人生にゲームをプラスするメディア

【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム

世界で最も著名なカジュアルゲームメーカーとなったPopCapの創業者の一人でチーフ・クリエイティブ・オフィサーのJason Kapalka氏がその大ヒットタイトル『Bejeweled』の誕生について赤裸々に振り返りました。

ゲームビジネス 開発
【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
  • 【GDC2011】毎日1億回以上遊ばれる不朽の名作パズル『Bejeweled』の10年を振り返るポストモーテム
今回のGDCでは「Classic Game Postmortem」としてクラシックな人気タイトルの開発秘話を振り返るシリーズが全10タイトルで実施されています。4日の午後には世界で最も著名なカジュアルゲームメーカーとなったPopCapの創業者の一人でチーフ・クリエイティブ・オフィサーのJason Kapalka氏がその大ヒットタイトル『Bejeweled』の誕生について赤裸々に振り返りました。

2010年で10周年を迎えた『Bejeweled』Jason Kapalka氏


10周年を迎えた『Bejeweled』は中毒性の高いパズルゲームとして知られます。Kapalka氏は冒頭このような話で切り出します。「10年前、『Bejeweled』を作ったんだと言っても"なにそれ?"という反応でした。でも今同じ事を言うと"なんてものを作ってしまったんだ"と言われてしまうんです」このゲームは大勢の睡眠時間を奪った実績があります。これまでに5000万本が売れ、5億人がプレイ、費やされた時間は70億時間にも上るそうです(ディスクロージャー: この数字には筆者が費やした時間も含まれます)。

良い子のPopCapのような最近からは想像できない社名セクシー(?)なポーカーゲームを作っていたそうな


PopCapはKapalka氏と二人の友人が立ち上げました。ここで明らかにされた最初のシークレットはそう、最初の社名が「Sexy Action Cool」だったということ。この衝撃の事実に会場は爆笑。しかも最初のゲームは勝つと女の子が脱いでいくストリップポーカー『Foxy Poker』だったのだそうです。しかし余り上手くいかなかったらしく、"ポルノ業界"の教訓として「生半可な気持ちでは無理。だから辞める事にした」と話し、「Sexy Action Cool」という社名については「社名は付いて回るので慎重に考えた方がいい。お母さんがどう思うか考えた方がいい」と振り返っていました。

パネル型パズルの系譜(Jesper Juul氏)『コラムス』ではなく『Color Games』のパクリと主張(ウェブゲームだそうです)

初代の画面


真剣にポルノをやる気にはなれなかった3人はPopCapという社名に変えてパズルゲームに挑戦します。ブロックを上下左右に入れ替えて3つ並べると消えるというもの。当初は『Diamond Mine』という名前でしたが『Bejeweled』の誕生です。Kapalka氏はセガの『コラムス』に似ているという指摘に対して「違う、『Bejeweled』は『Colors Game』をパクった」とジョーク。真偽はともかく、アニメ・サウンド・時間制限・レベル・グラフィック・スコアなどの要素を追加したのが今の『Bejeweled』になっています。

Kapalka氏はゲームデザインを振り返って良かった点として、「ゲーム上級者の声を無視してデザインしたこと」「自分達が楽しめるようなゲームを作った」を挙げました。また、ドットコムバブルが崩壊した頃で、誰かに売却したり投資を受けたりしてなかったのも幸運だったと振り返りました。

『Bejeweled 2』『Bejeweled Twist』
iPhone『Bejeweled』facebook『Bejeweled Blitz』


大ヒットした『Bejeweled』は続編が登場することになります。『Bejeweled 2』が2004年に、『Bejeweled Twist』が2007年に、iPhoneでも2008年に登場、翌年にはfacebookで『Bejeweled Blitz』という風にプラットフォームを変えても変わらない人気を誇っています。「Blitz」は1日1億3000万回遊ばれ、4兆5000万個以上の宝石が消されているそうです。途方もない回数ですね。

『Bejeweled Blitz Carnage』の公式ルール(?)


最後にKapalka氏は最新作としてみんなで遊べる『Bejeweled Blitz Carnage』を紹介。まず集まったら全員iPhoneで『Bejeweled』を起動します。そして1分間の「Blitz」に挑戦。一番スコアが低かった人は、一番高かった人とスコアを比べて1万点違う毎に1杯お酒を飲む、というもの。もちろんこれもジョークですが、実際やるとなかなか楽しいかもしれません。皆さんも飲み会の席ではぜひ(?)
《土本学》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. 「キミの心の応援団長」バーチャルYouTuber富士葵が込める想いとはーーキーマンインタビュー

    「キミの心の応援団長」バーチャルYouTuber富士葵が込める想いとはーーキーマンインタビュー

  2. なぜ「アイカツ」のライブ映像は、ユーザーを魅了するのか…製作の裏側をサムライピクチャーズ谷口氏が語る

    なぜ「アイカツ」のライブ映像は、ユーザーを魅了するのか…製作の裏側をサムライピクチャーズ谷口氏が語る

  3. ドット絵を自分の手で再現できるキット−「Magnetic Pixels」

    ドット絵を自分の手で再現できるキット−「Magnetic Pixels」

  4. さよならハドソン、過去の名作をCMで振り返る

  5. 「日本と海外におけるゲーマーにとってのリージョン制限」・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第22回

  6. 任天堂ミュージアムに行ってきました!

  7. ゲーム1本の開発期間は平均16ヶ月、開発者の38%が据置機に携わりたいと思っている…CEDECのゲーム開発者調査が公開

  8. USJのVRジェットコースター「XRライド」がヤバ過ぎる…レールのない空間を走り、前振りなく急落下する

  9. 吉本興業が手掛けるe-Sportsチームとリーグの運営とは?「吉本興業e-Sportsセミナー」レポート

  10. 「2021年最も活躍したと思うゲーム実況者は?」第1位に輝いたのはあの“インターネットヒーロー”!

アクセスランキングをもっと見る