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【GDC2012】オートデスクに聞く次世代への取り組みや任天堂との提携

ゲームビジネス 開発

 
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GDC2012の会場にて、オートデスクでメディア&エンターテイメント部門のマークス・ティーブンス副社長とロブ・ホフマン シニアプロダクトマーケティングマネージャーにお話を伺いました。

主なトピックは、次世代に向けた取り組みである「Project Skyline」、今後のプラットフォーム戦略、任天堂とのパートナーシップなどです。

ロブ・ホフマン氏(左)、マーク・スティーブンス氏(右)


―――スティーブンさんよろしくお願いします。ちょうど一年前のGDCでもお話を伺いましたが、その時点からのアップデートを教えていただけますでしようか?

マーク・スティーブンス: この間のオートデスクの取り組みは大きく3つの分野があります。

まずはゲーム業界の様々なプレイヤーとの関係強化に努めて、より多くのタイトルに我々のミドルウェアが採用される環境づくりを進めてきました。「Unreal Engine」「CryENGINE」「Unity」といったゲームエンジンとのインテグレーションや、一昨日発表したばかりの任天堂とのパートナーシップです。

2つ目はミドルウェアが提供される環境を広げることです。モバイルやカジュアルゲームといった分野でも採用していただくための努力です。最新のScaleformのバージョンでは2Dのゲームエンジンとしても使えるようになりました。これによりFlashのゲームをより簡単にiOSやAndroidで動かせるようになります。他にも多くのミドルウェアがモバイル対応を進めています。

Scaleformを2Dのゲームエンジンのように利用できるように


最後に昨年のGDCに発表した「Project Skyline」です。元々オートデスクはクリエイションツールで知られていますが、そこに各種ミドルウェアが加わってきました。この2種類の製品の橋渡しをするのが「Project Skyline」です。既に製品間のインポート用に共通仕様を持ったFBXというファイル形式がありますが、これを先に進め、単純にファイルの受け渡しではなく、直接クリエイションツールとゲームエンジンを繋ぎ、例えばアートワークを変更したらそのままリアルタイムにエンジン上で変更が反映されるようなものにしようとしています。これにより、イテレーションが容易になり、それはゲームのクオリティアップに直結するはずです。

―――「Project Skyline」の進捗はどのような状況でしょうか

我々はこのプロジェクトに大きな投資を行なっています。いまは一部のデベロッパーさんで次世代のプロジェクトに使っていただいて、「Project Skyline」がどのように動くのか、本当に効率化に繋がっているのかどうか検証している段階です。

―――その「次世代」というのは・・・

まだ言えません(笑)。ただ、今後出てくるような新しいハードの性能を必要とするようなタイトルです。非常に面白い、興味深いものになるのではないでしょうか。

―――「Alienbrain」のようなファイル管理システムとは異なるのでしょうか

そうですね。「Project Skyline」には幾つかの意味がありますが、コンテンツ制作側とゲームエンジン側の最適なパイプラインを作るというものです。私が英語を喋っていて、あなたは日本語です。ここには通訳がいますが、それが不要となるようなものです。中々上手く理解をするのは難しいのですが、今回のGDCのために弊社で『Hyperscpace Madness』というゲームを作成し、「Project Skyline」の説明をしています。こちらのムービーを見ていただければ分かりやすいのではないかと思います。



―――提供開始時期はいつ頃でしょうか?

まだ固まっていません。コンセプト自体が新しいもので、先程も申し上げたように現在は次世代のコンテンツ作りの現場で試してもらっているところです。そのフィードバックを受けながら改善をしている段階で、少なくとも年内はこのフェーズが続くと思います。具体的な提供時期については来年のGDCでは明らかにできると考えています。


―――続いてモバイルでの取り組みを聞かせてください。Scaleformが2Dのゲームエンジンとして機能するようになるということですが、その他のミドルウェアではいかがでしょうか?

Human IKは既にモバイルをサポートしていて、Beastも面白いのではないかと思っています。Beastはベイクマップを用いてライティングを行うミドルウェアですが、リアルタイムに処理をする必要がないので負荷を抑えられます。それでいて質の高いライティングが行えますので、モバイルでも活用ができると思います。その他の製品もフィードバックを受けながら取り組みを進めていきたいと思います。

―――プロ以外の開発者にもオートデスクの製品の利用を広げる取り組みなどはありますでしょうか?

マーク・スティーブンス: まずは価格設定については、作っているゲームのタイプや予算によっても変動するもので、魅力的なものになっていのではないかと思います。

ロブ・ホフマン: インディーや個人デベロッパーなど比較的新しく参入した方に対して、ツールを学ぶために色々なセミナーを実施しています。また、YouTubeでもチュートリアルのビデオを配信していて、コミュニティも活発になっています。加えて、無償からも利用できるゲームエンジンに我々のミドルウェアが含まれるようになっています。「Unreal Engine」にはScaleform、「Unity」にはBeastという風にです。こういうところで初めて我々の製品に触れるユーザーも増えていくと思います。

―――スマートテレビやChromeブラウザのようにゲームを遊ぶ環境の多様性は増しています

まずスマートテレビに関しては、モバイルプラットフォームと似たテクノロジーが採用されることになると思いますので、現状のサポートの延長線上で問題ないと思っています。ツールやコンテンツには共通性があります。

一方、Chrome Native Clientなどブラウザに関しては以前からグーグルと協議を行なっていまして、コンパイルができないか、プラグインなしで実行環境を作れないかなど、今も継続しています。今は発表できる内容はありませんが、ブラウザ対応については検討を進めているところです。


―――任天堂との提携というのも大きなトピックスです

今回の提携に基づいて、任天堂がライセンシー向けに提供するWii UのSDKに我々のミドルウェアが含まれることになります。プラットフォームホルダーがミドルウェアを包括的にライセンスしてサードパーティに提供するというのは今までにないケースになります。

もともと任天堂さんとの関係は数年前にさかのぼります。我々はScaleformを3DSでも提供しようと投資を行なっていて、これが高く評価されました。また、Wii Uの開発環境をどうするかという際にサードパーティさんから我々のミドルウェアを推すケースが多かったということもあるようです。

―――Wii Uのライセンスデベロッパーはオートデスクのミドルウェアを自由に利用できるように?

その通りです。但し、Beastは含まれていません。Beastは合意の後に加わったものだからです。含まれるのはHumanIK、Kynapse、Scaleformの3つです。


―――昨年はAIのGRIP Entertainmentの買収がありました。他に興味のある分野はあるのでしょうか?

基本的にはお客さんのリクエストに基づいて考えています。具体的に名前を挙げることはできませんが、モデリング、テラン、エフェクト、オーディオ等々、我々が持たない分野は長いリストができるくらいあります。そうした中でゲーム開発のワークフローを改善するために関心を持っている分野は当然あります。

―――ちなみにゲームエンジンの「Wild Pocket」の買収でこの分野もやるのかと思ったのですが

ブラウザベースのカジュアルゲームを得意とする「Wild Pocket」の買収については、エンジン自体というよりも経験豊かな開発者を獲得することに目的がありました。オートデスクもこのウェブベースの技術分野は強化しています。既に彼らはゲームミドルウェアを含む様々な分野の開発で活躍しています。「Wild Pocket」自体はオープンソースのゲームエンジンとして公開しています。


―――最後にオートデスクとして、更に開発が複雑化するであろう次世代に向けての取り組みを教えて下さい

まずは「Project Skyline」です。これによってデベロッパーはコンテンツ制作の部分とそれをゲームとして動かす部分までを今以上に効率的に行えるようになります。また、それだけでなく個別の製品に関しても次世代機のゲーム作りに対応できるように強化を図っていきます。同様のことはミドルウェアだけでなく、Max、Maya、Softimageといったアートツールにも言えます。

―――ありがとうございました
《土本学》

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