跡の中はトラップや仕掛けが配置されており、道中ではアドベンチャーゲームの様に簡単なパズルを解いて進んでいく場面も存在。現代的な地上とはまた違った雰囲気でゲームを楽しむ事が出来ます。

また、ドラッグによる幻覚を通してジェイソンの精神世界が明らかとなっていき、葛藤する内面の様子が物語の進行と共に描かれていきます。このトリップ描写が凄まじく、一言では形容しがたい不条理でサイケデリックな世界は大きな見どころ。


旧日本軍にまつわる手紙やレリックなど100種類以上のコレクション要素も存在し、エンディング後も継続してプレイする事が可能なので、やりこみ要素はたっぷり。南国島への回帰など、Crytekの初代『Far Cry』へのリスペクトがあるのは、従来のシリーズファンにも納得の行く内容であると同時に、充実のゲームボリュームと洗練された全体的の作りにより、過去のシリーズを一切プレイしていないゲーマーにもおすすめできる作品と言えます。

【製品情報】
タイトル:ファークライ3
ジャンル:ファースト・パーソン・アドベンチャー
発売日:2013年3月7日 発売予定
希望小売価格:7,770円(税込)
対応機種:PlayStation 3、Xbox 360
プレイ人数:オフライン1人~2人、オンライン最大14人
CERO:Z(18歳以上のみ対象)

(C) 2013 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.
Based on Crytek's original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek's technology "CryEngine".
《Game*Spark》
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