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次作の構想もチラリ!?『ディスガイア7』開発責任者・美濃羽俊介氏が語る手応えとシリーズのこれから

屈指のやり込み系シミュレーションRPGはどう進化していくのか?今後の構想も含めたお話をうかがいました。

ゲーム 特集
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次作の構想もチラリ!?『ディスガイア7』開発責任者・美濃羽俊介氏が語る手応えとシリーズのこれから
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魔界戦記ディスガイア7』にフィーチャーする形で、2024年4月29日にフィナーレを迎えた日本一ソフトウェア30周年記念コンセプトストアの全国キャラバン。

そして、きたる7月25日(木)には『ディスガイア7』本編と追加DLCをまとめ、さらに新要素を追加した『魔界戦記ディスガイア7 これまでの全部入りはじめました。』がリリースされます。

同作の開発責任者である美濃羽俊介氏に『全部入りはじめました。』の見どころと“これからのディスガイア”についてうかがいました。

『ディスガイア2 PORTABLE』に惚れ込んで入社!

――まずは、簡単な自己紹介と経歴を教えてください。

美濃羽氏(以下、敬称略)魔界戦記ディスガイア7』で開発責任者を務める美濃羽俊介です。PSPの『魔界戦記ディスガイア2 PORTABLE』で『ディスガイア』のおもしろさに目覚め、その後PS3で『魔界戦記ディスガイア4』を遊んで「こういうゲームの制作に関われたらいいな」と思い、日本一ソフトウェアへプログラマーとして入社しました。

開発スタッフとして初めて関わった作品はPS Vitaでリリースされた『ディスガイア4 Return』で、企画当初から(プログラマーとして)参加した作品は『ディスガイア5』です。その後はシリーズから一度離れて別のタイトルを任され、『ディスガイア7』で再び制作に携わり、開発責任者を務めています。

――1ファンから作る側へ回ってみての感想はいかがでしたか。

美濃羽プレイヤーとして遊んでいるときには気がつかなかった設計思想が分かって「なるほど、おもしろいな!」と違った視点での魅力を再発見しました。

――美濃羽氏が感じた『ディスガイア』の設計思想とはどのようなものですか?

美濃羽1つ目は「シミュレーションRPGとしてしっかり作られていながら、プレイヤーが自由にそれを“ぶっ壊せる”」ことです。『ディスガイア5』でいうなら、マップ全体に効果をおよぼすさまざまな「魔界効果」や、マップ全体の敵を攻撃できるスキル「彗星のディザスター」などですね。「シミュレーションRPGでここまでやっちゃっていいんだ!」と(笑)。

もう1つは「キャラクターの育成の楽しさ」です。今の段階で一番最適な育成方法はこう、キャラがもう少し強くなったらこう……と、育成手段が層になっているので育成度合いによって最適なアプローチが変わるので、育成の段取りを立てることそのものが大きな楽しみとして設計されているのだなと感じました。

朝霧アサギの追加と「始祖の七振り」仕様変更は絶対にやりたかった!

――2023年1月26日に『ディスガイア7』をリリースし、プレイヤーの反響はいかがでしたか。

美濃羽』は、シリーズをディープに遊んでくださっているみなさんにあらためて訴求する“ディスガイアらしいディスガイア”というコンセプトで制作されており、狙い通りに“刺さった”商品にできたと感じています。

――7月25日(木)には、これまでに配信された新シナリオ・新キャラクターをすべて収録した『魔界戦記ディスガイア7 これまでの全部入りはじめました。』がリリースされます。企画はいつ頃から動いていたのでしょうか。

美濃羽本タイトルは今年の1月頃に企画が動きだして「追加したい要素はありますか?」と話が降りてきましたので「少なくともやりたいことが2つあります!」と答えました。

1つは、人気キャラである朝霧アサギを新シナリオとセットで参戦させること。もう1つは、ストーリー本編で重要な意味を持つ7つの武器「始祖の七振り」を誰でも持てるようにすることです。

『魔界戦記ディスガイア7 これまでの全部入りはじめました。』PVより

――それぞれの追加要素の狙いを教えてください。

美濃羽プレイヤーのみなさんに申し訳なく思うところでもあるのですが、僕はアサギの人気の高さを読み損ねていました。『』がリリースされて以来「アサギがいない!」、「アサギに来てほしい!」という声をたくさんいただきましたので、このタイミングで何が何でも追加せねばと。

始祖の七振りは、実は『』のリリース当初に他のキャラクターへ渡せてしまう不具合があったんですよね。それはあくまで想定外の挙動でしたのでパッチを当てて修正させてもらいましたが、その時に「昔の『ディスガイア』だったらこのくらいさせてくれたのにな」という反応もあって(笑)。その意見には僕もうなずけるところがありましたので、今回正式な仕様として実装することにしました。

『魔界戦記ディスガイア7 これまでの全部入りはじめました。』PVより

また、シリーズ恒例といえるステータスの上限解放に加え、最凶のボス「羅刹バール」も追加していますので、ぜひお気に入りのキャラをさらに鍛えて立ち向かってください。

――固有キャラよりも汎用キャラに愛を注ぐプレイヤーの姿も多く見られますね。美濃羽さんは汎用キャラクターの中では誰が好きですか?

美濃羽一番好きなのは魔法剣士です。「かわいい」、「胸が大きい」、「未来を見通す神秘の瞳を持つ中二設定」……完璧ですよね!それと呪術師(女)も同じくらい好きです。

『魔界戦記ディスガイア7』公式サイトより

新シナリオ「界援隊編」とアサギの見どころは?

――アサギが仲間になる新シナリオ「界援隊編」のコンセプトや見どころを教えてください。

美濃羽これまでの『ディスガイア』シリーズでは、過去のキャラはシリーズごとに固めて配信してきました。『』では新たな試みとしてシリーズの垣根を越えた組み合わせにしたのですが賛否両論で、「これまでに絡みがなかったキャラとの関係性が分かって深みが出た」という声があれば「定番の組み合わせが見たかったな」という声もありました。

それを受けて、「界援隊編」は歴代魔界(シリーズごとの世界)を順にめぐっていくストーリーにしています。

『魔界戦記ディスガイア7 これまでの全部入りはじめました。』公式サイトより

――アサギは参戦するシリーズごとに別人のような印象を受けますが、「界援隊編」のアサギはどのような立ち位置なのでしょう。

美濃羽アサギは基本的に“なんでもアリ”の子ですが、今回のアサギは「他の世界で主人公になったアサギ」です。

――アサギは長らく「永遠の次回作の主人公」という立ち位置でしたが、念願の主人公を務めたアサギの姿が楽しめるということですね。

最難関はとことん難しくした専用ステージ挑戦イベント

――4月29日まで博多マルイで開催された日本一ソフトウェア30周年記念コンセプトストアのラスト3日間は『ディスガイア7』がフィーチャーされ、開発チームが制作した専用ステージへのチャレンジイベント「悪魔将棋認定試験編」が実施されます。

美濃羽弊社の営業部から「博多マルイ会場では『ディスガイア』のイベントをやりたい!」と依頼を受けて制作しました。

ディスガイア』シリーズはキャラをとことん育成できるだけに、気楽に遊んでくれる人とやり込んでくれる人の差が大きいという特徴があります。どちらかだけを見るともう片方の層の人たちは楽しめないものになってしまいますので、ステージを4つ用意して段階的にチャレンジできるようにしました。

日本一ソフトウェア30周年記念コンセプトストア in 博多マルイ告知ページより

一番簡単なプリニー級は、なんらかのターン制シミュレーションRPGに触れたことがあれば簡単にクリアできると思います。

その次の魔神級は、魔ビリティの「サディスティック(HPが最大であるユニットへ与えるダメージが+50%される)」を持つエトナで「爆発体質(投げられると爆発し、周囲のキャラにダメージを与える)」を持つプリニーを投げつけて敵を一気に殲滅するなど、システムやスキルへのちょっとした理解が求められるものになっています。ネタバレですが……(笑)。

最難関の超魔王級は、おそらく『ディスガイア』をかなり遊びこんだ人でもやりごたえを感じるのではないかと……。事前のテストプレイでは、弊社の営業部にクリアできた人はいませんでした。

とはいえ、『ディスガイア』ユーザーのみなさんはいつも僕たちが想定できてないような解法や戦法まで編み出してくれますので、実際のところはどうなるか分かりませんけどね。

(編注:本インタビューはコンセプトストアで「悪魔将棋認定試験編」が実施される前に行われています)

――コンセプトストア終了後に「悪魔将棋認定試験編」が配信される予定はないのでしょうか?

美濃羽現状では、その予定はありません。ご好評だったら、今後開催されるオフラインイベントなどでも活用していけたら……とは考えています。

もっと“沼”に引き込みやすく―今後の『ディスガイア』はこうなる!

――『ディスガイア』シリーズの今後について教えてください。『ディスガイア8』、もしくはそれに類する作品のリリース予定はあるのでしょうか。

美濃羽残念ながら、今はまだお話できることが何もありません……。ただ、今後も『ディスガイア』シリーズの開発に携わり、引き続き“”に引き込める商品を作っていきたいですね!

――それでは、美濃羽氏がディレクターとして新作を作るならという前提でやりたいこと・盛り込みたい要素などはありますか?

美濃羽まずは『ディスガイア6』とは異なるアプローチで「新規層の人も入りやすいシステム」を用意することです。

シリーズの大きな魅力は膨大なやり込み要素ですが、初めて触れてくれる人にはそこがハードルにもなってしまいやすい。ですので、簡略化とは異なる形で“育成の楽しさが分かるまでの時間が短くなる”何らかの仕組みを用意できたらいいなと思っています。

推しキャラを延々と育成・強化できるのが魅力のシリーズながら、その果てしなさがハードルの高さにもなりかねない…と美濃羽氏

――“育成沼”に、よりスムーズに引き込みたいということですね。

美濃羽そういうことです!

――次回作にかぎらずとも、『ディスガイア』シリーズに関する今後の展望はありますか?

美濃羽まずは「キャラ界」の復活ですね。「復活させてほしい!」というお声を多くいただいていますので、入れなければと考えています。

ストーリー・設定面では、『ディスガイア7』で以前から設定だけは存在していた「ブシロード」に言及できましたので、「女性だけの村」や「天界」など、シリーズで存在が言及されてきた設定を深堀りするシナリオをいつかやりたいですね。

――どちらも期待しています!美濃羽さんは『ディスガイア7』から開発責任者を務められていますが、過去のシリーズの“ディスガイア魂”は継承できたと考えられていますか?

美濃羽ディスガイア7』は“ディスガイアらしいディスガイア”であることにこだわった作品で、ユーザーのみなさんからもご好評をいただいたと理解しています。

しかし、『』を制作していて形になってきたときに先輩から「ディスガイアは“なんでもアリ”のゲームなんだよ」と言われたのもすごく心に残っていまして……。「もうちょっと“ぶっ壊す”のがディスガイアなのかな?」という思いもあります。

“なんでもアリ”を体現した要素の1つといえる『ディスガイア7』の「弩デカ魔ックス」システム。プリニーが超巨大化!

――「ディスガイアらしさとは何か」と「何でもアリなのがディスガイア」のせめぎあいでゲームが作られていく(予定)……というわけですね。それでは、最後にメッセージをお願いします。

美濃羽7月25日(木)リリースの『魔界戦記ディスガイア7 これまでの全部入りはじめました。』は手に取りやすい価格になっていますので、シリーズ未経験の人の“初ディスガイア”としてもオススメです。

2023年1月に発売されたシリーズ最新作『魔界戦記ディスガイア7』に、現在配信されているDLCと各種特典を全て収録しております。さらに新規で配信されるシナリオと新規キャラクター、やり込み要素を追加し『魔界戦記ディスガイア7』の全てが楽しめるお得な一本です!

ディープなファンから何が求められているのか。どうすれば新規のファンも増やしていけるのか。これからもそのバランスを取りつつ手がけていきたいと考えていますので、『ディスガイア』シリーズをよろしくお願いいたします!

製品情報

  • タイトル:魔界戦記ディスガイア7 これまでの全部入りはじめました。

  • ジャンル:史上最凶のシミュレーションRPG

  • 対応機種:ニンテンドースイッチ/PlayStation 5/PlayStation 4

  • 発売日:2024年7月25日

  • 開発責任者:美濃羽俊介

  • キャラクターデザイン:原田たけひと

  • CERO:C(15歳以上対象)

  • 価格:5,980円(税込6,578円)

魔界戦記

ディスガイア7

これまでの全部入り

はじめました。

魔界戦記

ディスガイア7

魔界戦記

ディスガイア7

デジタルデラックス版

ゲーム本編

新規シナリオ

「界援隊編」

新規キャラクター「アサギ」

× ※1

× ※1

神討継承の追加

〇 ※2

〇 ※2

ステータス上限解放

〇 ※2

〇 ※2

羅刹バールの追加

〇 ※2

〇 ※2

DLCシナリオ

(追加キャラ21体)

×

×

シーズンパス購入特典

「プレネールさん」

×

×

初回生産/プレオーダー特典

「めがねコスチュームセット」

×

×

デジタルデラックス版特典

「特別武器セット」

×

デジタルデラックス版特典

「シリーズコスチュームセット」

×

×

店舗特典

「特別モデル汎用キャラクター」

14体

×

×

※1:有料DLCとして購入する必要があります

※2:配信される無料パッチでアップデートを行う必要があります

(C) 2023 Nippon Ichi Software, Inc.

《蚩尤》

汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

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