「居なくなってしまった彼女の物語は、この都市でまだ続いていました」
そんな詩的でどこか寂しげなキャッチコピーが胸に刺さるADV『Tokyo Stories』。本記事では、「BitSummit PUNCH」に出展に先駆けてデモ版のプレイレポをお届けします。
本作は、ピクセルアートと3Dを融合させた独特のビジュアル表現が特徴です。主人公のスズは、いつの間にか消えてしまった親友ユノを探すために誰もいなくなった渋谷の裏路地を彷徨うことになります。ユノはなぜ消えてしまったのか、この都市は何を伝えようとしているのか、記憶の断片が重なり合い物語の核心へと迫っていきます。


ドリコムが開発、ハピネットがパブリッシングを務め、発表当初から国内外のインディーゲームファンから熱い視線を集めています。
『Tokyo Stories』ウィッシュリスト登録はコチラ!裏路地、ゲームセンター、公園…誰もいない夜の渋谷を歩く
まずはタイトル画面から電車のシーンへと繋がります。車窓から流れる景色や差し込む光、そして断片的に挿入されるテキストが、これから始まる物語の切なさを予感させます。


地下鉄の出口を出ると、そこにはネオン煌めく華やかで喧騒に満ちた渋谷ではなく、薄暗く寂しげな渋谷の裏路地の景色が広がります。誰もいない静まり返ったその空間は、親友を失った主人公の孤独な心象風景そのもののようにも感じられます。物語は、ゲームセンターの前で主人公スズと親友ユノが出会い不思議な世界へ移動するところから大きく動き出します。


本作は昼の世界と夜の世界という2つのシチュエーションを行き来するゲームサイクルが特徴です。周りが崩壊したかのような白昼夢を思わせる昼の世界では、蝶を誘導して花を消していく幻想的なパズルパートに移行します。序盤のため複雑な操作はなく、動く現代アートに触れているかのような不思議な心地よさがあります。


再びゲームセンターの前に戻ると、今度は夜の世界でのアドベンチャーパートへ。周囲を探索しながら2階へと進むと2人の記憶を追体験するようなシチュエーションが挿入され、物語の背景が少しずつ紐解かれていきます。屋上に着くとユノが記憶の姿ではない状態で現れ、「全部、ウソなの」という意味深なセリフを残して消えてしまいます。




その後、物語は本デモ版で初公開となる新シチュエーションへと突入します。トンネル、カフェの前、Y字路、階段の前、そして公園へと、東京の情緒ある風景が次々と切り替わっていきます。最終的にコンビニの手前から公園に近づいたところで、今回のデモ版は幕を閉じます。



懐かしさに訴えるグラフィック、静寂を彩るサウンド
本作を語る上で欠かせないのが、圧倒的なビジュアル表現とそれを引き立てるサウンドです。
ピクセルアートと3Dを融合させたビジュアル表現を掲げているとおり、どこか懐かしいドット絵の温かみと3D空間ならではの奥行きや光と影の表現が見事に調和して描かれています。この美しいアートに最高のスパイスを加えているのが、ビートメイカーのNEWLY氏によるトラックです。静かでノスタルジックな映像に現代的でメロウなLo-Fi系のビートが重なることで、これまで見たことがないのに確かに私たちが知っている現代の東京という絶妙なストリート感が演出され、高い芸術性を生み出しています。


本作はかつての名作アドベンチャーゲームを彷彿とさせる固定カメラによる視点切り替わり型を採用していますが、カメラワークが非常に滑らかに計算されています。画面切り替え時のストレスを感じずに世界に没入できるでしょう。操作自体もシンプルにまとめられており、映画の主人公をそのまま動かしているかのような高い一体感が維持されています。
エリアを進むたびに、消えゆく東京という儚い世界観を補完するための詩的で情緒的な言葉が表示されるのも想像力を強く刺激してくれます。東京の裏路地が持つ特有の「寂しさ」という繊細なニュアンスが今後どのような翻訳によって世界に届けられるのか、非常に楽しみになるクオリティでした。



昼の世界の幻想的なパズルと、夜の世界のリアルな謎解き。この2つが交差しながら紡がれる少女たちの物語は、インディーゲームファンならずとも深く心に刻まれる作品になる予感がしています。未公開シチュエーションで体験した数々の美しいロケーションが製品版でどのように繋がっていくのか、そして親友が消えた理由とは何なのか。ぜひその目で確かめてみてください。
【製品情報】
ゲームタイトル:『Tokyo Stories』
ジャンル:アドベンチャー
発売日:未定
プラットフォーム:PC(Steam)
価格:未定
デベロッパー:株式会社ドリコム
パブリッシャー:株式会社ハピネット
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