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【めざせクリエイター! Shadeで始める3DCG】第1回 Shadeとは? 生い立ちから最新版の機能まで

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めざせクリエイター! Shadeで始める3DCG 第1回
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今やゲームや映画に欠かせないものとなった3Dコンピュータグラフィック(CG)。3DCGといえば、かつては高価な専用ワークステーションが必要でしたが、CPUパワーやビデオカードの3D処理能力の向上により個人レベルのPCでも、3DCG制作は非常にしやすい環境が整ってきました。国内の3DCGソフト市場では、「Shade」シリーズがホビー用途で絶大なシェアを持ちます。エントリー向けで3DCGの基本機能がひととおりそろった1万円の「Basic」から、より多くの機能が搭載された「Professional」まで製品の幅が広いのも特徴で、技術が上達したら、より上位のバージョンに移行できるようになっています。

『Shade11』ではBasic、Standard、Professionalの3種類のパッケージが用意


それぞれのグレードでMac版とWindows版が存在します


しかし、3DCGというとソフトが難しくて手を出しにくいと思っている人も多いのではないでしょうか。そこでこのシリーズでは、12月に発売が開始されたばかりの「Shade 11」の使い方を、“Shadeの神様”園田浩二氏にみっちりと教えていただきます。第1回となる今回は、Shadeシリーズの生い立ちなどを企画開発統括部の滝澤真実氏に教わりました。

聞き手:平 雅彦(WINDY Co.)


○ゲームの3Dモデル作成ツールとして誕生した「Shade」

―――Shadeシリーズといえば、今では3DCGソフトとして有名ですが、どのようにして誕生したのでしょうか?

25年ほど前に福岡のシステムソフト(現システムソフト・アルファー)が発売した、「立体版遊撃王」というフライトシミュレーションゲームがあったんです。このゲームの中で飛ばす飛行機のモデルを作るためのエディタとして作成されたのがShadeの前身になります。このエディタはポリゴンで3D形状をモデリングするツールで、それにレンダリング(光や影を計算してグラフィックとして描画する)部分を追加してPC-9800シリーズ用の「Shade Pro」として1986年に発売したものが、Shadeとしては最初の製品になります。ただしそのソフトの利用目的は、現在のようなコンシューマ向けのホビー用途ではなく、業務向けのプロダクトのビジュアライゼーション(製品デザインの可視化)用途で、値段も70万円くらいするものでした。

3DCGソフトは多くのメモリを必要としますが、昔のPC-9800シリーズの最大メモリ搭載量は少なく、Macintoshの方が多かったので、Macintoshにプラットフォームを移してShadeの開発が本格的にスタートしたんです。1990年にはジュラルミンケースに入った175万円の「Shade II」が登場しました。このときにはすでに、現在のShadeの特徴となるベジェ曲線による操作と、Shade Gridの原型となるAppleTalkを使った分散レンダリング(演算には非常に時間がかかるため、複数のパソコンで分散してレンダリングを行うことで演算速度を短くする)機能などを実装していました。

○美少女ブームとWindows版の登場

Shade IIの頃に、イラストレーターの加藤直之氏が「沈黙の美女」という女性のCGを制作しまして、これがものすごく話題になりました。その後も漫画家のくつぎけんいち氏が制作した「テライユキ」や、デザイン会社のブルームーンスタジオで制作された「FeiFei」など、3DCGで美女や美少女を作成するといった用途に使われ始めたんです。さらに、第2回以降から登場する弊社の園田浩二がマクドナルドのビッグマックのテレビコマーシャルをShadeで制作しました。こういったことが積み重なって、3DCGですごいことができるんだなというのが一般の人にも伝わってきたんです。

沈黙の美女テライユキFeiFei


ShadeのWindows対応は1996年にWindows 95用として出したのが最初です。1998年には廉価版としてWindows用の「myShade」とMacintosh版の「iShade」が9800円で登場しました。この値段設定によって爆発的に出荷本数が増えて、3DCGがより身近なものになりました。以来、Shadeは「個人がパーソナルな環境で3DCGを創り出せる」を基本コンセプトとして、開発を進めてきました。


○Shadeの最大の特徴、ベジェモデラー

―――Shadeではほかにはないベジェベース(曲線を作って面を構成していく)のモデラーを採用されていますね

多くの3DCGソフトではポリゴン(多角形)で枠を作って、その中に包まれるようななめらかな形状を作る、という方法が主流なんです。しかし、その方法では曲線そのもののコントロールができないという欠点があります。

Shadeは曲線そのものを操作しながら形状を作るので、表現したい曲線がそのまま描けるんです。ちょっと曲がりすぎたら、Adobe Illustratorのようにコントロールハンドル(カーブを決定するための補助的なハンドル)を操作すれば変えられるというのが、ベジェモデリングの一番よいところです。この「描きたいとおりの線」を重視する人は、ベジェベースのソフトを選ばざるを得ないんです。人の顔を作る時でも、「頬のこの線を描きたい」という人にとっては、粘土細工のように顔の凹凸を作っていく他ソフトではなく、曲線を直接描けるShadeという選択肢が最適なのだと思っています。

○モデリングをしなくても楽しめる3DCGソフト

―――12月に発売されたShade 11でのおもな新機能を教えてください

まず、若い方々に3DCGを新しく始めてもらいたいという気持ちがありまして、2Dから立体に起こす「スケッチモデラー」と「フォトモデラー」という機能を追加しました。また、結局どんなツールを使ってもモデリングは習熟が必要な職人技になってしまうので、そこを簡略化する方法のひとつとして、Google SketchUpデータの読み込みに対応しました。Google SketchUpのデータは、Google 3Dギャラリー(http://sketchup.google.com/3dwarehouse/)から無料でダウンロードできます。このGoogle 3Dギャラリーは、まだあまり知られていないと思うのですが、非常に豊富なデータがあるんです。

スケッチモデラーイラストから3Dを起こす


フォトモデラー写真から3Dを起こす


これまで使ってくださっている既存ユーザーの方々向けには、要望の多かった機能の中から光跡を表現できる「ボリュームライト」を追加し、さらにカメラで撮影したときに発生するレンズフレアの再現ができる「グローエフェクタ」をより使いやすく改良しました。また、形状を直感的にまとめて変更できる「ケージ」という機能も追加して、形状編集の操作性の改善を図りました。

―――Shadeの採用実績にはどんなものがあるでしょうか?

週間ヤングジャンプに連載されている「GANTZ」という作品で使われています。作中に登場する銃などの小物や背景の作成にShadeが使われているそうです。来年には実写映画も公開されるらしいですね。

このように、表現したいものの一部を補完する裏方的な使われ方が多いものですから、実績として揚げられる具体的な事例はあまり多くありません。個人のホビー用途以外で一番多く使われているのは建築系です。内装デザインや、完成予想図のプレゼンテーションなど、建築パースと呼ばれるジャンルで使われていることが多いんです。このジャンルでも、設計図どおりに線を描けるので作りやすいという声をいただいています。

建築パースもそうですが、現実には存在しないものをリアルに表現できるのが3DCGの強みです。電子音響機器の製造・販売をしているベスタクスさん(http://www.vestax.jp/)では、プロダクトデザインにShadeをお使いいただいており、何度もグッドデザイン賞を受賞されています。そのデザイナーさんも、やはり描きたい線を表現できるのはShadeならではということで、長年使っていただいています。



ちょっと変わったところでは、大妻女子大学で使っていただいています。一見3DCGとは全然関係なさそうに思えるのですが、被服分野でもCADが拡がっているらしいんです。ただ、平面のモニタの中で立体を扱う基礎的な概念の把握が難しいということで、その習得のためにShadeを授業で使っていただいています。


―――最後にShadeの今後について教えてください

私がShadeの担当になってからまだ半年くらいなので、いろいろわからないことが多くて手探りでやっています。まずは、ユーザーの皆さんと直接お会いして、いろんな声を聞いていきたいと思っています。その上でユーザーがしてほしいと望んでいる方向に進めていきたいと思います。
3Dカメラや3Dテレビ、3D映画など、3Dを扱うものが続々と登場してきていますので、これから3Dを作る人が足りなくなるんじゃないかと感じています。その足りなくなる3DクリエイターをShadeが生み出すんだと、そういう気持ちで、ユーザー目線での使いやすさや機能を追及していきたいと思っています。


次回からは、いよいよ“Shadeの達人”園田浩二氏によるShadeの使い方講座が始まります。ご期待下さい。


沈黙の美女
Copyright 1991-95 Naoyuki Kato, Hisashi Hoda, Miyuki Kato

FeiFei
Copyright 2001 Blue Moon Studio Inc.

テライユキ
Copyright 2005 Ken-ichi Kutsugi / extage
《土本学》

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