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【GDC2012】Facebookプラットフォームで今後重要なのは「モバイル」と「クオリティゲーム」

ゲームビジネス 開発

GDCの初日と二日目は集中講義的なサミットやチュートリアル中心で構成されています。また、スポンサー付きの講演もあり、その中の一つ「Facebook Developer Day」を覗いてみました。スポンサーはフェイスブックで朝から夕方まで7つのセッションで、同社のプラットフォームで開発する際に有益な情報が共有されました。

その最初のセッションとなった「Facebook Outlook」ではフェイスブックでパートナーエンジニアを務めるGareth Morris氏からFacebookの現状や、ゲームに関する取り組みについて紹介されました。

ゲームチームによって様々な機能が追加されてきた


パートナーエンジニアとは聞き慣れないポジションですが、これはフェイスブックのプラットフォームを構築する為のエンジニアの名称。特にゲームに力を入れているそうです。同社では2010年初めまでゲーム専属のチームは無かったものの、急速に整備が進み、現在では約40名が専属で開発に取り組んでいるとのこと。このチームはプラットフォームのエコシステムの整備に当たっており、過去6ヶ月に導入された新しい通知機能やインバイトシステムなどの機能を実現してきたとのこと。

会員数の増加本格的なゲームも揃ってきた


Facebookの現状ですが、サイト全体では8億4500万人の会員がおり、約半数が毎日ログインしています。既に「マス」と呼べる市場を形成しており、会員の交流があります。この交流にはゲームが大きく貢献していて、いわゆるFacebookでのソーシャルゲームに関連して、昨年には11億ドルのデベロッパーへの投資、22億ドルのM&Aがあり、フェイスブックからデベロッパーに支払われた金額は14億ドルに上ったそうです。

プラットフォームとしてのFacebookが昨年から今年にかけて取り組んでいるのは「モバイル」「ソーシャルグラフ」「クオリティゲーム」という3つの分野です。

まずモバイルには全体の半分に当たる約4億2500万人がアクセスをしているという状況。モバイルアプリについても6000万人以上がアクセスしています。FacebookといえばPCというイメージもありますが、モバイルも無視できない規模になっています。Morris氏は成功するための鍵として「リクエスト」(画面が小さくなり通知がより重要に)、「ブックマーク」(ネイティブのインストールアプリも表示できる)、「サーチ」(探す手段が限られる)、「ペイメント」(モバイルでも容易に)の4つを挙げました。

■FacebookとAppStoreの連携でヒットアプリを

ここで登壇したのはwoogaでCEOを務めるJens Begemann氏。同社はFacebookのみにフォーカスして開発を行なっているソーシャルゲームデベロッパーで、大ヒットしたパズルゲーム『DIAMOND DASH』で知られます。同作品は昨年3月にFacebookでリリース、間もなくiOSでもリリースされ、家ではFacebook、出先ではiPhoneというように、Facebook Connectを使うことでシームレスにプレイでき、かつ同じイベントを全てのプラットフォームで提供するなどして、ユーザーのエンゲージメントを高める事に成功しているとのこと。

人気タイトル『DIAMOND DASH』スマホ、タブレット、PCという一連の流れを構築FacebookからAppStoreという流れ


特に注目されるのは、FacebookのバイラルをAppStoreにも誘導しているということ。Facebookで友達にインバイトを行った場合、PCで見た場合はPC版に飛びますが、iPhoneでチェックした場合はAppStore(もしくはインストール済みの場合はそのまま起動する)ということを実現しているそうです。これによるインストールへの誘導は膨大で、ヒットを支えた要因になったとのこと。データや施策を共有していることから、モバイルでの成功はPCの成功を更に加速させることになります。

PCで開発をしているデベロッパーにとってもモバイルは欠かせないものになるかもしれません。

■質の高いゲームでARPUも向上

フェイスブックが力を入れるもう一つはクオリティゲームです。続いて登壇したのはKIXEYEのWill Harbin CEOです。同社は『Backyard Monsters』『Battle Pirates』『War Commander』といったリアルタイムストラテジーをFacebook向けに開発。カジュアルから一歩離れた本格派ゲームとして売り込んでいます。

本格的なゲームを開発するKIXEYEどのタイトルもコアユーザーがターゲットアバターではなく時間短縮アイテムでマネタイズ


同社は「模倣ではなく革新を」「量より質を」「利益よりも情熱を」という目標でゲーム開発を行っています。作りこまれたゲームはコアなゲームユーザーに支持されていて、そのことから男女比率では97%が男性。平均のプレイ時間が30分を超えるなど他のソーシャルゲームには無い特徴を持っています。また、アクティブユーザーの寿命は7ヶ月を超えているそうです。

マネタイズの面でも、アバターでは無く無骨な(?)時間短縮アイテムの販売に注力し、売上の85%は時間短縮アイテムによるものだそうです。それでも毎月売上は過去最高を更新し続けており、2011年の売上は2010年の11倍にまで拡大したとか。一般的なFacebookのソーシャルゲームのDAUに対するARPUは0.04ドルと言われますが、KIXEYEのタイトルはその20倍を超えるとか。

Facebookのゲームユーザー数は頭打ちであるという調査結果もあり、このような一部のターゲットに絞り込み、高い収益を上げるというモデルは今後より一層注目されそうです。

今年のフェイスブックの取り組みは引き続き「モバイル」と「クオリティゲーム」、さらに当然ながら「ソーシャルグラフ」の強化という点に尽きそうです。デベロッパーにとっては益々目の離せないプラットフォームと言えそうです。
《土本学》

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