その後、2年もの時を経て2011年のChina Joyにて公開していたのが、『無限世界-インフィニットワールド-』です。「E-Pie Entertainment時代のスタッフは、皆、成功者だよ」と満面の笑みで語る曾氏。「最低ランクでもどこかの部署の部長級にまでは昇進していた」(同氏)。そんな古巣を離れ改めてゼロからMMORPG開発に取り組んだ理由は、ゲームそのものが示していました。
■過去から未来、現実から幻想世界へ~一つのゲームに詰め込んだ多様な世界に創り手の思いを実感する
趣遊天際の一作目となる『無限世界~インフィニット・ワールド~』(以下、『インフィネットワールド』は、前述の作品群に携わった開発スタッフを中心に総力をあげて開発されたMMORPG。
従来の作品と圧倒的に違いがあるのが、中華文化の影響が色濃い「武侠世界」、西洋ファンタジー的世界観を集約した「龍城世界」、SFジャンルの世界観を集約した「星際世界」、そして、世紀末、荒廃的近未来の世界観を中心に構築された「輻射世界」と実に多様な世界観が、パラレルワールドとして一つの巨大な「大宇宙」に繋がっているという世界観。プレイヤーキャラクターはそれぞれの世界へと赴くことが出来ます。
職種も武侠、法師、特殊兵、ロボット操縦士と実に多様。これらのプレイヤーが一同に会するとゲームワールドが一体どうなってしまうのか気になります。本来は、複数のゲームに成り得るアイデアを一つにまとめたという野心作と言えるでしょう。実際のデモでは、仙女のようなキャラクターを使い、光り輝く蝶の様な羽で世界中を飛び回りながら移動していたのですが、同キャラクターがそのまま「星際世界」の宇宙基地を飛び回る姿に驚かされました。考えて見れば、ゲームですから、SF世界に突然仙女が現れることもアリなわけです。
既に海外ゲームパブリッシャーとも話を進めていると曾氏。マレーシアやシンガポールについては最終段階にあるとのこと。同氏の開発実績が、プリセールスも狙える程ということでしょう。実際、『インフィニットワールド』に関する情報は、英語や、ベトナム語でも確認することが出来ました。すくなくともMMORPG業界では中国のゲームクリエイターも世界の多くの人たちが注目しているということだと思います。中国ゲーム産業が本格的に立ち上がって10年が過ぎましたが、その成長はクリエイター自身の成長からも垣間見ることが出来ます。
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