TOP >> ゲームビジネス >> 市場 2010年9月1日(水) 00時43分
【CEDEC 2010】ディー・エヌ・エー南場社長「世界のモバイル市場で共に戦いましょう」

【CEDEC 2010】ディー・エヌ・エー南場社長「世界のモバイル市場で共に戦いましょう」

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今年のCEDECの特徴の一つが、ソーシャルゲーム関連のセッション数の急増です。その先陣をきったのが、「モバゲータウン」で大躍進を続けるディー・エヌ・エーの南場智子社長。本セッションはまた、ゲームを3日で開発する「CEDEC CHALLENGE/三日でゲームを作ってみる」のオープニングでもありました。


モバゲータウンについて、いまさら詳しく解説する必要はないでしょう。ケータイ向けSNSポータルサイトとして2006年にスタートし、2008年からゲーム配信を開始。本年1月にはモバゲーAPIを公開し、パートナー企業にプラットフォームを公開。4月にはYahoo!と「Yahoo!モバゲー」の提携を発表し、業界を震撼させたのも記憶に新しいところです。

南場氏ははじめに「CEDEC事務局から『3日でゲームを作ってみろ』と挑戦状が届きました。私たちは受けて立ちます」と宣言。会場の参加者から事前に投稿されたテーマから1枚、選択しました。

ところが、その内容を見て南場氏は唖然。なんと「mixiとGREEとモバゲーが激しく社員を奪い合って売り上げを競うゲーム」だったのです。しかし南場氏は「こんなのできるの~?」と苦笑しつつ、壇上でゲーム開発に挑む5名のスタッフを紹介。さっそく3日間限定の、CEDEC史上初となる短距離ゲーム開発がスタートしました。


本題に戻った南場氏は、はじめに山手線の車内で外国人以外、すべてケータイを触っている写真を紹介しながら、日本のモバイル文化のユニークさを紹介。国別モバイルインターネットのPVでも日本がダントツで、PCとケータイの月間PVも09年11月ごろに逆転したという社内調査を紹介しました。7月の月間PVでは、モバゲータウンのトップページの740億PVに対して、Yahoo!は全ページで485億PVだったという数字も披露。日本がモバイル先進国であることを示しました。

しかし、その日本のケータイ事業者も、こと海外市場ではまったく通用せず、ガラパゴスな状態が続いています。この理由について南場氏はコンテンツプロバイダーの立場から、全体の市場は大きいが、個々の市場が細分化されすぎていて、まったくうま味のない市場環境だったことが原因だと説明しました。

一例としてあげられたのがイギリス市場。6100万人と欧州最大規模の市場ですが、キャリアで最大シェアのボーダフォン(21%)、端末メーカーで最大シェアのノキア(33%)、現世代機の端末(約30%)とかけ算をしていくうちに、わずか126万人に減少します。仮に5%のユーザーがプレイしたとしても6万人。これではローカライズやテスト、営業などのコストがまったくペイしないというわけです。

ところが2009年、この現状に革命が起きます。言わずとしれたiPhoneです。iPhoneは市場の細分化というボトルネックを一掃し、コンテンツプロバイダーにとって初めて世界規模でビジネスが可能な環境を作り出しました。この成功に続けとばかりに、今日ではグーグル、ノキア、マイクロソフト、RIMといった企業がスマートフォン市場でシェアを競っています。しかし難波氏は寡占状態になるだけで、以前のような細分化市場は発生しないと指摘。コンテンツプロバイダーとして、心からスマートフォン市場の台頭を歓迎すると語ります。


一方でゲームプラットフォームについては(南場氏は自ら「門外漢によるシンプルな見方」を強調しました)、これまで任天堂、SCE、マイクロソフトといった企業がゲーム機の差別化を図る一方で、サードパーティはマルチプラットフォームによる効率化を推進。業界の両輪である両者でめざす方向性に違いがあり、これが国内市場の停滞の一因にも繋がった、という見方を示しました。これに対してモバゲータウンでは、キャリア横断型のバーチャルプラットフォームをサードパーティに提供することで、キャリアにとっても、サードパーティにとっても喜ばれる環境を作り上げてきたと説明しました。

その上で、今後はスマートフォンについても、同様のクロスデバイスなバーチャルプラットフォームを提案していくとコメント。スマートフォンの台頭で今後、3~5個の巨大な市場が誕生し、日本企業にも世界市場への進出チャンスが到来すること。ソーシャルゲームへの流れは不可逆的であり、OSやデバイスに関係なくプレイできることが、ユーザーの利便性を増加させること。そして「OSフリー、デバイスフリー」な世界を、自分たちで作り上げていきたいと語られました。

最後に南場氏は「8%:4%」という数字を紹介しました。これはモバゲータウンと、同社がアメリカのWAP向けに提供していた同種のプラットフォームにおける、ケータイ小説のユーザー投稿率。アメリカでは8%と、日本の4%の倍以上の登録ユーザーが、自作のケータイ小説を投稿していたというのです。ちなみに日本でもアメリカでも、共に親指キーの操作による入力で、当初は「海外では絶対に通用しない」と、どこにいっても否定されたのだとか。しかし、この数字によって、自分たちの創造性をネットコミュニティで発揮したいというニーズは万国共通のモノだとわかり、勇気づけられたとそうです。


「ポータブルでハンディなデバイスを所有したとき、ユーザーは何をしたくなるのか。それをどう提供するのか。その答えはは、日本のコンテンツプロバイダーが世界で一番知っているはず。そのアドバンテージは、あと1年は持つ」と南場氏は語ります。その上で一緒にグローバル市場に挑戦していきましょうと呼びかけ、講演を締めくくりました。



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(Article written by 小野憲史)
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