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【CEDEC 2010】3D立体視分野にも積極展開・・・Scalefrom社CEOに聞く

Flashで制作したUIを家庭用ゲーム機などで動作させる「Scaleform GFx」を提供する米Scaleform社はCEDECに合わせてブレンダン・イリブCEOが来日。新バージョンを披露すると共に、立体視の分野を次の成長戦略とする事を明らかにしました。

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Flashで制作したUIを家庭用ゲーム機などで動作させる「Scaleform GFx」を提供する米Scaleform社はCEDECに合わせてブレンダン・イリブCEOが来日。新バージョンを披露すると共に、立体視の分野を次の成長戦略とする事を明らかにしました。

CEDECの開始に合わせて発表されたのが、3Dシアターの分野で全米2位という実績を持つMasterImage社との提携。会場のブースでは裸眼立体視で映像が観賞できるデモが用意されました。提携からどのような戦略を立てるのでしょうか。ブレンダン・イリブCEOに聞きました。

MasterImageの立体視デモ左は世界初の立体視携帯「H001」(日立/au) 同社の技術を採用


―――来日の最大の目的は

日本で最大の開発者向けカンファレンスであるCEDECは非常に重要な機会だと位置づけています。特に「Scaleform GFx」の新しいバージョンを日本のお客様に紹介し、フィードバックを得たいと思っています。

―――最新バージョンの特徴は?

今回は既に提供を開始しているバージョン「3.3」と年内にも提供予定の「4.0」を紹介しています。

まず「3.3」ではPS3/Xbox 360などの家庭用ゲーム機向けの機能改善が含まれており、3D立体視へと対応しました(注: Scaleformでは3Dメニューにも対応)。また、パフォーマンスの改善もされています。

これまでDSやPSPへの対応はありませんでしたが、「4.0」ではモバイルデバイスへの対応が核になります。iPhoneはまだ不透明ですが(注: アップルはFlashを利用したゲームを解禁する見込み)、Androidなどのスマートフォンに対応します。これまでの半分程度のメモリ使用量で動作するようにパフォーマンスの劇的な改善がされています。さらに、3D立体視の携帯ゲーム機への最適化も含まれます。

私たちはこれまで自社のことをFlash UIを提供する会社と言ってきましたが、今後はFlashでゲームを開発するためのプラットフォームという位置付けになっていくと思います。特にモバイル分野ではですね。一方で、既存のゲームエンジンとしてはUnity、Unreal、CryEngineと競合が多数ありますが、我々は2Dと3Dの両方の良いところをチョイスした2.5Dという考え方でやっていこうと思っています。

ブレンダン・イリブCEO


―――お客さんの感触は?

これからのお客さんにとってはScaleform GFx自体の生産性や機能性がアピールポイントになっているようです。現在のお客さんにはパフォーマンスの改善は期待が大きいようです。特に、マルチスレッドに対応することで格段の進歩が期待できます。

―――MasterImage社との提携の意味というのは?

モバイル機器での3D立体視を活性化させていく事を考えています。MasterImage社の優れた裸眼立体視技術と我々が2.5Dと呼んでいる非常にパフォーマンスの優れた3Dグラフィックレンダリングやミドルウェアの技術を使うことで、これまでモバイルでは実現できなかった3D立体視を実現していくことがゴールになります。

MasterImageの技術は既に日本で発売されている日立の携帯電話「H001」(※)に採用されていますが、今後もスマートフォンや携帯電話に採用が進んでいくことで、そこでのゲーム市場は活性化していくと思います。3D立体視のキラーコンテンツはゲームで間違いないでしょう。デベロッパーの皆さんには素晴らしいゲームを期待したいですね。

※世界初の裸眼立体視を搭載した携帯電話。au WIN対応。

―――なるほど

今年のE3でニンテンドー3DSを触り、とても印象付けられました。体験してみるまで、大したもんじゃないと思ってたんですけどね。WiiとDSを大成功させた彼らの未来を見る目は確かで、その向こうを張るのは得策ではないと思ってます(笑)。彼らは素晴らしい会社ですし、その任天堂がモバイルの未来は3D立体視にあるというのであれば、Scaleformもその未来に賭けてみようと思います。

―――ありがとうございました
《土本学》
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