最速ゲーム情報メディア: インサイド
follow us

【CEDEC 2011】ニンテンドーDSを防災情報の伝達手段に活用した佐渡市の事例(後編)

【CEDEC 2011】ニンテンドーDSを防災情報の伝達手段に活用した佐渡市の事例(後編)

2011年9月8日(木) 09時45分
  • 携帯ゲーム機とXMLによる防災・災害情報共有システムの実装の画像
    携帯ゲーム機とXMLによる防災・災害情報共有システムの実装
  • 東京大学・中川氏の画像
    東京大学・中川氏
  • RSSとDSを組み合わせるの画像
    RSSとDSを組み合わせる
  • 情報の伝達手段の画像
    情報の伝達手段
  • オフトークの画像
    オフトーク
  • J-ALERTというシステムの画像
    J-ALERTというシステム
  • 若年層の通信デバイスはDSが圧倒的の画像
    若年層の通信デバイスはDSが圧倒的
  • システムの概要の画像
    システムの概要
  • LAMP環境で構築の画像
    LAMP環境で構築
  • OpenPNEを利用の画像
    OpenPNEを利用
  • 書き込みをRSSとして配信の画像
    書き込みをRSSとして配信
  • DSはWi-Fiで接続の画像
    DSはWi-Fiで接続
  • RSSを読んできて読み上げるの画像
    RSSを読んできて読み上げる
  • 実際の画面の画像
    実際の画面
  • インターネット接続が必須の画像
    インターネット接続が必須
  • 河本産業・木村氏の画像
    河本産業・木村氏
  • 緊急情報が届いたの画像
    緊急情報が届いた
  • 緊急情報の内容の画像
    緊急情報の内容
  • 記事一覧の画像
    記事一覧
  • 地域情報も配信されるの画像
    地域情報も配信される
  • 技術的な問題点の画像
    技術的な問題点
  • 仕様の問題の画像
    仕様の問題
  • 政治的な問題の画像
    政治的な問題
  • 重要なポイントの画像
    重要なポイント
  • マルチユースできるの画像
    マルチユースできる
  • まとめの画像
    まとめ

震災復興支援技術特別セッション「災害に立ち向かうゲーム、ゲーム機: ゲーム研究最前線 TODAI Baba Game Lab」の後半では馬場研究所と河本産業が共同で取り組んだ『佐渡市向け 防災・地域情報提供システム』が紹介されました。

これは行政からの依頼を受けて馬場研究所と河本産業および地元のNPO法人の協力を得て実現したもので、簡単に説明すれば防災情報や地域情報をニンテンドーDSという圧倒的な普及をしている端末向けに配信するというもの。裏のシステムはオープンソースのCMSで生成したRSSを読むという非常にシンプルなものになっています。

防災情報を伝達する手段としてはテレビやラジオといったマスメディアの他にも、オフトークや防災無線などの手段がありますが、どれも大きなコストがかかるものです。ニンテンドーDSは数千万台が普及していて、特に小学生の普及率は88.9%(内閣府調べ)にも上っていることから、新たな情報の伝達経路として着目されました。

ウェブ側のシステムはオープンソースのCMSであるOpenPNEを改造したものを使用。通常のRSSを生成しているだけです。サーバー環境も極一般的なLAMP(Linux、Apache、MySQL、PHPというウェブで良く使われる構成)環境であり、何の変哲もありません。

ニンテンドーDSソフト側はWi-Fiでインターネットに接続し、RSSの内容を読みに行きます。内容は『お料理ナビ』で採用されたシャープ製の音声合成システム「SpeakPal」で読み上げられます。読み上げ用の辞書は地元の地名などを入れ込むカスタマイズを行っているとのこと。

システム自体は非常に枯れた技術を使っており、5000人を対象に運用する想定でも月額1000円程度のレンタルサーバーで余裕をもって対応できたとのこと。問題点としては情報をプル型で取得するため、リアルタイムに災害情報を伝達するというのは難しいという点が挙げられのまた。今回のソフトでは5分に1度情報を取得するため、最大で9分59秒のラグが考えられます。

また、ゲーム機ということから、RSSから情報を取得してそのまま表示する方法では、どのような文章が表示されるか分からないという点で任天堂は難色を示したそうです。この点はCMSで入力できる内容を制限し、投稿も一部のメンバーだけに限定することで回避をしたとのこと。

ちなみにRSSを使用していることから情報は別の用途でも利用でき、実際に新潟港から佐渡島に渡る際のフェリー乗り場のデジタルサイネージで利用されているとのこと。

ゲーム機を使った伝達手段という事例で、どうしてもラグがあるということや運用をNPOが行うということでクリティカルな用途に使用するには課題があるようですが、情報を伝える手段を増やす、しかも安価な環境で、というのは意味のあることと言えるのではないでしょうか。

(Article written by 土本学)

ゲームビジネスアクセスランキング