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【GDC2011】中東諸国のゲーム市場の現状と課題・・・いずれは成長市場に?

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Games Markets in the Middle East
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2月28日、ローカリゼーションサミットの最後を締めくくる講演では、Corbomite GamesのCEOであるオデドシャロン(Oded Sharon)氏とquirkatのCEOであるマフマドアリ(Mahmound Ali)氏によって「Games Markets in the Middle East: Opportunities and Challenges (中東諸国のゲーム市場〜チャンスと課題)」が催されました。

講演は会場にいる人達が全員立って行うゲームで始まりました。講演者、または会場にいる人が自分の公用語をあげ、その言葉を話す人が複数人いたら、その人たちが座るというものです。結果、ウェールズ語を話す男性が誰ともかぶらず、そのゲームは終了しました。講演内容はこうした言語的にマイノリティーである国のローカリゼーションが持つ課題点と利点を述べていく形となりました。

ゲームを行っている会場内の様子


実際の講演は前後半に分かれ、マフマド氏が最初に講演。中東諸国(中東〜北アフリカの22カ国)の市場について概説されました。その人口規模は4億人で、7500万人のインターネット人口を持ち、累積で4000万台以上の携帯電話が販売されています。人口の4割以上が25歳以下と若年層の割合が高く、インターネットユーザーの6割がオンラインゲームをプレイしており、ゲーム全体の市場規模は1000億円。フェイスブックユーザーの上昇率がどこの国よりも速く、世界全体のトラフィックの15%を占めるとのこと。インターネットユーザーの潜在的な可能性が講演全体を通してアピールされていたといえます。

前半に講演を行ったマフマド氏とその横のオデド氏


また、この地域のゲーム市場には興味深い傾向があります。プラットフォーム別のゲーム売上げではモバイルが圧倒的で、コンソールの割合は海賊版の存在もあって低いのが現状ですが、そのうちPS3のシェアが半分以上を占めるのです。また、PS3とXBOX360のマルチタイトルで、PS3版の売上げがXBOX360版の7倍ということもあったそうです。

プラットフォーム別のタイトルの売り上げ


本題のローカリゼーションでは、アジア産のMMORPGの成功が紹介されました。迅速なローカリゼーションに加えて、回線状態があまり良くなくても動作する点や、文化的な受け入れやすさが短期間の成功へとつながったとのことです。オリジナルゲームの開発も行われています。PCゲームの『アラビアンロード』(Arabian lord)というシムシティ系のゲームは最も人気のあるゲームの一つ。コンソールゲームでもPSPタイトルの第1号となった、カードゲーム『バシャ』(Basha)も紹介されました。
写真5‥‥キャプション:アラビアンロード(右上)とバシャ(左下)

しかし、中東諸国には課題も多く残されています。海賊版の存在もその一つですが、オンラインゲームが流行のきざしを見せている一方で、クレジットカードの普及率が低いこと。多くの投資家が中東市場の潜在的なチャンスに気づいていないこと。さらには宗教や文化の違いがもたらすローカリゼーションの難しさ、などです。特にRPGなどは言語の問題が大きく、ストラテジーなどが参入には望ましいのではないか、とされました。

後半はオデド氏によって、イスラエル市場の概要が紹介されました。イスラエルの人口は約7600万人で、75%がユダヤ系、20%がアラブ系という人口構成です。第一言語はヘブライ語とアラブ語で、第二言語は英語ですが、ロシア語を話す人々も20%程度いるとのこと。「すべての子供にコンピュータを」という政策が1995年から続いており、同国企業が開発した基礎技術がキネクトにも応用されるなど、技術力の高さには定評があります。   

PCゲーマーの多いイスラエルでは、オンラインゲーム、フェイスブックゲーム、そしてここでも海賊版の需要が高いとのことです。ハードコアゲーマーの属性はアメリカやイギリスに近く、スポーツゲーム、FPS、レースゲームが人気ジャンル。PCゲーマー(400万人)、PS2(25万人)、Wii(10万人)と続きます。カジュアルユーザーではフェイスブック(300万人)、iPhone(50万人)、Android(14万人)といったところ。パッケージゲームの市場規模は4〜3000万円で、一本あたりの売上げは200〜300万円とされました。

イスラエルのゲーム人口の分類


ローカライズにおける課題点としてあげられたのが、ヘブライ語の対応です。前述の通り、イスラエルでは第二言語が英語ということもあり、ヘブライ語へのローカライズの必要性が希薄になりがちです。横書きの場合、英語は左から右に書き、ヘブライ語は右から左に書くなど、大きな違いもあります。同音異義語が多く、文化的な差異が大きいのも特徴。しかしこうした背景の裏に、ヘブライ語にローカライズされた子ども向けタイトルやオンラインゲームが大きな成功を収めたという事実があります。日本でもおなじみのブラウザゲーム「トラビアン」も、ヘブライ語版がサービスされてヒットしたタイトルの一つです。

ブラウザゲーム「トラビアン」(左)


このほかイスラエルで最も人気のあるお菓子のマスコットを用いたRPGで、アドバ(宣伝)ゲームの「「バンバ(Bamba)」では、登録者数が400万人、ユニークユーザーが80万人にのぼり、「2009 GameIS award」のベスト宣伝ゲーム部門を受賞しました。基本プレイ無料の子供向けバーチャルワールド「Mogobe」では、対象年齢層の3割がアカウントを開設し、課金ユーザーは4万人で、一人あたり6.5ドルを課金。2800万円の売上げを国内で達成しており、これはパッケージゲームの市場規模に迫るほどです。こうした事例を受け、「次世代のユーザーに向けて、ヘブライ語のローカライズがもたらす利益は大きい」と締めくくられました。

アドバゲーム「バンバ」「Mogobe」
《ひきちこうき》

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