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「聖騎士」から生まれた古龍―『モンスターハンターアウトランダーズ』開発者インタビュー【TGS2026】

守るべきものと、挑戦すべきもの。スマートフォンで“しっかりアクションする”狩猟を成立させるまでの話を伺いました。

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「聖騎士」から生まれた古龍―『モンスターハンターアウトランダーズ』開発者インタビュー【TGS2026】
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TiMi Studio GroupがCAPCOM監修のもと開発するモバイル向け新作『モンスターハンターアウトランダーズ』。「TGS2026」にて試遊の機会をいただいたのにあわせて、開発を手掛けるTiMi Studio Groupの黄冬(Don Huang)氏と、カプコンの砂野元気氏にお話を伺うことができました。

本作の設計思想から、スマートフォン向けならではの挑戦、そして看板を張る古龍「ルガ・エアルダ」誕生の経緯まで。通訳を介したやり取りを整理してお届けします。

※ゲーム画面は、すべて開発中のものです。

――『モンスターハンターアウトランダーズ』を企画する際に、「これだけは守るべきだ」と最初に考えた部分はどこでしょうか。

黄氏:まず、アクションゲームとしての面白さを土台にして、冒険者とモンスターが対峙するという遊びの楽しさを組み立てること。ここが非常に重要な鍵だと考えています。

その点をきちんと貫いたうえで、私たちとしては「多様な冒険者」と「広大なフィールドの探索」という、2つの要素を結びつけた遊びを提案しました。アクションとしての楽しみを十分に確保するという前提があって、さらにそこへ、より面白く豊かな探索の要素を加えていきたい——そういう考え方です。

砂野氏:カプコンとしては、モンスターを狩って素材を手に入れて装備を作る、といったゲーム性の根幹は当然守ってくださいという立場です。ただ、お話をいただいたときにはむしろ、今までにないことがやれるタイトルになるといいなと思っていました。

TiMiさんにはその力があったので、我々からはポンと出てこないようなアイデアをいろいろ出していただいて、そのうえで「これはこういう考え方をしないんですよ」といった部分を綿密にすり合わせていった、というのが大きいですね。

逆に言えば、そのまま同じものを作るのではなく、独自の狩猟システムだったり、ロールプレイの部分だったり、クラフトの部分だったり、違う部分をどう出すかをしっかり考えてほしい。そこはカプコンから常々お話ししていた部分だったと思います。

――スマートフォン専用タイトルだからこそ、あえて大きく変えた、あるいは挑戦した部分があればお聞かせください。

黄氏:大きく3つあります。

ひとつ目は、モバイルでの操作に合わせて、狩猟システムと技の使用を大幅にシンプル化したこと。従来のようにボタンを組み合わせて技を出す方式を、「技のボタン」という形でスマートフォンに適合させました。

ふたつ目は比較的シンプルな狩猟ロジックと、それに合わせた場面設計によって、操作面を大きく簡略化しています。プレイヤーがすぐに慣れて、ゲームの楽しさを体験できるようになっています。

3つ目は、モバイルのために用意した各種の補助です。ロックオン、カメラの追従、そして攻撃の予兆を知らせるアラートのような情報表示ですね。こうしたものを画面上で確認できるようにして、スマートフォンでも気軽に遊べるようにしています。

砂野氏:『モンスターハンターアウトランダーズ』はしっかりアクションするスマートフォンタイトルにしましょうというところがあったので、「操作をどうしますか」という話はかなり最初からしていました。

今回「スターティングモード」という名前になった簡易操作についても、弊社から「あったほうがいいのではないか」とお伝えしています。がっつりアクションできるスマートフォンタイトルを出したい一方で、スマートフォンだからこそ、より広くユーザーの皆さんに触っていただきたいという思いもありましたので。ゲーム性のさらに手前にあたる部分ですが、かなりやり取りさせてもらいました。

――本作では主人公以外にも様々な冒険者を操作できます。「プレイヤー自身がそこにいる」という感覚と、冒険者それぞれのキャラクター性は、どのように両立させているのでしょうか。

黄氏:とてもいい質問ですね、ありがとうございます。

まずストーリーモードにおいては、いわばプレイヤーの冒険者が、物語全体を貫く鍵となる人物です。シナリオは基本的に、このプレイヤーの冒険者を中心に展開していきます。他の冒険者も存在しますが、物語の中では主人公の仲間という位置づけで、一緒にアイソレシア島に残された問題を解決し、世界を救っていくことになります。

一方、実際に遊んでいく中では冒険者ごとに多様な遊び方と戦略的な楽しさが存在します。ですから冒険者を切り替えれば、それだけ異なるゲーム体験が得られる。最初の冒険者は本来の遊びの神髄を体現する存在で、そこに他の冒険者を組み合わせることで戦略の幅が大きく広がっていきます。

そして重要なのは、冒険者の切り替えが遊びのハードルを下げることにもつながるという点です。戦略的な要素を狩猟前の段階に置くことで、狩猟中はより武器そのものの楽しさを味わえるようになる。ハードルを下げながら、同時に多くの武器や冒険者に触れてもらえる。結果として、遊べる内容がより多様になるのではないかと考えています。

砂野氏:狩猟部分は組み合わせの立ち回りを主眼に作っていった経緯があります。では、その組み合わせの幅をさらに広げるとしたらどうするか、というところですね。

加えて、キャラクター性を持った存在に対してユーザーの皆さんが愛着を持ってくださる、ということもあります。そうした要素を組み合わせて、今回うまく面白い形にできているのではないかと思っています。

――「融光種」は本作を象徴する要素だと思います。単なる強化個体ではなく、プレイヤーにどのような手応えを与える存在として設計されたのでしょうか。

黄氏:これも私たちがかなり長く考えてきたことです。

まず物語の面では、融光種はアイソレシア島の特殊な生態が影響を与えて生まれた存在です。

そして遊びのメカニズムの面。これまで2回のテストでも具体的な遊び方を出してきましたが、融光種には融光化による狂暴状態があったり、融光化した専用の弱点があったりします。

こうしたギミックがあることで、「モンスターを狩り終える」という目標の他にも、より多くの目標を持って遊べるようになる。新しい目標の設定と、私たち自身が作った冒険者の組み合わせによって、プレイヤーが絶えず新しいメカニズム上の挑戦に向かっていける。それが融光種を作りたかった、非常に重要な出発点でした。

――本作オリジナルの古龍であるルガ・エアルダには、どのような個性を持たせようと考えたのでしょうか。

黄氏:まずルガ・エアルダは、アイソレシア島で起きている物語全体と密接に結びついています。トレーラーでも触れていますが、島に伝わる伝承と非常に強い関連性を持った存在です。島の生態系そのもの、そして融石が生まれることも、ルガ・エアルダが引き起こした自然現象の変化の結果なんです。

2つ目に、制作にあたってカプコンさんと最初に話し合った際、重要なコンセプトをひとつ決めました。それが「金の甲冑を身に纏った聖騎士」——西洋で言うパラディンのようなイメージです。そのため、剣戟や盾といったデザイン要素を数多く取り入れています。

3つ目として、ルガ・エアルダは作品の中で、存在自体が甚大な被害を招くような生態だと捉えています。ですからストーリーを紡いでいくうえでも、単に狩猟の対象として扱うのではなく、その背後になぜそうした伝承があるのか、より深い生態の秘密を掘り下げていきたいと考えています。

砂野氏:完全新規、『モンスターハンターアウトランダーズ』オリジナルであり、しかも「禁足地」というところから新たに生み出すというのは、他のモンスターの作り方とはまったく違っていて、かなり苦労した記憶があります。

本作自体は2020年頃に開発をスタートして、正式に発表したのが2022年なのですが、2022年から23年くらいの頃には、すでにこのモンスターの話をしていた記憶があります。それがようやく形になって、皆さんに触っていただけるようになったな、というところです。

大きく分けると、まず設定面。島の設定や「融石」という存在は早い段階からあったので、それらをストーリーと組み合わせてどういう存在にするかをまとめる必要がありました。

2つ目がデザイン面です。モンスターのデザインは何かモチーフをひとつ取って考えることが多いのですが、今回はまずデザインを出していただいた後に、「これは何をメインに、どういう構造でデザインしているのか」という、デザインの考え方のすり合わせから始めました。

そして最後に、モチーフと狩猟アクション——つまりモンスターの攻撃をどう落とし込むか。それぞれかなり議論しながら進めてきました。それらのイメージが攻撃アクションにまで落とし込まれた形で、実際に狩猟していただけるようになったので、むしろ今は皆さんの感想を楽しみに待っているような気持ちです。

守るべき狩猟の骨格と、スマートフォンだからこそ踏み込んだ簡略化。そして「金の甲冑を纏った聖騎士」というコンセプトからモンスターを組み上げていく作業。

短い時間ながら、本作が何を継ぎ、どこで新しくあろうとしているのかがはっきり伝わってくるお話でした。あの古龍の背後にある伝承がどう描かれるのか、続報を待ちたいところです。

基本情報

  • タイトル:モンスターハンターアウトランダーズ

  • 対応端末:iOS/Android

  • 価格:基本プレイ無料(アプリ内課金あり)

  • 公式サイト:https://monsterhunteroutlanders.com/ja/

《げーまー哲》

焼きうどんが大好きなVtuberライター げーまー哲

2020年7月からVtuber活動開始。 普段はTRPGや音楽ゲームの配信を中心に活動。 それと同時にライター・ゲーム開発・同人活動を並行するマルチプレイヤー。 焼きうどんが大好きで、月の昼食の2/3は焼きうどんしか食べない。 世に出たゲームハードを多数所持しており、いずれ全てのゲームハードを所有するのが夢。

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