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本日発売の『ゴーストトリック』を最速レビュー(後)・・・「ゲーム一週間」水口真さん

「自らの存在が消滅する翌朝までに、自らの死にまつわる謎を探る」という緊迫した設定、そして洗練されたビジュアルが話題の『ゴースト トリック』。6月19日に発売日が前倒しになるというニュースも記憶に新しいところです。

任天堂 DS
ゴースト トリック
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「自らの存在が消滅する翌朝までに、自らの死にまつわる謎を探る」という緊迫した設定、そして洗練されたビジュアルが話題の『ゴースト トリック』。6月19日に発売日が前倒しになるというニュースも記憶に新しいところです。

「主人公は“タマシイ”となっていて、目の前の事件に直接介入できない」「“タマシイ”は明日の朝に消滅する」「ジャンルは“ミステリー”だが、画面写真を見ると文章を読み進めるスタイルではない」・・・と物語同様に謎めいたところの多い本作。

「どんなゲームなの?」と首をひねっている皆さんのため、「百聞は一見にしかず」ということで実際に体験してきました。

■文庫本のようなゲーム

現時点で『ゴースト トリック』を総括するなら「文庫本のように楽しめるゲーム」でしょうか。気軽で静かで後を引き、家だけでなく電車の中で遊ぶのにも向いています。

物語は謎また謎の急展開。追いつめられた主人公、ウィットの効いた会話、魅力的なサブキャラたち。先が見たくてたまらなくなる感じは海外ドラマにも近いのかもしれません。

タッチペンでタマシイをスライドしてとりつくという操作はシンプルで静か。周囲に人がいても気兼ねなく遊べそうです。

ビジュアルはちょっとダークでスタイリッシュ。キャラクターの動きが多彩で凝っており大人の雰囲気を漂わせています。音楽もゴージャス。発売から6年を経てニンテンドーDSもこなれてきましたが、リッチなサウンドが楽しめます。

さて、そんな『ゴースト トリック』とはどんなゲームなのでしょうか?


■“タマシイ”を目的地に導く

・・・ここはゴミ捨て場。女刑事「リンネ」が殺し屋「ド近眼のジーゴ」に追いつめられています。主人公の「シセル」は自らの死の謎を解き明かすべく、彼女を助けなければなりません。

殺し屋に狙われています


現在のあなたは“タマシイ”。周囲のゴミに“トリツク”(憑依する)ことと“アヤツル”(操作する)ことはできるものの、女刑事や殺し屋に直接“トリツク”ことはできません。どうすればこの窮地を切り抜けられるのでしょうか・・・?

言葉にしてしまうと相当に絶望的、かつややこしい状況です。実は、文章をいくら読み返してみても問題解決のヒントは見つかりません。なぜなら、『ゴースト トリック』は「ミステリー」であると同時にビデオゲームだからです。ビデオゲームなので、答えは画面の中にしかありません。答えはあなたが行動することで生まれます。

「“タマシイ”を事件の核心まで導くために“トリツク”と“アヤツル”を繰り返すのが『ゴースト トリック』」。

今の目的は「いかにして女刑事と殺し屋のところにたどり着くか」の一点に集約されています。“タマシイ”は色んなモノに“トリツク”ことができますが、移動できる距離は限られています。ふたりの所へ行きたいものの、とりつきたいモノまでの距離が遠すぎる……そんな時には“アヤツル”です。タイヤは“アヤツル”ことで転がって移動しますし、ハシゴは開いて伸びます。すると、それまで届かなかったモノにも“トリツク”ことができるようになり、目的地へ一歩近づけます。移動手段が“トリツク”、道を開くのが“アヤツル”と言い換えてもいいかもしれません。

死の世界の4分前に戻れる


■いかにして“タマシイ”が女刑事を助けるか

あなたは“タマシイ”という非現実的な存在ですが、あくまで現実的に、物理法則に従って問題を解決しなければなりません。テイストは不思議な仕掛けが登場するTV番組「ピタゴラスイッチ」や懐かしのPCゲーム「インクレディブル・マシーン」シリーズに近いかもしれません。

さて、ネタバレになりすぎないよう実例を紹介してみましょう。これはWEB体験版でも公開されている範囲ですので、興味がある方も安心して読み進めて下さい。

ゴミ捨て場では女刑事が殺し屋の毒牙にかかりそうです。

頭上にヤケに意味ありげに吊されている鉄球・・・これを殺し屋の頭に落とせれば、女刑事を救えるかも知れません。鉄球を掴んでいるアームに“トリツク”、そして“アヤツル”で鉄球を放せば良さそうですが、“タマシイ”が今とりついているのは自転車。アームにはとても届きません。どうやら自転車のペダルに“トリツク”ことができそうです。

ペダルを“アヤツル”と自転車はノロノロと進み、クレーンの操作盤の近くにやってきました。操作盤にはレバーがあり、“トリツク”&“アヤツル”で鉄球を殺し屋の頭上にセット。逆襲の準備が整いました。しかし、自転車はこれ以上進めませんし、目的地であるアームははるか頭上。近くのハシゴに“トリツク”ことはできますが、アームまでは届きません。

ここで“アヤツル”の出番です。するとハシゴは大きく開き、アームの近くにある街灯まで伸びました。もうあとは目的地までまっしぐらです。街灯から鉄球、そしてアームへ“トリツク”で移動。アームを“アヤツル”と掴まれていた鉄球は殺し屋の頭上に落ち・・・そして女刑事は救われました。運命は変わったのです。

■広がっていく世界

物語は大きく展開していきます。シセルのタマシイは電話線を使って様々な場所へと移動し、時にはあっと驚く人物に肉薄します。シセルの行く先には色んな事情を抱えた人物が待っているようです。生きている者、そして死んでしまった者。ほんの少し無機物を“アヤツル”ことが積み重なり、彼らの運命はわずかずつ動いていきます。

トリックもちょっとずつ複雑に。モノをいつ“アヤツル”かが重要になりますし、気ままに過ごすキャラクターを誘導するような局面があるかも知れません。さらに『ゴースト トリック』の世界を奥深いものとするふたつの広がりが用意されています。

これはきっとあなたを驚かせることでしょう。

■新ジャンルゆえに

ゲーム界が守りに入る中、新シリーズがスタートすることには大きな意味があります。『ゴースト トリック』は不思議なプレイ感を持つ新しいジャンルですが、それ故に、伝わりにくい部分があるのも確か。幸いにも公式サイト、みんなのニンテンドーチャンネル、DSステーション、ニンテンドーゾーンで体験版が配信(※)されていますので、興味を持った人は是非触れてみて下さい。シンプルな操作で謎めいたストーリーを追う、新ジャンルのミステリーがあなたを待っています。

※配信は期間限定です。
《水口真》
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