
『Shadowverse: Worlds Beyond(以下、シャドバWB)』による、賞金1億円の新リーグ「Shadowverse Premier Series(以下、プレミアシリーズ)」が7月から開幕します。
このプレミアシリーズには、様々な仕掛けが施されており、中でも「異例」なのが、所属選手の選考方法です。

eスポーツチームが選手をドラフト指名する様子を放送するというのも面白かったのですが、それ以上に斬新なのが「オーディション選考」です。
オーディション選考の注目の一つは、なんと2泊3日の合宿をおこない、そこでの「立ち回り」を審査基準の一つとして三次選考の合否を決めるというものです。

そして、その様子が「ABEMA」で放送されるという。
まさに世界初のeスポーツ版リアリティショーといえるでしょう。

選考基準にはゲームの実力だけでなく「発信力」や「人間性」などが設けられており、『シャドウバースWB』の盛り上がりに貢献できるかどうかがチェックされます。
そして、2026年6月15日に放送されたばかりの「第2話(#2)」では「発信力」や「人間性」のアピールに奔走する、オーディション参加者たちの人間味のある姿が垣間見えました。
ちなみに皆さん、覚えてますか?
5月5日にシャドバ界隈がざわついた「謎過ぎるSNS投稿」事件。
これらの「Shadowverse Premier Series」の公式アカウントから発信された動画群の正体も判明。すべてシャドバ合宿中に作成されて投稿されたものだったのです。

では、時計の針を5月5日に戻しましょう。
我々はゴールデンウィークの真っ只中に撮影現場である「房総クロスヴィレッジ」(千葉県君津市)に向かっています。
そうです、合宿の撮影現場に潜入取材する機会が得られたのです。
木更津市内から車で揺られること30分以上。
なかなかの山道を進みながら合宿の施設へ。
◆撮影スタッフ総勢約50名!カメラだらけの合宿地に到着

辿り着いた合宿地には、撮影スタッフが総勢約50名。
至る所にカメラが設置されており、その規模に思わず圧倒されました。取材班も、カメラに映り込まないよう、死角に移動しながら取材をすることに。

終始モニタリングされるという緊張感の漂う現場です。
合宿中は、あらゆる行動が審査の対象となります。
ミッションをこなすだけでなく、他の候補者と円滑なコミュニケーションが取れているか、課題にどのように取り組んでいるか。
一挙手一投足がチェックされています。まさに、一瞬たりとも気の抜けない環境でした。

合宿中は、あらゆる瞬間がカメラで撮影されています。
廊下や共有スペースには固定カメラが設置され、移動するとカメラマンも追いかけてきます。常に見られているという、テレビ番組ならではの独特の緊張感が、合宿全体に漂っていました。

今回の合宿で女性参加者はわずか3名。それぞれ異なるチームに配属されていましたが、同性ということもあり、合宿中に自然と距離が縮まっていったようです。
女子部屋に虫が出て、誰も退治できずに大騒ぎ。そんなアクシデントも、3人の絆を深めるひとコマになったようでした。
◆2日目に課されたのは…まさかの動画制作ミッション

校庭に集められた候補者たちは、運動会的な課題を予想していたようですが、告げられたのはまさかの動画制作ミッション。思わぬ課題に、驚きや不安の表情を見せる候補者たち。
それもそのはず、候補者の中には動画制作の経験がまったくない人も少なくありません。
チームに動画配信経験者がいるメンバーは少しホッとしたかもしれませんが、そうでないチームはお互いの顔を見合わせる様子も。

動画制作の経験者がいないピンクチームは、作戦会議にかなりの時間を費やした印象でした。
どんなテーマで撮るべきか、3人でアイデアを出し合い、議論を重ねた末に決まったのが「シャドバモノマネ」。テーマが決まったと思いきや、今度は誰がどのキャラクターを担当するかで、さらに頭を悩ませていました。

アイデアが固まったチームから、いよいよ撮影がスタート。
撮影の舞台は、校庭から体育館までチームの自由です。
緑チームは「青春」をテーマに、様々な場所を移動しながら、シーンを積み重ねていきました。

黒チームにはYouTuberとしての活動も行っている遠藤つよしさんがいますが、自分一人で引っ張るのではなく、あくまでも3人で協力しながら動画を作り上げていきます。
放送ではカットされていますが、現場では何度も何度も撮り直していました。
2話の放送で、遠藤つよしさんが動画完成後に涙を流すのは、現場を見ていた取材班としては強く共感できます。
◆「仕切りすぎ」でマイナス評価?「計算」で動画を作るふうやさん

スタジオでは、女性陣を中心に"推しメン"として名前が挙がり続けた白チームのふうやさん。
動画制作では、ほぼ1人で仕切っていた様子からは、ワンマンなタイプにも見えますが…。。

しかし実態は、アイデアをメンバーに提案し、3人で合意した上での役割分担。撮影・編集はふうやさんが担当し、他の2人は翌日の対戦会に向けてシャドバの練習に集中するという、チームならではの戦略的な分業体制でした。
さらに、クイズ形式で視聴者を引きつける構成や、思わず動画を止めたくなるBGMのタイミングまで計算済み。少し話を聞いてみると「僕はSNS戦略が得意なので」とのこと。
その言葉通り、エンゲージメントを意識した動画に仕上がっていました。
◆校庭の芝生にはシャドバ界のプリンスの姿が

ふと校庭の芝生に目を向けると、そこにはシャドバ界のプリンスである、ふぇぐさんの姿がありました。
世界大会「Shadowverse World Grand Prix 2018」を制した日本人初の1億円eスポーツプレイヤー。その闘いは、まだ終わっていません。

動画制作ミッション中の、ふぇぐさんはとにかく全力で体当たり。
グラウンドで倒れ込んだり、滝に見立てた水道水に打たれたり、そのエンターテイナーぶりに取材陣も思わず笑ってしまいました。
果たして、ふぇぐさんはPremier Seriesの舞台に立つことができるのでしょうか。
◆動画制作の裏側、スタッフがミスを見つけても「あえてそのまま」

ちなみにこれが撮影現場。
なんというか、すごく学校です。(元々は小学校だった施設とのこと)
オーディション運営スタッフは別室で待機し、出来上がってきた動画を順次チェック。
字幕のミスやカットミスへの最低限のフィードバックは返しつつも、基本的には候補者が作った動画をそのまま活かす方針で臨んでいました。審査するのは、あくまでも候補者自身の個性と判断力、そんな姿勢が伝わってくる場面でした。
また、番組内でも今回動画制作をミッションとして設定した意図が触れられていましたが、候補者のほとんどが「自身の課題」として動画制作や配信を含む発信力を挙げており、今回はその苦手な分野にどれだけ積極的に取り組めるか?という、その姿勢も見られていたようです。

という感じで「THE LAST DRAW」の裏側をお届けしました。
果たして、6月21日に幕張メッセで開催される最終オーディションを経て、Premier Seriesの選手として選ばれるのは誰なのでしょうか。
その模様を含んだ「THE LAST DRAW」最終話「#3」は7月10日(金)に公開されます。
◆編集後記
カメラが四六時中回ってるという、まさにeスポーツ版リアリティショーな環境でしたが、現場の空気はそこまでピリついていたわけではなく、参加者たちは「シャドバ好きの仲間たちと過ごせる時間」を楽しんでいるようにも見えました。
一般的なリアリティショーでは、売名行為のために、世間に受けそうなキャラを演じる人もいます。今回の企画も、オーディション選考も兼ねた合宿ということで、どの参加者もキャラを「演じてくる」のかと思っていましたが、どちらかというと「素」で望んでいたように思えます。
シャドバ以外にもバーベキューや体を動かす課題があったことで、緊張感よりも楽しさが上回って「素」が出てしまう空間だったのかもしれません。
社会人にもなると、こうやって同じゲームが好きな仲間と寝泊まりして、わちゃわちゃするようなことも少なくなるので、個人的にはちょっと羨ましかったです。
ゲームの選手を決める選考なのに、腕前だけでなく人間性も求められる点に、違和感を抱く人もいるかもしれません。ただ、いざ現場で見ていると、これから長期的に「シャドバ文化を育んでくれる人材」というのは、シャドバ以外のことにも前向きに取り組む姿勢を持っている人たちなのかもしれない、と思うようになりました。














